
私にとって、阪神の特急といえば、やはりこの電車をイメージしてしまいます。時代の変化とともに新しい車両に様変わりするのは致し方がないのですが、この画像を見ると 「That's 阪神特急!」 と叫びたくなりますよね。
そして、以前にもお話ししたかと思いますが、子供の頃、阪神の電車、特にクリームと赤の “赤胴車” と京成の “赤電” ってそっくりだなってずっと思っていました。京成にあるステンレスの帯が阪神には無いだけで、それこそその頃は 「兄弟系列?」 と思い込んでいたくらいですから。今風に言えば 「OEM供給」 的なそっくりさだなって。今はさすがに思わないけど。
昭和の阪神特急を代表するのが、この7000系列なんですが、画像の車両は7101形電車でしょうか?
7001形と7101形といえば、普通列車用の5261形とともに阪神初、いや日本初の電機子チョッパ制御を採用した車両として、また、阪神初の冷房車という点で、その歴史に名を残す車両として特筆されます。
デビューは昭和45年で、当初は3両編成で登場し、増備車は4両となりました。そして中間車を新製して3両編成に組み込み、最終的には全て4両編成となりました。
当時、大阪-神戸間のライバルであった国鉄や阪急ですら、通勤用車両に冷房車が登場しておらず (やっと、国鉄113系に試作冷房車が登場しただけ) 、この点で阪神は大きなアドバンテージをライバル2社につけることになります。
昭和末期、後継系列の8000系が登場し、特急や急行といった優等列車は8000系が使用されるようになります。7001形と7101形は廃車にはせず、更新改造して生かしておくこととしました。ちょうどこの頃、新時代の制御方式として界磁添加励磁制御装置が開発され、国鉄の205系や211系、山陽電鉄の5000系などに採用されるようになりました。阪神もその界磁添加励磁制御を採用することになりましたが、車両の新製はせず、前述のように更新改造することになっていた7001形と7101形にこの制御装置を搭載した上、4両を6両化することにしました。そして形式も統一して2000系となりました。改造後も特急や快速急行に使用されました。
画像の7113は改造後は2213となりましたが、平成7年の阪神・淡路大震災で被災し、廃車されてしまいました。残った車両も編成の組み替えなどを行って復旧しましたが、近鉄との直通運転が開始されるようになってからは特急に充当される機会が減り、ラッシュ時の区間特急や阪神線内の急行などに使われる機会が多くなりました。そして平成18年に1000系が登場すると、置き換えが本格的に実施され、平成23年に最後まで残った2編成が置き換えられて2000系は全廃となり、廃形式となりました。
「特急」 のヘッドマークと阪神独特のバンドン式密着連結器など、 “阪神らしさ” を随所に残す画像だと思います。
【画像提供】
岩堀春夫先生
【参考文献】
ウィキペディア