スーパーガール郁子さん【同窓会編】 | 新AK-3のいろいろブログ

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スーパーヒロイン、特にスーパーガール、スーパーウーマンについての妄想や鉄道の話し、たまにプロ野球の話しなんかもしたいと思ってます。

※このブログネタは99%の妄想と思い込みで、出来ています!

ある晩秋の夜、郁子は自宅マンションに戻ると1通の手紙が来ていた。

「あ、ハガキが来てるわ。へぇ…同窓会、やるんだ。須賀クン元気かな⁉」

ここだけの話しだが、郁子はハジメにほのかな思いを寄せていたのだ。


そして、同窓会の当日。郁子の顧問の合唱部は年明けのコンクールに向けて遅くまで練習をしていた。

「あ、こんな時間。もう間に合わないわ。仕方がないわね、奥の手よ」

郁子は音楽室に誰もいないのを確かめると、音楽資料室の窓を開けた。



「さあ、急がなくちゃ」

スーツ姿の郁子は窓から勢いよく飛び出すと空へ舞い上がった。いつのまにかスーパーガールに変身をした郁子。

「いけない窓を閉めないと…」

そう言うと、窓に向かいウィンクをすると窓が閉まりロックされた。

そのときだった…

「…助けてくれ!ブレーキが効かない!…」

スーパーガール郁子のスーパーヒヤリングが反応した。声のする方をテレスコープビジョンで観ると、坂道をバスが転げ落ちていく姿が彼女には見えた。

「たいへん!」

スーパーガール郁子は踵を返し、音速を超えるスピードで空を飛びあっという間に坂道を暴走するバスの前に右手を出して立ちはだかる。

ドン!

鈍い音が街をこだますると彼女は片手でバスを捉えていた。

「もう、大丈夫ですよ運転士さん、バスに歯止めをかけて下さい」

そういうとニコリと微笑んで、八重歯がキラリと光った。

「あ、ありがとう。スーパーガール」

「あ、もうこんな時間。あたしはこれで」

彼女はそう言うと、軽く地面を蹴って夜空高く舞い上がり一瞬で姿が見えなくなった。

「えーっと、場所は池袋の本気茶屋だったわね。こっちかしら?」

しかし、スーパーガール郁子は池袋と反対の方向に向かって飛んでいた。

「あれ?海の上を飛んでるわ。しかたないわね、地球一周よ…」

しかし、光速を遥かに超えるスピードで飛ぶ郁子にとっては時間潰しにさえならなかった。




「ここで間違いないみたいね」


スーパーガール郁子は会場がある雑居ビルを見上げると、入り口のガラス扉をくぐる。
すると、一瞬でスーパーガールのコスチュームが鮮やかなスーツ姿に変わった。


「ふぅ、どうやら間に合ったみたいね」


会場をぐるりと見渡す郁子。
会場の隅で一人で座っているハジメを発見した。


(須賀くんも来てたんだ・・・)


郁子は受付を済ますと、早速須賀の元へ向かった。


「久しぶりね、須賀くん」
「え・・・?えっと・・・どちら様でしたっけ?」


突然、見覚えの無い美女に声をかけられ、戸惑うハジメ。


「丸川よ、丸川郁子。覚えてない?」
「あ、丸川さん。覚えてるけど・・・」
「覚えてくれたんだ」


郁子は嬉しそうに微笑むと、ハジメの隣の席に腰掛けた。


「丸川さん、すごく綺麗になってたから全然分からなかった」
「ふふ、ありがと。須賀くんはあんまり変わってないね」
「そうかな?」
「私たち、3年間同じクラスだったのにほとんど話したことなかったよね」
「そういえばそうかな?」


高校時代を振りかえると、郁子と意外と接点が無いことにハジメは小首を傾げた。


「じゃ、再会を祝って乾杯しよっか^^」
「かんぱーい」


乾杯後、他愛も無い昔話に華を咲かせる二人。

「そういえば、須賀クン、今は福岡だっけ?」

「うん」
「福岡なら、1.2分かな?」
「え?なんか言った?」
「あ、いや、なんでもないよ」

そう、スーパーガールの郁子にしてみれば東京から福岡まで、あっという間にひとっ飛びしてしまうのだ。

「そういえば、丸川さん。剣道部の由美ちゃんと仲良かったよね」
「ええ」
「今でも会ったりするの?」
「うーん、あんまり会ってないかな?遠くにいるし」


高校卒業後、郁子と共に銀河平和大学を首席で卒業した由美は、
地球から数万光年離れた銀河系を守るスーパーガールになっていた。


「まあ、連絡は取り合ってるけど」


今でも親友同士の二人は、たまにテレパシーで連絡を取り合っている。


「連絡先教えてくれない?」
「何て言うか・・・由美は遠い外国にいるから電話通じないよ」
「そうなんだ・・・」


ハジメはがっくりと肩を落とした。
郁子はそんなハジメの空いたグラスにビールを注ぎながら問いかけた。


「ねえ、須賀くんは何でそんなに由美の事が気になるの?」
「うーん、それは・・・なんというか・・・」


何となく言葉を濁すハジメ。


「須賀くん、由美の事好きだったでしょ?」
「ま、丸川さん!?何言い出すの!」


ハジメは口にしかけたビールを吹き出した。


「ふふふ、顔が真っ赤よ^^」
「ふぅ、丸川さんには敵わないよ・・・」


郁子は笑いながらカバンからハンカチを取り出すと、ハジメの顔を拭いてあげた。


「それにしても須賀くんが由美を好きだったって意外だなぁ」
「由美ちゃんってさ、眼鏡で大人しそうな外見なのに、スポーツ万能で身体能力もすごくて・・・」

「由美はああ見えて学校一のスポーツ少女だったからね」
「それで由美ちゃんって実はスーパーガールなんじゃないかな?って思ってて・・・」


深いため息をつくと、グラスのビールをぐいと飲み干すハジメ。


「俺、実は小さい頃からスーパーガールに憧れてたんだ・・・」
「それで由美のことが好きだったんだ」


(へぇ、須賀くんって結構鋭かも…?)


「須賀くんってスーパーガールが好きなの?」
「変かな?・・・ッていうか変だよね?」
「須賀くん、ちょっと出よ」


郁子は、強引にハジメの腕を引っ張った。
 
「な、なに?」
「いいから、早く!」


郁子は外に出ると人気の少ない路地裏にハジメを連れ出した。


「ちょ、ちょっと、丸川さん、一体どうしたの?」
「ねぇ、もし私がスーパーガールだって言ったらどうする?」
「へ?それってどういう事?」


素っ頓狂な声を上げるハジメ。
そんなハジメを尻目に、郁子はおもむろに上着を脱ぐと、ブラウスのボタンを外し始めた。


「ま、丸川さん!?な、何を!」


郁子は力強く両手でブラウスの前面をはだけた。
そこには「S」のエンブレムが燦然と輝いている。





「こういう事よ♪」


力強い笑みを浮かべると、ブラウスとスカートを脱ぎ去る郁子。
真紅のマントをばさっと翻し腰に手を当てる。
そう、そこにいたのは正真正銘のスーパーガールの姿だった。


「あ・・・そ、そんな・・・丸川さんが・・・」


ハジメは言葉を失っていた。


「まだ信じられない?」


郁子、いやスーパーガールは道路脇の標識に手をかけた。
ハジメがまさか、と思った瞬間。
鉄製の標識の支柱が、彼女が握った辺りからぐにゃりと折れ曲がった。


「じゃあ、こんな事が普通の女子に出来る?」


悪戯っぽい笑みを浮かべ問いかけるスーパーガール郁子。


「丸川さんがスーパーガールだなんて・・・すごいや」


ハジメは子供みたいに目を輝かせながら、スーパーガール郁子を質問攻めにした。


「もしかして、高いビルを飛び越えたり、空を飛んだりも出来るの?」
「ええ、あそこのサンシャインも余裕で飛び越えられるし、光速の何倍ものスピードで飛ぶことも出来るわ」


池袋にある60階建ての高層ビルを指差すスーパーガール。


「透視したり、目から熱線を出したりも?」
「出来るわ」


パァァン!!


「うわっ!」


郁子は徐に足元に転がる空き缶をヒートビジョンで打ち抜いた。


「鉄棒を曲げる事も出来るの?・・・って、それはさっきやったか^^」
「もちろん♪あ、これは元に戻しとかないと^^」


折れ曲がった標識を元に戻しながら、照れ笑いする郁子。


「本当にスーパーガールがいるなんて、夢みたいだ・・・」
「夢じゃないよ、つねってあげようか?」
「いやいや、スーパーガールにつねられたら大怪我しちゃうよ^^」
「あ~、酷いなぁ^^」


スーパーガール郁子はぷぅと頬を膨らませる。


「そうだ!私が由美の代わりに須賀くんの夢をかなえてあげる♪」
「由美ちゃんの代わりって?・・・うわっぁ!?」


スーパーガールは、ハジメを優しく抱き締めると、真夜中の大空に飛び上がった。


「どう?念願のスーパーガールとのデートは?」


二人は、ゆっくりとしたスピードで、東京の空を飛んでいた。


「う、うん、ちょっとだけ怖いかな、それに思ってたより寒いかも・・・」
「あ、ごめんね」


郁子は空中で静止すると、ハジメの身体に回した腕を抱き寄せる。
スーパーガールの暖かくて柔らかな身体がハジメを優しく包み込んだ。


「これでどう?」


ハジメのすぐ目の前に、郁子の顔がやってきた。


「う、うん・・・すごく暖かいよ」
「よかった♪」


にっこりと微笑む郁子。まだ、あどけなさの残る可愛らしい顔にハジメの心臓がドキリと高鳴った。


「あのね、須賀くん、聞いて欲しいんだけど・・・」
「・・・何かな?」


一転して、真剣な表情のスーパーガールにハジメはゴクリと唾を飲み込んだ。


「わたし、もう一つだけ須賀くん、いや・・・ハジメくんに伝えなきゃいけない事があるの」


郁子は、そう言うと、ゆっくりとまぶたを閉じた。


「郁子さん・・・」


ハジメは、郁子の腰に手を回して軽く抱きしめると、郁子の唇に、自分の唇をそっと重ねた。


「ハジメくん、大好き・・・」
「俺も郁子さんが好きだよ・・・」


・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。


「・・・・・・あれ?」


翌朝、ハジメは自宅のベッドで目を覚ました。
服は昨晩のまま、飲みすぎたのか頭が少し痛む。


「あ~、頭痛い・・・」


上体を起こし、頭をブンブンと振る。
ふと、枕元に電話番号が書かれたメモ紙を発見した。


『いつでも電話して。すぐに飛んでいくから♪ -スーパーガールより-』


「とりあえず電話してみるか・・・」


ハジメは胸ポケットから携帯電話を取り出した。


-おしまい-