スーパーガールいずみ、海辺の戦い編 | 新AK-3のいろいろブログ

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スーパーヒロイン、特にスーパーガール、スーパーウーマンについての妄想や鉄道の話し、たまにプロ野球の話しなんかもしたいと思ってます。

※このブログネタは99%の妄想と思い込みで、出来ています!

この作品はチャット仲間の須賀ハジメさんよりの投稿です

「海なんて久しぶりだなぁ」

ヒロシはさんさんと太陽が照りつけるビーチに遊びに来ていた。
傍らにはビーチパラソルの下でチェアーに寝そべるいずみ。

「一緒に海に来るのなんて子供の時以来かもね」

「あの時は初美おばさんも来てたけどね」

「たしか、帰りに車がエンストして、おかあが車を持ち上げて飛んで帰ったんだっけ?」

「そうそう、懐かしいなぁ」

昔話に花を咲かせる二人。

「ふぅ・・・さすがに暑すぎない?」

滝のように流れる汗を拭いながらヒロシが言った。
行きの車で聞いたラジオによると今日は気温が40℃近くになるらしい。

「全然♪私の身体はそんなにヤワじゃないから^^」

「ははlさすが、スーパーガール^^」

引き締まった身体を白いワンピースの水着でつつんだ幼馴染は、スーパーガールというよりパワーガールのようだった。

「ちょっと飲み物買ってるよ」

ヒロシは財布を持って立ち上がる。

「いってらっしゃ~い」

いずみはかけていたサングラスをずらすと、ヒロシに向かってウインクをした。

「はぁ~、最近忙しかったし、今日はゆっくりしちゃおう・・・」

大きく伸びをするいずみ。
その時、背後から頭の悪そうな声がする。

「お姉さん♪」

声をかけてきたのは、茶髪に黒く焼けた肌。いかにも軽薄そうな二人組みの男。

「お姉さんキレイだね。俺たちと遊ぼうよ」

「ごめんなさい、遠慮しとくわ」

いずみはサングラスをずらすと、スーパーガールのオーラで男たちを威圧した。
のだが・・・。

「ひゅー、お高くとまってるねぇ」

「ますます気に入ったぜ」

男たちはよほど鈍感なのか、全く効果を見せない。

「これだからバカは嫌いなのよねぇ・・・」

いずみは呆れたように呟いた。
その時、飲み物を両手に持ったヒロシが戻ってきた。

「どうかしたの?」

「あ、おにぃ、こいつらしつこくて」

いずみは立ち上がるとヒロシの元へ駆け寄った。

「お兄さんたち、彼女僕の連れなんだけど・・・」

「うるせーよ!」

「いいからさぁ~、こんな奴ほっといて俺たちと遊ぼうぜ~」

ヒロシを無視して、いずみにしつこく絡んでくる二人組み。

「鬱陶しいわねぇ、私はアンタたちみたいなダサい男に興味ないの」

「ち、ちょっと、いずみ!」

明らかに不機嫌そうないずみを慌ててヒロシがなだめた。

「何だとコラ!生意気言ってるとぶっ飛ばすぞ!」

ナンパ男たちの態度もうって変わって乱暴になる。
しかし、いずみは臆することなく腕組みをして男たちを睨んだ。

「へぇ、私に勝てるかしら?」

「コ、コイツ!やっちまえ!」

勝気な表情で言い放ついずみに、顔を真っ赤にした男たちが掴みかかろうとした。
まさにその時!

大地が大きく揺れた。

「うわっ!?」

「おにぃ!大丈夫?」

バランスを崩したヒロシをいずみが抱きとめる。

「じ、地震!?」

「違うわ、何か・・・・・・来る!」

いずみは水平線の彼方を指差した。ヒロシもそちらに視線を向ける。

「な、な、何かって!?」

突如、いずみが指差した先の海面が爆発し巨大な水飛沫を上げた。
そして、その飛沫を突き破り、肉食恐竜を思わせる巨大な頭が姿を現す。

「か、か、か、怪獣!?」

「ひぃぃぃ!?」

衝撃的な非現実的光景にナンパ男たちが裏返った声で悲鳴を上げる。
まるで特撮映画に出てくるような巨大な怪獣は全長300mを超える巨体で吼えた。

“ゴオオオオォッ!”

「うわあ!」

まるで雷鳴のように大気をゴロゴロと震わせる咆哮にヒロシは思わず耳を塞いだ。

「おにぃ、私行くわ!」

「い、いずみ!気をつけろ!」

ヒロシが叫ぶよりひと足先に、いずみの両足が強烈に砂浜を蹴っていた。
一帯にボン!と砂煙が舞い上がり、いずみの身体が空中に躍り出る。

「アイツが街に出たら大変だわ・・・」

いずみはさらに速度を上げ、まっすぐに巨大怪獣へと突進していく。
その身体が光に包まれ、水着姿からお馴染みのブルーのボディスーツに変化した。

「どこから来たかしらないけど、とっとと巣に帰りなさい!さもないと痛い目にあうわよ!」

いずみ、いやスーパーガールは巨大怪獣の目の前に静止すると、凛とした声で言い放つ。

“ガオオオオォッ!”

「きゃっ!」

しかし、咆哮とともに振るわれた怪獣の巨大な前足が、問答無用でスーパーガールいずみを叩き落とした。
勢いよく海面に叩きつけらるいずみ。

「・・・・・・もうっ切れた!!」

スーパーガールいずみが海面から勢いよく飛び上がる。

「このぉ!!」

弾丸と化したスーパーガールいずみが巨大怪獣の下顎にぶち当たる。
うめき声を上げ怪獣の上体が大きくのけぞった。

「このトカゲ、宇宙の果てまでぶっとばしてやる」

スーパーガールいずみが巨大怪獣の鼻先めがけ飛びかかろうとした時、怪獣の巨大な口が大きく開いた。

“ゴオオオオォッ!”

咆哮と共にスーパーガールいずみに激しい炎がぶつけられた。
しかし、スーパーガールにとっては、この程度の炎など暖かいそよ風が当たっているのと変わらない。

「お返しよ」

いずみは大きく息を吸い込んで、ふぅーっと息を吹き付ける。
怪獣の炎は一瞬でかき消された。

「ふぅー!!」

さらに息を吹き続けるいずみ。その吐息は怪獣にとっては凄まじい突風となって襲い掛かる。
体重数十万トンの巨大怪獣は、スーパーガールいずみの吐息によって吹っ飛ばされてしまった。
巨大な水飛沫が上がり辺り一面に降り注いだ。

「まだまだ、こんなもんじゃすまないわ」

スーパーガールいずみは急降下すると倒れた怪獣のしっぽを掴む。

「お姉さんと『デート』するわよ♪」

そう言うと、空に向かって勢いよく飛び上がるいずみ。
あっという間に雲を突き破り、ヒロシを含む沿岸の人々の視界から姿を消した。

“ギャオオオオォッ!”

全長300mはあるであろう巨大怪獣は宙釣りにされて、1万mもの上空に攫われてしまった。

「あら、怖いの?デカイ割には大した事無いわねぇ」

掴んだ怪獣をぶらぶらと揺らすいずみ。

「ふふ、悔しかったらなんとかしてみなさいよ、ほら^^」

くすくすと笑うスーパーガールいずみの下で怪獣が悲鳴を上げて揺さぶられている。
その時だった。

「こら、いずみ!」

地上から1万mの上空に聞き慣れた声が響き渡る。

「おかあ!?」

いずみが振り返ると、そこにいたのはいずみの母親。
初美おばさんことスーパーウーマンが腕組みして宙に浮かんでいた。

「いつも言ってるでしょ、弱いものイジメしちゃ駄目じゃない」

「だって~」

いずみはぷいっと横を向いた。

「だってじゃないでしょ、早くその子を降ろしなさい」

「は~い・・・」

いずみはゆっくりと降下すると、先ほどの海より少し離れた無人島に怪獣の巨体を地面に降ろした。

“ガオオオオォッ!”

「コイツ!」

地上に降り勢いを取り戻した巨大怪獣は再びいずみに襲い掛かろうと臨戦態勢をとる。
スーパーガールいずみもそれに応える。
その時だった。

「待ちなさい」

二人(?)の間にスーパーウーマンが割って入った。

「いずみ、ここは私に任せて」

スーパーウーマンはふわりと舞い怪獣の目前に静止した。

「大丈夫、何も怖くないわ・・・」

スーパーウーマンは怪獣を優しく見据えた。
じりじりと後ろに下がる巨大怪獣。
野生の勘とでもいうのだろうか、スーパーウーマンの圧倒的な力を感じとり、闘争心が萎えているのだ。
スーパーウーマンは手を巨大怪獣の頭の上にそっと乗せた。

「よし、よし♪」

スーパーウーマンが頭を撫でると、怪獣が頭を低く下げてゆく。
スーパーウーマンの前では巨大怪獣も、子犬とさほど変わらない。
怪獣にとっては相当な重圧がかかっているのか、手足をばたばたさせていた怪獣の動きが目に見えて鈍ってくる。

「ふふふ、いい子、いい子♪」

スーパーウーマンの手によって為す術も無く地面に突っ伏した巨大怪獣。
大きな眼球からは先ほどのような闘争心は失われていた。

「おかあ、すごい・・・」

さすがのスーパーガールいずみも信じられないと言った表情で呟いた。

「あら、これくらい朝飯前よ^^」

優しく微笑むスーパーウーマン。その姿は圧倒的な母性と力強さを兼ね備えている。

「で、おかあ。これどうするの?」

力なくうなだれる巨大怪獣を指差すスーパーガールいずみ。

「そうねぇ、ちょっと待って」

スーパーウーマンは怪獣の目を見据えた。
巨大怪獣は借りてきた猫のようにすっかり大人しくなってしまっている。

「この子、もう海底の巣に帰るんだって」

「おかあ、こいつが何考えてるか分かるの?」

「ふふ、伊達に『そういう仕事』をやってないから^^」

「さすが、おかあね」

いずみは苦笑を浮かべた。

「じゃあ私は帰るわね」

スーパーウーマンの身体がふわりと浮かび上がる。

「それじゃ、ヒロシ君にヨロシク♪」

そう言うとスーパーウーマンは娘の前からあっという間に姿を消した。

「ふぅ、やっぱりおかあには勝てないわ・・・」

スーパーウーマンの言った通り、海底に帰っていく怪獣を見送りながら、スーパーガールいずみは溜息混じりに呟いた。


※おまけ

「おにぃ、ただいま~」

怪獣が去って数分後、ヒロシの待つビーチへ、スーパーガールいずみが舞い降りた。

「いずみ!」

華麗に着地を決めた幼馴染の元に駆け寄るヒロシ。

「いずみ、怪我はないか?」

「ふふふ、大丈夫よ♪」

いずみは腰に手を当て胸をはって答えた。
胸の「S」のエンブレムが誇らしく輝く。

「さすがスーパーガール^^」

「あ、おにぃ、ちょっと待ってて、こいつらに話があるから」

そう言っていずみが指差したのは先ほどナンパしてきた男たち。
彼らはヒロシの隣で口をあんぐりと開け、事の成り行きを見ていた。

「えっと・・・、さっきの続きだけど、生意気な事言うと、どうするんだっけ?」

いずみはナンパ男たちの前に立つと腕組みしながら問いかけた。
引きつった顔で「すいません、すいません、すいません」と謝り倒す二人の男。
いずみはフンと鼻で笑うとナンパ男たちの頭上に手を置いた。

「ここで反省してな」

スーパーガールいずみが少し力を加えると、ナンパ男たちは首まで砂浜に埋まってしまった。

「おにぃ、行こ♪」

マントを翻し、ヒロシの方へ振り返るいずみ。その姿はいつの間にか先ほどの白い水着に戻っていた。

「お腹減ったね、何か食べようよ、おにぃの奢りで^^」

「高いのは勘弁してくれよ。スーパーガールさん^^」

そして、二人は手を繋ぐと海の家に向かったのだった。



-おわり-