となりのお姉ちゃん。
僕は小さい頃、下町のアパートに住んでいた。隣には結婚したての若夫婦が住んでいて、そこの奥さんは僕をかわいがってくれた。
彼女はまだ若いので必然と僕はおねえちゃんと呼んでいた。
お姉ちゃんは学生時代スポーツをやっていたので、身体が大きくてたくましかった。(ように見えた)
数年後、ちょうど僕が小学校に入った頃、テレビでスーパーマンが始まった。彼の銃弾を弾きく大きくたくましい身体はまるでおねえちゃんが変身をしたように思えた。
「おねえちゃんにあいたいなぁ…」
ある日、何年ぶりにおねえちゃんと会う機会があった。おねえちゃんは僕の入学祝いに来てくれたのだった。
その日は春先の暖かい日で、おねえちゃんは僕の家に着くと着ていたジャケットを脱いだ。ジャケットの下には鮮やかなブルーのニットで、身体のラインがはっきりと浮かんでいた。
「あ、やっぱりおねえちゃんは、スーパーウーマンだ」
夕方になっておねえちゃんと2人で食事に行くことになった。
おねえちゃんと何年かぶりに手をつないだ。
「おねえちゃん、スーパーマンって知ってる?いまテレビでやってるの」
「ええ、知ってるわ。ねぇ、ひろしくん。久しぶりにダッコしてあげる」
おねえちゃんは、そういうと小学生になった僕を小さい頃と変わりなく軽々と抱き上げた。
「ひろしくん、おおきくなったわねぇ。どうしたの?ビックリした顔をして」
僕はおねえちゃんの力の強さに目をシロクロさせた。
「お、おねえちゃんって、まるでスーパーマンみたいだね」
「え?ばれちゃった?じゃぁあとで変身してあげるね」
駅前の喫茶店に入ろうとすると、何やら雰囲気がおかしい。
「あ、なにかあったみたいね。ここじゃ危ないわ」
“ビュン”
僕は一瞬、何が起きたのかわからなかった。
次の瞬間、おねえちゃんは僕を抱え、駅前ロータリーの反対側へ飛んだであった。
「ひろしくん、ここで待っていて。すぐに戻るわ」
おねえちゃんは抱いていた僕を下ろすとすぐに喫茶店の中へ駆け出していった。すると彼女の身体が一瞬、光った。
「あ、おねえちゃんが変身した!」
彼女が店の中に入ると罵声と大きな音が聞こえてきた。男の罵声はすぐに悲鳴に変わった。
やがて店の中が静かになるとスーパーウーマンに変身をしたお姉ちゃんが姿を現した。
「ひろしくん。大丈夫だった?おねえちゃん、スーパーウーマンになるとスーパーマンよりも強くなるから、あっという間に悪いおじさんたちをやっつけたんだよ。さあ、どこか行こうか?」
-おしまい-
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