背中をさすりながら

『まだ気持ち悪い?』

『頑張ったね』


『最後〇〇だけどどうしようか』

熱はなかった。


『できる?できない?』


次女は声を振り絞って

『…できない』

と言った。


保健室に移動する間

手を引いて腰を支えて付き添ったが

急に途中で止まり

『…歩けない』

とその場で力が抜けた。


足から崩れると同時に

上半身は後方に反るような体勢だったので

必死で支えた。


焦点が合ってない次女に

何度も声をかけた。


何度か声をかけた時

『〇〇ちゃん!わかる?見える?』


『あ…今はわかるよ、見える』

『けど、歩けない』

と。


すぐに車椅子を持ってきてくださり

私は上半身を抱え

足元を抱えてもらった。


顔面蒼白で唇が真っ白だった。


保健室に入り

横にならせてもらい

血圧も下がってるだろうから

足元を上げた。


脈は弱いけど早い。


吐き気は落ち着いたようだ。


『ベッドにうつりますか?』

と声をかけてくださったので

お礼を言い

お姫様だっこでベッドへ。


介護の仕事をしていて良かったと

つくづく思った。


綱引きで首をひねったのか

右や下に向けないほど痛がった。


頭をなでて

ただただそばにいた。