■早稲田大学・早稲田キャンパス後編(私立・東京都新宿区西早稲田)
前編からの続きです。
早稲田の前身である東京専門学校は明治にスタートしていたけど、本格的にキャンパスの整備拡張が進んだのは、大正に入ってから。
私学の雄、という学風もあってか、文明開化の欧州風味をベースとしつつも、自由でモダンな空気の晩期洋式建築とでもいうべき感じの建物が並ぶ。
3連アーチだが、すっきりシンプル、幾何学的に。ごてごてした飾りはなし。
この手の建物にありがちな彫刻やタイル張りとか一切なし。シンプルモダンの芽生え?
でも床に、気の利いた彩りが。
こちらは、ややゴチック風味。
でかいオーダー。ルネッサーンスな、でもすっきりモダンな感覚。
ちょっとしたミニ広場も点在している。
昭和・大正っぽい曲線や浮彫、いかにもな四角い窓も加わっている。
9,10号館あたりは、古き良き戦後昭和モダン。
ちょっと、村野藤吾っぽい。本人なのだろうか?
ところで、この昭和モダン、という言葉、そこから何をイメージするかで年代が分かれる。
戦前昭和と戦後昭和、かなり違う時代なのだから。
まあそんで、現代建築も山ほど展開されている。
そんなキャンパス内のもう一つの見どころが、坪内博物館。
こちらも今井兼次。白壁にハーフチンバーの木材が神々しい。
実在のイギリスの劇場を模した設計だそうで、なるほど、結構インパクト(えぐい?)のある、押出しの強い建物だ。
隣には隈研吾リノベーションの国際文学館。村上春樹記念館ともいうらしい。
締めは大隈庭園。学生たちの憩いの場。
カフェテリアもあるし、極彩色のあずまやもある。
面積は12万5000平米。結構な広さだ。とはいえ、学生数は3万人ぐらい通っているはず。相当に人口密度は高い。