劇団スタージャンというキャストスタッフの座組とお客様とで、学芸大学で起こした「龍神伝説~Another Zero~」という化学反応でした。
どのピースが欠けても、終演を迎えることはできない総合芸術。
舞台「龍神伝説~Another Zero~」
千秋楽を終え、全16ステージを終了いたしました。
このような状況下で、まずはご来場いただいた皆様におかれましては、この場をお借りしてこころより厚く御礼申し上げます。
演劇人である僕が舞台を続けていていつも思うのは、演劇は潔いメディアだなあということです。
千秋楽が終わった1時間後には、作品世界を作っていたすべては撤収され、素の舞台に戻り、世界を共有したすべての人々は、それぞれの日常に戻っていきます。
劇場入りしてから一気に走りぬけ一気に撤収。桜のようで潔い気がするのです。
そして作品が残るのはお客様と関係者の記憶にだけ。
わざわざ足を運んで来てくださったお客さまのために劇場空間で全力を尽くして一発勝負。
僕はこの潔い感じが好きで舞台を続けていたのかもしれません。
コロナ禍で身動きのとり方も暗中模索の中、舞台製作に携わることも、そして舞台に立つことも、どちらもしばらくお休みしようと思っていた中、お話を頂き、そのタイミングにふさわしい作品を府劇団スタージャンと共にお客様にお届け出来たこと、とてもうれしく思っております。
何はともあれ「龍神伝説」の世界が、そこにあった全てが、そして椙本滋という、いち俳優がご来場いただいたお客さんの記憶の片隅に残ってくれたら、とてもうれしいです。
ご来場ありがとうございました!
今はただただ感謝。感謝です。