馬とシカを飼いならした浮気女の懺悔日記

馬とシカを飼いならした浮気女の懺悔日記

浮気は死ぬまでなおらない!!

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セルフサービスのお茶を汲んで席に戻ろうとする



井上を3秒ほど我が眼がとらえる



幸い井上と 眼が合うことはなかったが…



向こうがこちらに気づいていないとも限らない



わざと目線を外していたのかもしれない…




よりよって 浮気相手といるこんなときに



最悪のおしゃべり男と ブッキングしなくてはならないのか!!



それに井上は誰とここに来てるのか…



彼氏も来ているのでは・・・



そう思いついた瞬間 手に汗が滲んだ



コップを持つ手が震え 汗で滑り落ちそうになる



隣で浮気相手の貴志が何か言っているが 全然聞き取れない



身動きもとれず 息もできない状況で



パニックに陥っていた



わたしは井上の声がどこから聞こえるのか



必死に聞き取ろうとした



客の声や周囲の雑音が邪魔をしたが



「すんませーん ビール2つ」



と店員に声をかける井上の声が聞こえてきた



わたしの前に立っている店員が 



井上のオーダーを受けている



店員が向ける視線の先 井上の声から 



わたしたちの背後に座っていることはわかった



しかし真後ろではない



少し離れた位置にいる



店員にオーダする井上の視界に



わたしが入っているのでは?!!



そんな不安にも駆られた



他には誰がきているのか 必死に聴覚を研ぎ澄ませて



背部から聞こえてくる男性の声をうかがう



井上ともう一人の男性が何やら話している声が



途切れ途切れ聞こえてきた



しかし彼氏の声ではなかった



絶対に後ろを振り返ることはできない…





そういえばっ!!!



わたしは一昨日彼氏から送られてきた メールの内容を思い出した



『明日○○の研究発表があるからな』




この一文が頭に浮かんだ




○○の研究発表は 彼氏が2年温めてきたものだ




その発表が今日あったのだ




そしてその研究メンバーに井上は入っていた




ようするに今 この焼肉屋に井上がいるのは




研究発表の打ち上げなのだ




だとすると…



研究のメインだった彼氏は




絶対に来ているはずだが…





「ラン!!どないしてん!!おい!!」




その声でわたしは 現実に引き戻される




「おまえなんて顔してんねん どないしたんや」




心配そうにわたしの顔を覗き込む貴志




「え…う うん 知っている人見かけて…」




何から言えばいいんか分からず




やっとの思いで 振り絞って返答しようとする




『(本命)彼氏がいる!!』とは言えなかった




貴志はわたしが彼氏がいることを知らない…




バレると余計に大変なことになる




しかしこの動揺を誤魔化すことは不可能だ




「前の職場の人がおるねん」




そう伝えるのが わたしのギリギリで出した答えだった





そんなとき…



「そらちゃいまっせ!!けんいちさん!!」




聞き覚えのある コテコテの関西弁が背後から鳴り響いた





彼氏 勝也の声だった…



 



つづく!!