・あなたに備わった創造的な誘導メカニズムは、負のフィードバック・データをもとに軌道修正をする。間違いを認識してこそ、それを直して正しいコースをとりつづけることができるのだ。

 

⇒最大の危機もそれを教訓にして軌道修正をした。現状に甘んじていて、あの失敗がなければ、虚業は早期に頓挫していたことだろう。あれは店長からの愛のダメ出しだと思っている。もちろん店長にはそんな親切心は微塵もないと思うが、あの一連の暴露がなければ、危うい立場に立たされていたのは確かなことだ。誰かが言っていた。「成功よりも失敗の方が学びは多い」と。全くその通りだと思う。

 

”力”には危険が付きものである。サーヴォ機構の力も、あなたが考えるよりもはるかに強力なものだ。知れば知るほど、試せば試すほど、その力に驚愕することだろう。「自動成功メカニズム」として建設的かつ生産的に稼働するこの力は、破壊的な可能性も秘めていて、その破壊力は「自動失敗メカニズム」となって現れる。この自分のなかの力を制御して、いつでも警戒の目を光らせていないと、いつのまにか自動失敗メカニズムとして機能してしまう。

 

⇒自惚れるつもりはないが、まさかあそこまで虚業がうまく遂行できるとは思っていなかった。本や映画のなかの出来事を実際に自分の手で遂行し、完結できるなんて本当に「現実は小説より奇なり」だ。むろん、自分が夢想した物語が現実世界に影響を及ぼすとは思ってもみなかった。サーヴォ機構と自動失敗メカニズムの境界がどこに存在するのかわからないが、ただその精度を保つためにその都度、メンテナンスという軌道修正をすることが大事なのだろう。そして失敗を素直に認めて、今の状態を保ちながらも、更なる情報収集をしてアップデートをすることが大事なのだろ。

 

・日常のありふれた経験は、私たちが他人の言動よりもむしろ自分の態度や対応によって心に傷を負うということをよく示している。気にするべきものは、他人ではなく自分の反応なのだ。

 

⇒一体だれがハンムラビ法典を逆手にとって、日常の些細な苛立ちに対して復讐心をたぎらすのだろうか。一事が万事というが、もしあの場面で店長が僕に対して温情を少しでも垣間見せていたら、虚業は行われなかったし、僕が長らく店に留まることもなかった。だが、虚業に対しては何の悔いも後悔もない。むしろ自分の意外な内面を知ることができて良かったとさえ思っている。他人への妬み嫉みとも一種相違した感情を持ち合わせていたんだなと痛感することができた。そしてこの経験はその後の人生の指針となる出来事でもあった。この一件が存在しなければ全く異なる空虚な人生を歩んでいただろうし、現状の僕をカタチ作ることもなかった。

 

・目標は、自己実現のできる適切で創造的な人格である。その目標に到達するルートは、抑圧の「しすぎ」と「しなさすぎ」の間の道となる。抑圧がひどければ、抑圧を無視してなくしてしまうようにして、軌道修正をするのだ。

 

⇒確かに虚業の「しすぎ」と「しなさすぎ」の見極めは大切なことだ。それも自己判断で行わなければならない。やり過ぎても店の経営を圧迫してしまうし、やらなすぎても自分の中に未消化な部分が残ってしまう。要は虚業をし続けられる環境を整備することが大事なのだろう。不審を抱かれてもいくつか逃げ道を用意しておく、それ以前に不審を抱かれないような土壌を予め構築しておくことを忘れてはいけない。それも急にではなく、ゆっくりと段々に日常の景色の中に浸透させていく。はたからみたらおかしなことでも、その店では正常なことだと思わせなければならない。その下地も併せて準備しておく。

 

・ポジティヴな目標を心に抱き、それを現実と思うほどありありとイメージし、成し遂げられたものとして考えてしまえば、私たちは「勝利感」(勝利の感覚)。望ましい結果が得られるという自信や勇気や確信、も抱けるようになるのだ。

 

⇒常に最終到達地はイメージしていた。すべての虚業はその頂に立つための道程、布石であるべきだと心に留めていた。だから真の意味での虚業の必要性も理解していた。その思いがツールの魅力に負けていたら結果は分からなかった。最終目標を見失わずに虚業に邁進していたからこそ、「勝利感」を味わうことができたし、その後の勇気や確信、そして何の罪悪感も感じずにいられたのだ。

 

・目標を鮮明にイメージしよう。それから、望んでいる目標が成し遂げられたときに味わうはずの感覚を呼び起こしてみよう。すると、自然に創造的な行動ができるようになり、潜在意識のパワーを使えるようになる。

 

⇒まさにその通りだと思う。どれだけ鮮明にイメージできるのか、その目標に達するためのあれやこれやは一旦考えるのを止めて、まずは宿願成就した自分を思い描いて、その気分を先に味わう。その感覚を忘れなければ、自動制御メカニズムなりサーヴォ機構などが稼働しだし、目的の場所へと誘ってくれる。物事を積み上げる作業をするのではなく、目標から逆算していく作業のほうが効率がいい。その間には面倒くさいことや大きい壁や、難所や思いもしないアクシデントもあると思う。だが、ルートはそれだけではない視野搾取に陥ってはいけない。必ず迂回ルートが存在するはずだ。今は雲や霧に隠されて見えていないだけで、時間が経過すれば視界が晴れて、道を見つけることができるはずだ。