ファーはドーマ軍の総司令官で元々はレダやザバと共に反乱に加わった同士だった。
しかし彼等を裏切り、ドーマ王に取り入ってまんまとドーマ軍の総司令官の座を手に入れた。
この手の人間によくある事だが、必要以上に忠誠心を見せようとして、色々と要らん事をして帰って事態を悪化させる物で、ファーもこのタイプである。
当然、王があえて見逃したリュウを独断で始末しようとして、一人の兵士を失った上に自分も負傷した。その上それを咎められて鞭打ち二百回の刑を受ける。更にそれを根に持ったのか王の暗殺まで企てている。
しかし剣技と指揮能力はそれなりにあり、セパ市のケッペルがドーマに謀反を起こした時には五千の兵で二万の兵が立て籠もる城塞都市を陥落寸前に追い込み、ケッペルを一騎打ちで負傷させている。
しかしリュウの奇跡に敗れて敗走中に王の暗殺を企てた罪で王自らに粛正される。
ドーマの最高執政官は全部で十二人おり、王を補佐するのが務めだが、現在の王、ナジャ14世の頃には形骸化が進行している様で、王がセパ市を攻めると決めた時も慎重論一つ唱えなかった。
ここからは僕の推測だがこの中の何人かがファーと結託してナジャ14世を暗殺し、本編には出てこなかったが、王の血族で自分の思い通りになる人物を王位に就けようと企んでいたのかもしれない。でなければファーだけで王の暗殺なんて大それたことを企んだりしないだろう。
もっともファーが後先考えない短絡的な性格だという可能性も捨てきれないが・・・