前のブログで梓の家は田舎の旧家(きゅうか)で恐らくは地元の豪農の末裔と思われると書いた。

しかし梓が餓鬼に憑りつかれる前から、広壮な屋敷で母一人子一人の暮らしをしていたようだ。

このことから地元の過疎化が進んで下働きの人手が集まらなかったか、何でも一人でやってしまう性分なのか、地元の人を心の中では信用してなかったのかのどれかだろう。

母親は他所から嫁いで来たが、たたずまいから同じ様な豪農の末裔か、没落貴族か没落武家の家柄なのだろう。

父親が早くに亡くなった理由は不明だが、夫婦仲は良かったとみていいだろう。

本来の当主が早死にしたため、心の隙間を埋めるための作業が梓と譲の早々の婚約だったのだろう(譲の父親は本来の当主の弟)。

彼女自身の経済感覚は不明だが、親戚一同の経済援助か彼女自身が相当のヤリ手だったのだろう。

しかし・・・

 

 

餓鬼は最後まで正体が解らなかったが、梓とは相互援助の関係だった。

梓が憑代として自らの肉体を提供し、梓を襲った犬や不良を餌とし餓鬼に与える。餓鬼の方は梓に身を守るための超常の力の提供と死体処理(骨も残さず食らいつくす)を引き受ける。

恐らくはるーみっくわーるどでも1、2を争う美女であり、襲われた経験もある梓には気持ち悪さよりも、自分を守ってくれるナイトに等しい存在だっただろう。

しかし梓が餓鬼の力をもってしても修復不可能な致命傷を負った時点で契約(?)は自動解除となり、餓鬼の本体(?)は梓から出ていった。