二度にわたって自分が悪いわけでは無いのに生贄投票に関わってしまった災難な人。

彼女自身はともかく、父親が「兵庫連続通り魔事件」の犯人で母方の姓を名乗って越してきたという過去がある。

それゆえか、最初は入山環奈のグループで従者的な地位に甘んじていたが、入山環奈の死と犠牲者が増えたことを切っ掛けに持ち前の気の強さと揺るぎない正義感をもって生贄投票に立ち向かうことになる。

二階堂ありさの自宅に行ったり、毛利裕美に脅されたり玉森修太が殺されて心神喪失状態になったり、残ったクラスメイトに生贄にされかけられたりしたが、最終的に犯人にたどり着く。

それから7年後・・・

教師となった彼女は再び生贄投票に関わることになる。

奇しくも7年前と同じく自分自身とは直接関係無い事で巻き込まれる形になってしまい、それでも7年前の繰り返しを避けるべく生贄投票に立ち向かう。

そして・・・

今治美奈都は父親の起こした事件が何処に行ってもついて回った。それでも愚れなかったのは、元々の性格に加えて仕事を無くしておかしくなる前の父親の教育が良かったか、周りの人々がそれなりに励ましてくれたのかも知れない。

だから全てを抱えて生きていくと、全身全霊でぶつかってバラバラに砕け散るまで無様に生きるしかないと心に決めた。

だから最初から最後まで生き方がぶれなかった。

だから毛利裕美を恨む事無く彼女を励ました。そして彼女に間接的にしろ助けられ、犯人にたどり着いた。

 

 

*実際に兵庫県で起こった事件は神戸連続児童殺傷事件。死者だけなら秋葉原通り魔事件が近い。