出演

月組 樹璃

星組 乃緑(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)

 

月が昇れば可愛い子ぶりっ子、星が光れば剛腕の女傑。それが黄蘭先生である。

スポーツ特待生の集団、呉組を束ねる専任教師なのだが、実は己の欲望を満たすために呉組を設立したという大変な変態である。

のみならず、常にカメラを携帯し、練習シーンやインスタ映えする集合写真、果ては目を付けた生徒のパンチラをローアングルから狙うという誠に羨ましいケシカラン女性である。

ちなみに標的は夏侯冬華。

 

その一方でスポーツにかける情熱と指導力と統率力、そして生徒への愛情は本物で、生徒達は彼女の趣味嗜好にドン引きしながらも慕ってついて来ている。

ちなみに生徒達は月が昇れば普通にお辞儀し、星が光ればのけぞって返事する。

 

そんな呉組だったが司馬イザベラの台頭で暗雲が立ち込める。

理事長に就任したイザベラの私怨を晴らすためだけに黄蘭先生は最も目をかけていたであろう孫咲夜の指をへし折らざるを得なくなってしまう。

一度は権力に屈し、生活のためとはいえ生徒達との信頼関係を壊してまでバトミントン部を守らざるを得なかった黄蘭先生だが、生徒達への愛情は揺らいでいなかった。

掃除部の新顧問となった黄蘭先生は和解なった呉組の面々と共に学園の巨悪に立ち向かったのだった。

 

敢えて嫌われ役を引き受けてでも愛する生徒達を守ろうとした正に教師の鑑だった。

 

次回はダークサイドの申し子、趙雲雫です。

 

 

*黄蓋(?~215)

字は公覆。苦肉の策の語源となった人であり、鉄鞭の使い手。赤壁の戦いの勝利の立役者だが負傷してトイレに放置されて本当に死にかけたという命がけの放置プレイをやってのけた。ちなみに元ネタの演技の苦肉の策は黄蓋本人がわざと周瑜と口論して鞭で打たれて曹操に偽りの投降をすると持ち掛けるというもの。

 

*ある意味裏感想

一学期と二学期の黄蓋先生もある意味独特の変態性を持っていたが、彼らの場合は奇面組タイプの「人知を超越した奇人変人」タイプの変態である。

本作の黄蘭先生はフェティシズムタイプの変態であけすけに言えば世間一般でいう変質者そのものである。

しかしそれを女性が演じているおかげで、おぞましさよりも別種の色気さえ感じさせる特異なキャラクターとなっている。

三國学園は特に教師のキャラクターの変化が激しい作品で、極端な変更が難しそうな生徒と比べると色々と魔改造しがいのある役どころなのかもしれない。

 
*カメラ
どうでもいい事だが一学期で一眼レフ、二学期でコンデジ、そして本作は未開封の写ルンですと何故か機材が退化している。もしかしたら今まで役者なりスタッフなりの私物を使用していたのかもしれないが単純に機材調達にかけるカネが勿体無かったのかもしれない。
まあアリスインだから仕方ない