森に囲まれた町、スターシアの外延部で日々森を監視する任務に励む若者達の偉丈夫なリーダー格、それがドンである。

・・・のだが勤務態度が真面目な割にはどの口がそれを言う的な相手からチビ呼ばわりされたり自らのアゴネタをやむなく自己完結したりと微妙に不遇な立場にある。

 

仲間と共に「異常なし!」で退屈な毎日を送っていた彼だったが、ある日森の中から謎の若者が現れた事から、彼等の生活は一変する。

 

謎の若者=ロンドを塔の中で面倒を見ることになったドン達は何かと彼の世話を焼き、時にはちょっと悪い事を吹き込んで女性陣に怒られたりして彼との友情を深めていく。

 

そんなドンにはある悲しい過去があった。

 

彼が幼い時に彼の父親達の間にスターシアの町の中で引きこもりの様な生活を続けることを疑問視する声が上がり始め、その結果、ドンの父親を含む調査団が町を出発して森の中に乗り込んでいった。そして誰も帰ってこなかった・・・

 

だからドンは外の世界を見てみたいというロンドの気持ちが痛いほどわかった。

だから脱走に手を貸した。そしてそれは大変な事態を招く引き金となった。

 

ドンは威圧的で強面の外見に似合わず、気のいい若者である。

だからロンドの拘束が解かれた暁には共に街を歩き、飯屋の山菜汁を一緒に食おうと約束した。そしてそれは全てが明るみになった時も変わらなかった。

 

ドンはあくまでも友達としてロンドを庇い、戦った。

一度決めた己の節を決して曲げない義理人情に厚い好漢だった。

 

次回はそんなドンに気があるっぽいミモザです。