陸遜、字は伯言。
名門で金持ちで上品で強くて賢くて二枚目で女にモテすぎなリア充(蒼天航路での呂蒙評)。
「覇道」世界では昇竜の如き高い志と恐竜の如き鈍い痛覚の持主。
こう見えてもれっきとした呉郡の四姓と呼ばれた名門、陸家の男である。
ちなみに四姓とは陸家、張家、朱家、顧家の四家のこと。
余談だが孫呉のご意見番・張昭と張紘は四姓とは別の家系の人である。
 
「覇道」世界の陸遜は名も無き一兵卒。何らかの理由で没落したらしく、赤壁の戦いの時は徐庶とケンカ騒ぎを起こして司馬懿にド突き倒されているホントにただの一兵卒。
また、四姓は風龍の血を色濃く受け継ぐ家計だったが、周瑜が属する周一族が裏でせっせと血脈を薄めるためにあれやこれやと暗躍した甲斐あって誰も風龍を見ることができない。
 
しかし、没落陸家の陸遜は周家のチェックから漏れたらしく、陸遜は風龍をナンパできるくらいしっかりと見えている。それが風龍のリベンジと陸遜の立志伝の始まりだった。
 
陸遜自身は劉備と互角に渡り合える程の優れた槍の使い手である事から中の人同様の努力家であることが伺える。
しかし自力で辻長(小隊長くらいか?)に昇進し、風龍とタッグを組んだあたりから何かが狂い始める。
 
風龍が授ける策は無謀且つ彼の良識に背くようなものばかり。何せ上官たる周瑜を隙を見て謀殺しろという策に至っては殆ど風龍の仕返しと邪魔者の排除を目的としたものである。
 
それでもすったもんだで成功して大都督に抜擢された辺りから彼の性格にも変化が現れる。すっかり傲慢になり、かつての同僚、徐庶からも「イやな奴」と言われる始末。
挙句に黄蓋に「俺は天下を取る!俺には龍が見える!」と口走った事が命取りになった。
 
因果は巡る糸車、明日はわからぬ風車、臼で粉引く水車、我が家の家計は火の車、車は急には止まれない、全て世の中堂々巡り・・・
舞台の中心の円は五行を表す円であろうが、陸遜、そして周瑜にとっては巡る因果の糸車。円にまとわりつく雷は因果を回す為の糸なのか?
周瑜は陰謀によって孫策を陥れ、陸遜は風龍に唆されて周瑜を殺し、そして陸遜の昇竜の志は孫権自らの手によって強制終了させられたのだった。
 
やる気と才能があっただけに、見識を育てるだけの時間があって龍が見えなければ十分一廉の人物になれるだけの若者だった。生き急ぐのは若者の特権か、それとも欠点なのか・・・
 
次回はもっさりしたいぶし銀、黄蓋です。
 
*陸遜
183~245
実は本名は陸議。陸遜に改名したのは実はかなり後。
荊州攻略以前にも地道に実績を重ねて呂蒙の目に留まり、荊州攻略に手腕を発揮した。
劉備の荊州侵攻時に大都督に任ぜられこれを撃退し、返す刀でちゃっかり攻め込んできた魏軍も撃退した。
その後は内政で成果を挙げて丞相に任ぜれらるが呉のストッパーである張昭が死去した辺りから孫権がおかしくなり、後継者問題のとばっちりで賢臣を流罪にしたり陸遜に問責状を送りつけたりしたために遂に憤死してしまう。