銀河英雄伝説に登場する帝国貴族は、帝都オーディンから離れれば離れる程マクシミリアン・フォン・カストロプのように不逞な考えを企てる者もいれば、クラインゲルト子爵のように、中央の謀略には無関心で領民の為を思った善政に努めるものらしい。
OVA版第13話「愁雨来たりなば」に登場するクラインゲルト子爵には嫡子のアーベントとその妻フィーア、二人の間に生まれたカールという一粒種の孫がいる。


アーベントは2年前に戦死しており、彼の屋敷はフィーアとカール、執事のモンタークしか居ない様で、建物は相応に立派で、庭も手入れが行き届いているが、余計な装飾は施されておらず、代々築いてきた質実剛健さが感じられる。

彼の領地のクラインゲルトは彼の言に寄れば、先祖が自らの手で切り開いて、帝室から安堵されたと語っていることから、数百年昔の帝国は更なる領土の拡大を進めて、成果を上げた者に爵位を下賜したり、その土地の支配権を与えて属国化を推進したようだ。
また、野良着姿の領民の代表団と屋敷内で会っている事から、普段から彼等との距離が近く、信頼を得ている事が伝わって来る。あとここの領民は辺境臭さを出すためか、言葉遣いがなまっている。


ケスラーの故郷でもあるようで、彼とフィーアは一次記恋人同士だったみたいだ。
帝国軍准将として彼の地を訪れたケスラーは彼女と再開した後、領地に残ると決めたクラインゲルト子爵から、フィーアとカールを帝都オーディンに疎開させるように頼まれる。
しかし彼女はその申出を断ってクラインゲルト子爵と共に領地に残ったのだった。
この時も領民と一緒に並んで同盟軍第8艦隊の占領軍から食料を受け取っている。
彼女の服装は小奇麗ではあるが、帝都オーディンのような貴族の貴婦人らしさは一切ない。同盟軍も彼女が名乗り出ない限り気がつかないだろう。

傲慢かつ退廃的で自制心がない面ばかりが強調される末期のゴールデンバウム王朝の帝国貴族の中では、突然変異的な貴族だった。
