工業デザインの魅力 | 猫より眠たがり

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出張の備忘録と、出張先での安泰な生活ぶりを日本に伝える緊張感のないブログです。
仕事仲間にばれないように、記事はアメーバ限定公開。
帰国中は記事の更新は行いませんぞ。(キッパリ)

運動不足の解消対策として電動アシストではない自転車に乗ろうかと思い、乗ることが目的に成り得る自転車探しを開始してはや数ヶ月。

ウエアをばっちり決めてヘルメットやサングラスを装着して隊列を組んで疾走しようというほどには志もハードルも高くない。その一方で、50歳過ぎの男性が内装3段ギアのママチャリをこいでいても哀愁とか悲哀しか漂わないことは承知していて、ママチャリでは乗ることが目的には成りえない。

購入したところで乗る時間があるのか、という最大の課題を前に購入を躊躇すること暫し。いっそ、折りたたみ自転車を選んで出張先に持っていくのも手だなとも考えたけれど、混沌としたインドの街で自転車に乗る自分は想像できずにこの案はボツ。自転車を飛行機で輸送するにはタイヤの空気を抜く必要があり、空気入れとかメンテ道具一式を考えると大荷物になってしまうし。結局、出張の合間に少しずつでも乗るチャンスがあればいいかな、というのが最近の発想。世のお父さん方がお小遣いを工面してゴルフクラブや釣竿を購入し、限られた本番の機会を楽しみにクラブや竿を磨いているのと同じ。経済効率は考えずにワクワクする気持ちも大事でしょう。

子供の頃にお世話になっていた自転車屋さんはブリジストンの契約店舗だったようで、うちの親は子供達にブリジストンの自転車を買い与えてくれていた。私は3人兄弟の末っ子で、小さい頃はいつも兄貴のお下がりの自転車に乗っていたけれども、兄は中学生になる頃から自転車に乗らなくなったお陰でそれ以降は何台かの新車に乗り継ぐことができた。

当時はホームセンターで1万円台で買えるような自転車(中国製?)は無かったし、田舎だったせいか(あるいは親の拘りか?)自転車は自転車屋さんで買うのが当たり前の時代だった。高校2年生のときのドロップハンドルの青い自転車が父親に買ってもらった最後の自転車。高性能で楽しかった。もちろん、これもブリジストン製。

私が車の免許を取り、原付バイクを手に入れると男の子なりにメカの魅力に嵌り、当時の原付バイクはヘルメット着用が義務づけられておらず、さらには排ガス規制も緩くて排気量50ccでありながら80km/hまで猛烈に加速する2ストロークエンジンのバイクもあったのでそういった魅力に押され、次第に自転車への依存度は下がっていった。

そういえば、結局は二輪車は原付どまり。少し前まで50歳になったら自動二輪の免許を取得したいとも思っていたけれども懐具合が同意してくれない。大きなバイクではなく原付二種といわれる125cc以下のクラスで一目ぼれしたバイクがあったんだけど。

さて、今、自転車を探しながら、自分自身について2つことに気付いた。

ひとつめは、自分の興味の中心。原付二種の小さなバイクにしても、今、魅力を感じている自転車のモデルにしても、実際に乗ったことはないんだよね。乗り心地も使い勝手も知らないのにどうして夢中になれるのかと考えたら、その魅力の源はデザインにあった。全体のデザインと、溶接の接合面だったり配線の小さな工夫だったり細工だったり。男心(男の子心?)をくすぐる。
工業デザイナー、尊敬するなぁ。

ふたつめは、自分の人生の節目。子供の頃に補助輪つきの自転車に乗り、兄に助けて貰って補助輪が外れ、やがてパンク修理くらいは自分でこなす程度に自転車と暮らしてきた。⇒免許を取ってバイク⇒そして自動車へ。自分の家族を車に乗せて移動するのが当たり前になり、きっと当時が自分にとってパラトランジットによるモビリティの最高期。⇒自動車への興味関心が薄れて⇒バイクの免許が欲しくなり、まぁ結局はそれも叶わなかったけど⇒自転車に戻ってきた、という感じ。自転車からバイク、車へと興味が推移して、バイク、自転車に戻ってきた感じですかね。
丁度、子供達が車の免許を取る年齢になり、自分の視力や体力は50歳代のそれになっているわけなので、まさに節目なんでしょうね。

あぁ、自転車、どうしようかなぁ。