この作品が好きな方、
黒木瞳さんのファンの方は、読まない方がいいです
青春18×2 君へと続く道 /日本・台湾
2024年製作 123分 劇場鑑賞
2024年映画39本目 ☆3.5
始まりは18年前の台湾―― 高校生・ジミーのバイト先に現れた日本から来た4つ年上のバックパッカー・アミ。 ひと夏を同じ店で働き過ごすことになった2人だったが、次第にジミーはアミに淡い恋心を抱いていく。 夜道をバイクで2人乗りしたり、映画を観に行ったり、2人の距離は縮まっていったが、突然、アミが日本へ帰ることに。
シュー・グァンハンが刺さった!
清原果耶も刺さった!
黒木華も刺さった!
作品としては、全然、刺さらなかった!
黒木瞳には、刺されて血が流れた!
・・・という評価になります。
この監督との相性は悪いですが、清原果耶ちゃんの青春映画っていうのが、
気になったし、合作というのも、興味がそそられて。
しかも、台湾の俳優さんが、どうも私好みのようだ・・・・
って事で、観に行きたかったんですよね。
藤井監督作品は好きじゃないけど、映像は割と好きなので、
同じ観るなら、大きな劇場がいい・・・
と滑り込みセーフな感じで観てきました。
ストーリー的には、展開も読めるし、
やっぱり藤井節がきいてて、
主人公の病気さえも、ご都合主義な感じしかしなかった。
この監督さん、多分、シーンありきなんだよね・・・・。
「めっちゃ、良いシーン思いついたから
このシーンを撮りたい!」という気持ちが先立つんじゃないかな~って。
なので、ほんと、MV向きだと思う。
(この監督は、MV出身なんですよね)
台湾の道路を上から、
ランタンあげる、
トンネル抜けた電車
雪で転がる男前2人
夜の城横を歩く台湾人2人
・・・・・そういうエモいシーンが、入ればいい
それが出来れば、話の繋ぎとかどうでもいい
・・と思っているんじゃないかと(笑)
なので、テンション高めの男との出会いや、
フラッと入った店が台湾人
フラット入った店で、自分のゲームをしてる店員がいる
ご都合主義が凄いし、
何よりも、「病気」「死」で感動を呼ぼうとする所が、
浅はか過ぎて、どうにも許せないんですよね。
もう、そういう「あざとさ」が目についてしまって。
そーゆートコ、嫌い。
ストーリー的に良かった点といえば、
主人公が彼女の「死」を知っていた・・というのは、
良かったと思う。
ただ・・・それが、この作品のうま味になるハズだったのに、
黒木瞳が全部台無しにしている感じが、どうにも否めない。
あ・・・でも、それ、私だけかも知れないけど(笑)
私は、映画ドラマで黒木瞳が出てくると、
それだけで、超ガッカリする習性が・・・・。
(基本、出てる作品は観ないようにしている)
その主人公が知ってるんだ!と観客も感じる瞬間を、
(多分、この作品で1番ミソになるところだったのに)
黒木瞳の演技が、こう、雑音になっちゃってるんですよね。
本当に、残念な瞬間でした。
さて、文句ばっかり言いましたけど。
黒木瞳加点(減点か)もあって、☆は低くなると思いつつ、
☆3.5もあるのは、何故だ!!!
(キニナルでしょ?)
もう、それは、主演2人の存在感ではないでしょうか。
主演2人と、黒木華さん!
(同じ黒木でも、こちらは褒めます)
シュー・グァンハン様!!素敵ですよね。
なんか、ずっと見ていられる。
もう、その存在感が圧倒的過ぎました。
若い時は、実年齢的には清原果耶ちゃんより年上なのに、
きちんと清原果耶ちゃんが、年上に見える感じね。
少年っぽさが、滲み出てて、素晴らしい。
そして、カタコト日本語が、本当に上手というか、
違和感がないという感じが良かったです。
こういう所で、違和感感じると、途端に興ざめしちゃう。
大人になってからの落ち着いた感じも、
凄く好き。
白い世界や、白い吐息が、ほんと似合う。
シーンありきだとは思うけど、
トンネル抜けて雪国・・・のシーンは、
シュー・グァンハン様の目を見張る演技に、息が止まった。
確かに、素敵なシーンなワケよね。
正直、あのシーンだけでも、観る価値はあったと
思わせてくれるんだよね~・・・・
でも、この場面って、なんの伏線回収にもなってないワケで。
出来れば、この場面がアヤの心情と重なった伏線回収とかがあれば
良かっただろうに・・・。
そう考えると、もっともっと良い作品になったと思うんだよね。
アヤの育った町を旅する・・・というロードムービーですすめるなら、
アヤの死を知ってる前提で描いてみても良かったんじゃないかな・・・
アヤが死期を知ってまで旅をした理由の、その伏線を、
回収していく旅にするとか。
なのに、なぜか、
「旅は何が起こるかわからないから面白い」
みたいなチープなことを、さも、名言みたいに出してるのが、
ホント、頂けない。
あ・・・また文句に・・・・
ちなみに、同じ黒木でも、
黒木華さんは大好きな女優さんの一人ですが・・・
チョイ役だったけど、ほんと、雰囲気からして、
本当に上手ですよね。
設定的に無理があるのに、こうも自然な感じで。
さすがは、黒木華さんです!
清原果耶ちゃんも良かったけど、
今回は、アヤというキャラクターが私はちょっと受け入れ難かったかな。
どうしても親目線で観てしまうと、
病気の娘が一人で台湾って・・・
電話で「帰ってきなさい」って言うに決まってるし。
それを、電話でああいう言い方されてもね・・・。
そして、妙に旅慣れしてる感じとか。
人の絵の上に、自分の絵を描く図太さとか・・・・。
どうも、好きになれなかったね。
でも、可愛い♡
この映画ね・・・
もっと、シンプルでいいと思うんですよ。
シンプルこそ、このエモさが際立つと思うんだけど。
すごく雑音が多い。
アヤの元気過ぎる感じや、
電車で出会うテンション高めの男とか
ゲームがアイテムとして使用されてる所とか
黒木瞳とか
あの複雑過ぎる壁画とか(笑)
ミスチルとか。
そういうをの全部、取っ払って、
シュー・グァンハン様の美しさと
清原果耶ちゃんの儚さと
そんな2人の静かな演技を、
景色の美しさをバックに堪能して、
「旅は何が起こるかわからないから面白い」
ではなく、
「アヤという人間を確かめる旅」
つまりは、
「自分を確かめる旅も面白い」の方に、
着地して欲しかったかな~と思いましたね。