そばかす /日本
2022年製作 104分 NETFLIX
2024年本目 ☆3.5
物⼼ついた頃から「恋愛が何なのかわからないし、いつまで経ってもそんな感情が湧いてこない」⾃分に不安を抱きながらも、マイペースで⽣きてきた蘇畑佳純(そばた・かすみ)は 30 歳になった。⼤学では⾳楽の道を志すも挫折し、現在は地元に戻りコールセンターで苦情対応に追われる。妹の結婚・妊娠もあり、⺟から頻繁に「恋⼈いないの?」「作る努⼒をしなさい!」とプレッシャーをかけられる毎⽇。ついには無断でお⾒合いをセッティングされる始末。しかし、そのお⾒合いの席で、佳純は結婚よりも友達付き合いを望む男性と出会う…
こういう作品を観ると、本当に、世の中には
色んな多様性が存在しているのだと思いますね。
今回は、三浦透子演じる佳純が、他者に恋愛感情を抱けないという、
アロマンティック・アセクシャルで苦悩する女性を演じています。
アセクシャルというは、性別を問わず、人に性的に惹かれない人を指します。
これは、最近、ドラマにもなったりしてました。
が、このアセクシャルは、かなり多様性があるようです。
アロマンティックというのは、「恋愛感情も抱かない」
もう一つ、ロマンティックというのは、「恋愛感情を抱く」
ロマンティック・アセクシャル=ノンセクシャル
今回の佳純は、恋愛感情も抱かず、性的にも惹かれない・・・
という事になります。
なのに、母親からは結婚しろと言われ、
見合いをすすめられたり、するんですよね。
アセクシャルでも、手を繋ぐだけでも、ダメな人もいれば、
キスは大丈夫・・・などと、本当に、
その人その人で、違ってくるので、
本当に多様性の時代だなんだと思った次第です。
三浦透子さんが、本当に、そういうセクシャルとしての
苦悩を上手く演じていたと思う。
アセクシャルだからこその、苦しみ。
例えば、結婚しろと言われること。
性的・恋愛を除外した関係を築きたいと思っても、
相手が恋愛感情に変化していくこと。
アセクシャルだからこそ、孤独だ。
自分を理解し、受け入れてくれる人に、
その孤独を埋めて欲しいと願う。
でも、結局、完全に同じでないと齟齬が生じてくる。
孤独を埋めてくれるであろう夏帆は、結局、結婚を選んだ。
佳純はどこまでも孤独で、それを埋めてくれる人を、
渇望している。
今まで繰り返された諦めと、落胆。
その苦悩を、三浦透子さんは、等身大で演じる事が出来ていて、
素晴らしいな~と思った。
恋愛感情を抱く事が当然ではなくて、
そういう固定概念さえも、取っ払う時代なのかも知れない。
それは、この問題だけではなく、全てにおいて言える事で。
決めつけるような言葉、そうでなければならない・・・・
そんな言葉は、どこかで、人を苦しめているのかも知れない。
しかし、妹も腹立つよね。
対照的な妹との関係性が、今の社会を凝縮しているようやったね。
・・・まぁ・・・気になるといえば、
チェロ奏者を目指していたという設定の割に、
チェロのシーンがイマイチだった事(笑)
なんか、もっと、魅せてくれるかと思ったわ~。
ほんと、普通な感じだった。
チョロ奏者といえば、やっぱり、松阪桃李様だわね~!
そして、最後にかっさらった、北村匠海さま・・・・
これが、私的には、もう完全にミスキャストじゃないか!と思うんです。
いや・・・いいんですけどね。
同じ、アセクシャルって役どころなんだろうけど。
私的には、保育園で働くか???って違和感がね。
性格的にも、保育園でとか働かんやろ・・・って思うんですよね。
しかも、年代同じ。
めっちゃ、リアルな作品やのに、
この最後で、
ファンタジーになっちゃうんだってば。
お・・・この2人なんか始まるのか?って思っちゃうんだよね。
その辺が、北村匠海がイマイチなんだよ。
眼鏡、前髪、暗そうな表情、アウトロー
さぁ、アセクシャルですよ!!って頑張ってるのが、見えちゃってる。
そういう感じで、保育園で働いてるって設定にしてるから、
それが、また違和感なんだよね。
う~ん・・・北村匠海くんじゃないんだな。
多分。
最後、ちゃんとその辺の繊細な演技出来る人が良かったわ。
「おんなじような人がいて、どっかで生きてるんなら
それでいいやって思えました」
こんな台詞が、沁みるようなね。
それはそうと、主題歌を三浦透子さんが歌ってるんだって。
すっごく、素敵な歌声。
このミュージックテレビの男の人とか、凄く、
いい感じだけどな~と思った。
「そばかす」っていうのは、そばたかすみ という名前から
きてるんですね~。