【韓国映画】メソッド ネタバレ感想 | ROUTE8787 サンサクキロク

ROUTE8787 サンサクキロク

好きなものを好きなだけ。
韓ドラ狂騒キロク
映画と音楽とドラマがあればいい

image

 

メソッド / 韓国

2017年製作 82分 AmazonPrime

2023年68本目(韓国映画48)☆☆☆☆

舞台で同性愛者の役を演じることになったジェハとヨンウ。やる気がないヨンウに、先輩俳優のジェハはいら立っていた。台本読みの場で怒りが限界に達したジェハは、突如ヨンウに詰め寄り、渾身の演技をする。すると、今まで無反応だったヨンウの目から涙が…。

 

これは、なかなか面白い作品でしたね。
2人の関係が、舞台を成功させる為のメソッドだったのか。
そうではなく、本当に愛し合っていたのか。
 
メソッドの演技法とは、その役柄になりきる為に、役の分析を行った上で、
同じ状況かに自分を置き、演技に還元していく・・・・ような事です。
 つまり「憑依型」の役者さんは、この方法に属されるような気がします。
 
ベテラン俳優のジェハは、妻もいるのに、
ともに舞台に立つヨンウに惹かれていく・・・
ワケなんです。
 
演技なのか、本当に惹かれているのか・・・・
という、どっちなの??っていう所が、
面白さの一つかも知れないですけど。
 
私は、
演技を逸脱した、完全なる恋
・・だと思います。
 
もう、そういう視線でしか見れないのは、
パク・ソンウン様の・・・
なんというか、ネットリ感??
ウェッティーな感じが、
中年男性が、若い人に抱く恋心を、めっちゃリアルに表現していると
思うんですよね・・・・。
image
もう、ほんと、私BL好きですけど、
このネットリ感は私の求める所じゃないんですけど(笑)
(もっと爽やか系がいい)
妖艶なヨンウに、もう惹かれていくしかない感じが、
めちゃくちゃ伝わってきたんですよね。
 
ヨンウもヨンウで・・・
ジェハと出会って、演技を重ねていくウチに、
どんどん魅力的になっていくのが、凄いんですよね~。
image
 最大の見所は、やはり最後のシーンでした。
ただのBL作品だけでは終わらせない、
サスペンス要素のあるラストは、面白い展開だった。
 
ジェハの妻と演技の練習をした時に、
演技練習と称して、
「子犬みたいに、無条件で愛される」(みたいな)台詞で、
密かに妻を威嚇していたヨンウだからこそ、
その妻を殺すという展開も、さもありなん!!と思ちゃってるから、
ジェハと気持ちは一緒で、ドキドキが止まらなかったですね。
 
けれど、ヨンウはそうしなかった・・・・
何故なら、ジェハのノートには何の分析も書いていなかったから。
自分への気持ちが演技では無かったと知ったヨンウは、
この舞台に全てを注ごうと思ったのかな。
 
舞台の2人と、ジェハとヨンウが、
完全にリンクしていて、ヨンウの恨みつらみが、
ジェハを突き刺していく感じも、よく出来てるなぁ~と。
 2人の熱演が、その面白さに拍車をかけるんですよね。
 
ジェハへの想いを演技に投じ、最後は、愛の当てつけのように、
死を選ぼうとしたヨンウだったが、
それを救ったのは、ジェハだった。
 
 死ねなかったから、僕も嘘をつこう。
「僕は完璧に演じたし、あなたも完璧だった・・」
 冷たくそう言い放ったヨンウに、その覚悟が見える。
 
また、その覚悟に、これまた動揺するジェハが、
マジでリアルなんだよね・・・。
「こんな最後が、自分の本当の望みだったのか?」
そんな風に自分に問い掛けるには、
すべて遅すぎたんですよね。
 
ジェハもヨンウも、嘘をつき生きていく。
いつしか、その嘘が真実になっていくように。
 
そんな最後は、始めの言葉
アルパチーノの「嘘をつく時も俺は真実を言う」へ
回帰していくのだから、よく出来てる!!
 
まぁね・・・・
ただね。
難を言うと、この2人の関係が浅いって事なんだよね~。
 まぁ。。。だから、演技なのかどうかっていう面白さもあるんだけど、
私の解釈では、「そんなもん、演技じゃないに決まってるやん」っていう
前提で観てるからさ~。
 こういう面白い最後には、
長年友情関係にあった2人が、舞台をキッカケに恋に発展し・・・・
結局本当の気持ちに蓋をして、友情関係を続けていく
っていう方が、更に、萌えたと思う!!
 
 逆に、「演技か本物の恋か」かどっち?って所をメインしたいなら、
もうちょっと、どっちなんだろう?っていう悩める余白が欲しかったかな。
 風でページが揺れて、分析書いてあんの??ないの??
どっちなのよ~的な(笑)
 そっちの方が、最後気持ち悪いけど、
解釈の幅が広がって面白かったと思うんだけどね。
 
 
 しかし、この2人のネットリした感じ・・・・image
官能的という美しさではなく、
いやらしさ・・・?(笑)
ネットリ感炸裂小説「はつ恋」を思い出したわ。

 

ねっとりといえば、村山由佳さんだよね~

 
とにかく、主演お二人の演技が素晴らしかったから、
最後のシーンも見応えがあったんだと思います。
あれほどの熱量のある舞台なら、観てみたいよね。
 
 
【追記】他の方のレビューを拝読すると、
色んな観方があって、面白い~!!
 私は完全「演技じゃない!本物よ!」って所から観ましたけど、
「メッソド演技だ」と思った人もいて。
 そう考えると、更に、面白い作品だと思えますね。