ただ悪より救いたまえ / 韓国
2019年製作 108分 Hulu
2023年48本目 ☆☆☆
腕利きの暗殺者インナム(ファン・ジョンミン)は、引退前の最後のミッションで日本のヤクザ、コレエダ(豊原功補)を殺す。コレエダは冷酷無比な殺し屋レイ(イ・ジョンジェ)の義兄弟だった。レイは復讐のため、どこまでもインナムを追いかけ、関わった人間を次々と手にかけていく。一方、インナムの元恋人はインナムと別れた後ひそかに娘を生み、タイで暮らしていたが、娘が誘拐され元恋人も殺されてしまう。インナムは、初めてその存在を知った娘を救うためタイに向かい、誘拐に関わったもの達を拷問し居場所を探す。レイもまたインナムを追ってタイにやってくる。そして二人の通った後には死体の山が出来上がる…。タイの犯罪組織や警察まで巻き込み壮大な抗争へと発展する。果たして、暴走する暗殺者と狂暴な殺し屋の運命の対決の結末は一体!
「新しき世界」での2人が、
今度は真逆の立ち位置で、共演されたという事で。
ファン・ジョンミン様はどんな役でもこなせそうな気がしたけど、
正直、イ・ジョンジェ様の殺し屋っていうのは、
本当に、イメージ出来なかったんですよ・・・・
なんか、色白だし。
殺し屋っていうのと結びつかなくて・・・・
ちょっとクールで清潔系の殺し屋かと・・・(どんな?)
でも、そこはさすがのイ・ジョンジェ様でした。
あんなに色白なのに、泥臭くて、
狂気じみてて、ちょっとバカっぽい殺し屋を、
充分堪能させてくれました。
この殺し屋レイが、とにかく、
「しつこい」という噂は聞いていましたが、
本当に、「しつこい」
めちゃくちゃ、執念深い。
でも、この人、
お兄ちゃんが殺されて、その復讐みたいなんだけど。
(殺された兄は、豊原様でした)
その兄とは不仲で疎遠で、弟の存在もみんな知らなかったって。
なのに、その執念は一体・・・・・???
・・・と不思議に思ってたら、劇中で、
「どうして、あの男に執着するだ??」みたいな事を聞いてくれる場面があって、
そうそう、その理由聞かせて~!!と前のめりで、耳を傾けたら、
「殺す理由なんて、忘れた」って言う訳よ。
忘れた~って何よ~
どーゆーことよーーーーーー!!!
と、大笑いしてしまった私。
ちょっと、ズッコケてしまった。
そしたら、キャッチコピーに
「殺し合う理由、そんなもの、忘れた」ってあって、
殺す理由を忘れるっていうのは、
韓国ノワールでは、カッコイイ事なんだな・・・
男の美学なんだな・・・
と新な学びを得たワケです。
兄の死なんて関係ない。俺はただ、殺したいだけ・・・・
・・・という殺し屋レイの狂気を、見事に、
イ・ジョンジェ様が演じておりまして、
「素晴らしき世界」でオドオドしていた彼の印象なんて、
見事になくなってしまいました。
首の入れ墨が、似合う男♡
首筋から胸元の色気が、ヤバい。
そして、ファン・ジョンミン様は、
静かな殺し屋さん。
どうしてこの世界に入ってしまったの?って思ってしまう位、
物静かで、娘にも愛情深い。
最後のシーンで、意識を手放すその瞬間まで、
子供を追いかける視線が切なかった。
ホテルで、子供を抱き締めるシーンも。
「ただ悪より救いたまえ」のタイトルも相まって、
インナムの子供の無事を願う気持ちが、痛々しかった。
暴力シーンは、さほど苦手意識ないので、
全然、私は楽しめました。
特に、今回は、アクションシーンも多くて、
ファンジョンミン様とイ・ジョンジェ様のアクションを観るのも、
楽しかったです。
(しっかりアクションもこなせるのが、凄い)
そして、パク・ジョンミン様も素晴らしかったですね。
違和感なしのドラァグクィーン・ユイ。
正直、
「キルミーヒールミー」のヨナを参考にしたでしょ??
と思ってしまった(笑)
ヨナに会いたいわ♡
このバイオレンスの世界の中に、ユイが、
なんやかんやと言いながらも、きちんと子供を守ろうとしたり、
インナムを助けようとしたり。
そういうのが、凄く、救いの存在でもありました。
最後の決着は、
大雑把!!!って思ってしまいましたが。
正直、この脚本・内容なら、
キャスティング如何によっては、
B級映画になっていても全然おかしくないと思う。
それを、
それなりの作品として、まとめ上げてしまったのは、
俳優3人の演技の賜物としか言えない。