【韓国映画】キル・ボクスン ネタバレ感想 あと少しの残忍さを | ROUTE8787 サンサクキロク

ROUTE8787 サンサクキロク

好きなものを好きなだけ。
韓ドラ狂騒キロク
映画と音楽とドラマがあればいい

image

 

キル・ボクスン  韓国

2023年 137分 ☆☆☆

2023年映画11本目 NETFLIX

暗殺業界トップの組織MKで伝説の超一流の殺し屋でありながら、10代の娘をもつシングルマザーとして二重生活をおくるキル・ボクスン。殺しのミッションと人を育てるミッションの狭間で葛藤しながら、キル・ボクスンはMKの任務の完全遂行を拒否し、戦いを余儀なくされる。

 

楽しみにしてました。

タランティーノ感満載キル・ビル感満載。

アクションもあって、137分見応えのある作品です口笛

 

変にコメディに傾かず、

死に無頓着な、ある意味サイコでノワールな世界観を、

見事に描いていたと思う。

 

アクションシーンも、チョン・ドヨン様凄い!!拍手

ってか、この方、御年50歳ですよ。

もう、走ってるだけで褒めて貰いたい年ごろですよ。

image

 キャスティングの時点で、50歳女性にオファーする??

この作品で、

「よし、チョン・ドヨンでいこう!!」って思わせるチョン・ドヨン様の魅力とか、

韓国エンタメ界における信頼度の高さに、

もう尊敬というか、震えるというか不安

 また、そこを、きっちりと仕上げてくるのが、

同じ世代として、パワーや勇気を頂きますよね。

 

 今日は5分離れたスーパーまで、

歩いていこうと思います!!!ランニングランニングランニング

 

・・・って気持ちになっちゃうよね。

 

 その他のキャストも、良かったです。

大好きな女優さんイ・ソム様も出ていて、テンションあがりました。

この人の雰囲気が、もう、この世界にマッチしてましたよねラブ

image

 

ただね・・・・

「残忍さ」に、ちょっとうるさい私としてはですね物申す

「残忍さ」不足を否定できないと思うんです。

 

決して、私が「残忍」というワケではないんですけど。

 小学生の頃に、イタリアンマフィア作品にどっぷりハマった基礎があり、

「ゲーム・オブ・スローンズ」で容赦ない残忍さに、

胸を震わせた私としては。

 

正直、最後がもう残念でしかないのです悲しい

ツメが甘いというか、作製陣の優しさが漏れてしまったというか。

 

image

ミンギュ代表。

それまでは、キャラ設定バッチリだったこちらのお方なんですけどね。

 

自分の命と引き換えが、

録画した母親の正体・・・・・って・・・・

 

それ、全然、釣り合ってませんよね???

 

残念感が半端なかったんですけど。

 

しかも、ipadをそっと家の前に置くとか、

いっきに、世界観が崩れてしまったんですよ。

 

愛するボクスンのいない世界よりも、

自分の死を選んで、

それ以上の衝撃を与える。

 そういう、完全に歪んだ愛の世界なんですよね。

 

ボクスンのいない世界に匹敵する不幸は、

娘のいない世界のはずなんですよね。

 

この展開に見合うものは、

「娘の死」以外にないと、私は思うワケです物申す

 

ただね。

この娘役のキム・シア様が安定の演技力で、凄く良いんですよねチュー

image

殺すには、非常に惜しい。

特に最後のシーンで、普段と変わらない表情で母親を出迎える所とか、

こう、「殺し屋」の血を感じさせるじゃないですか。

 

私なら、

電球自分の死と引き換えに、娘に殺し屋を送った事を言い残し、

絶命したミンギュ。

 車を走らせ、自宅へ帰るボクスン

娘が自分を殺しにきた人間を、逆に始末して、

(相手の殺し屋は、なめてかかってるワケですよ。

普通の娘を殺すってんだから。でも、生まれ持っての素質がある娘は、

危険な雰囲気を察知して、手にナイフを隠し持ち・・・・

不意打ちするっていうね・・・・)

 

血で汚れた表情で、母親を出迎える・・・っていうラストが

良かったかな・・・・と。

 でも、だからといって、娘が殺し屋になるって余韻を残すんではなく、

あくまで、その後は、普通の生活に戻るって感じがいいんですよ。

 いや~絶対、このラストが良いと思うけどな~。

 

ただね。

ミンギュ代表が、「若者は殺さない」というルールを守ったっていうのも、

理解出来るんですよ上差し

そういう美学を持つ男としても、納得はいくんですけど。

 

どうしても、録画してどうのこうのっていうのが、

もう、ショボ過ぎるんですよチーン

 

ならば。

電球娘に対決の場面を、直に見させるっていう展開が、

良かったんじゃないですかね。

 見上げた先に、娘がいて、冷めた空虚な目で、自分を見ている・・・・

みたいな・・・。

 その後、2通りのラストがあって、

 

①「お母さん、帰ろう・・・」って台詞を言う

 

か。

 

②娘に全てを知られた絶望から、

ボクスンが自殺する・・・

 

②が完全に後味悪い感じがするし、

 

娘の雰囲気からすると、①がしっくりするかな・・・・。

 

でも、これほどの歪んだ世界観なら、

②でも全然ありだと思うけどね。

母親の死を冷静に眺めて、踵を返して歩き出す娘・・・みたいな。

 

母親の血を感じさせる・・・もしくは、それ以上の器を感じさせる

キム・シア様の演技があるからこそ、

もうちょっと、挑戦して欲しかったな・・・・と思うんです凝視

 

あくまで、私が強調したいのは、

娘も母親と同じ道を歩むという余韻は残さないで欲しいこと。

 これで、娘も殺し屋になったって感じだと、

いっきに、この世界が陳腐になってしまうんですよね。

 娘は、そういう特殊な血の片鱗を見せながらも、

現実世界に戻っていくというのが、

めっちゃ、クールじゃない??指差し

 

いや、続編として殺し屋になったという映画を作ってもいいんですよ。

むしろ、そこが本編で、

この作品が、「エピソード0」(←最近、こういうの流行ってるし)なら、

なお良し!!な気がします。

 

・・・・陳腐といえば・・・・

決闘場面で「いつから??」

いつから私が好きだったの?って聞く台詞ありましたやん????

 

あれ、マジでいらなかったですよね汗うさぎ

いっきに、良い年した男と女の、チープな恋愛が入ってきましたよね。

「ねぇねぇ。私の事、いつから好きだったの??」なんて、

それ、聞いてどうすんねん!

伝説の殺し屋が、

こんな状況でつい聞いてしまう、おバカな女子になっちゃうじゃないか!!

 

ミンギュ代表が思い出す、ボクスンとの出会い場面で、

その気持ちも分かるし。いつから、その魅力に囚われていたのかも、

こっちは分かっているしさ!

 

そういうチープな台詞がない方が、

最期の「お前のいない世界~」云々の台詞が、

めっちゃ生きてくると思うんですよグッ

 

 更に、ボクスンが、ミンギュ代表の気持ちを知っていながら・・・

彼の弱点が自分だと知っていながら・・・

勝利するには、そこに賭けるしかないと思いながら・・・・

 闘うっていうのが、いいじゃないですか。

 

始めのシーンで描かれた、

ズルしてでも何としてでも殺すという殺し屋としての生きざまに、

繋がっていくと思うんだけど。

 

「紳士とお嬢さん」で1分1秒も惜しいので、

サラッとレビューを書くつもりが、

長々と書いてしまった(笑)