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茜色に焼かれる

2021年 144分 R15+

2023年3本目 ☆☆ 石井裕也監督作品

AmazonPrime・NETFLIX

 

1組の母と息子がいる。7年前、理不尽な交通事故で夫を亡くした母子。母の名前は田中良子。彼女は昔演劇に傾倒しており、お芝居が上手だ。中学生の息子・純平をひとりで育て、夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒もみている。経営していたカフェはコロナ禍で破綻。花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちでも家計は苦しく、そのせいで息子はいじめにあっている。数年振りに会った同級生にはふられた。社会的弱者―それがなんだというのだ。そう、この全てが良子の人生を熱くしていくのだからー。はたして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?

 

  ネタバレ感想

 尾野真千子さん作品で、

何気に良い作品そうなタイトルに惹かれて、

気になっていたんだけど。

 

まぁ・・・全然、面白くなかったですね。

とにかく、主人公に共感出来ない。

 変なプライドに塗り固められて、

人の意見なんて聞かないし、

自分の思い込みだけで動くタイプ。

 一人ならそれで良いけど、人を巻き込み・・・

しかも、息子ですよ。

 夫の交通事故で賠償金を貰わず、

夫の愛人に仕送りし、

夫の親の面倒を見ている。

 どこまでも、不幸を呼び寄せていて、

その原因は自分にあるという事に、

気付かない。

気付かないどころか、それを、

手柄のように思っているフシがあって、

子供としたら、本当に迷惑な話なんですよね。

 

そんなワケの分かないプライドはあるのに、

夜のバイトで体を売る事は、

問題ないようだし。

 

本当に、どうしようもない母親だな・・・

って思う。

 

褒めるとするなら、

そういう人間ってやっぱりおるんですよね。

自分の考え方・プライドがすべてで、

融通のきかないひと。

それを、尾野真千子さんは、

見事に演じきっているっていう事ですよね。

 

それが、この作品の最大の

魅力ではあると思うんですけど。

 

ストーリー的には、何の解決もないし、

もし、あの最後の変な演劇が答えだとするなら、

そんなもん、誰がわかるねん!!アホか!!

・・・と怒鳴りつけてやりたい心境になります。

 

主人公が、勝手に自分で不幸を招いて、

勝手に我慢してきて、

昔の同級生に裏切られて、

爆発しただけの話であって、

この作品には、何の希望も見い出せないし、

私も頑張ろう!!って気にならない。

 かといって、社会的弱者の問題について考えようという気にもならない。

 

要するに、この作品は、何が描きたいのか分からないって事なんですよね。

 

そして、何だか、イジメの描写も、

時代錯誤な感じも否めないし、

息子さんは、とにかく、

何故にあんなに筋肉があるの?

と違和感が拭えないし、

どうしても、品が良い感じが抜けませんね。