【韓ドラ】ウ・ヨンウ弁護士は天才肌① ネタバレ感想  | ROUTE8787 サンサクキロク

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ウ・ヨンウ弁護士は天才肌

2022年 全16話

☆☆☆☆

 

  あらすじ

自閉スペクトラム症でIQ164の天才的な頭脳を持つ弁護士ウ・ヨンウ(パク・ウンビン)は、ソウル大学ロースクールを首席で卒業したが、障害が原因で就職がなかなか決まらなかった。が、父親の大学時代の後輩が代表を務める一流の法律事務所「ハンバダ」に採用され、新米弁護士として活躍することに。シニア弁護士ミョンソク(カン・ギヨン)のもと、70代の老夫婦の間に起こった殺人未遂件をはじめ、さまざまな事件を担当し、私生活でも壁にぶつかる中、一人前の弁護士として成長していく。

 

  ネタバレ感想

 

自閉スペクトラム症を描くという事

この難しい題材を、よくぞ、ここまで作り上げたな・・・と

ビックリしましたびっくり

 物語は、自閉スペクトラム症のヨンウが、弁護士としても人間としても

成長していく姿を描いていて、その姿は、1話完結の法廷モノとともに

描かれていく。

 

この法廷モノの内容が、非常に興味深くて、面白いんですよね拍手

 

この、ヨンウを、「すべて」にしない配分が素晴らしくて、

日常の中に存在する自閉症スペクトラムとして、

扱っているのが、この作品の成功に繋がったのかな・・・と思います。

 これが、ヨンウを中心に描かれていくとなると、

パク・ウンビン様の演技力でもってしても、限界があるんじゃないかな・・・と

思ってしまうワケです。

 ヨンウに重きを置いてしまうと、より深く描かないといけないし、

よりセンシティブになってしまうと思うんです。

 

 法廷ものの中に、ヨンウを描く事によって、

様々なスペクトラム症の1例として受け取る事が出来るし、

ヨンウ=自閉症スペクトラムという構図にならなかった。

 そして、この法廷エピソードもまた、

気分爽快!!ってワケではなく、視聴者に余白を持たせていて、

頭ん中が、ヨンウでいっぱいにならなくて。

 社会の抱えるあらゆる不条理や、問題も、

同じように考えさせられていくんですよね。

 

 視聴者は、ヨンウそのものを見るのではなく、

生活の中に存在するヨンウを追いながら、

スペクトラムの一部を知る機会を得ていく。

 この(完全に良い意味での)軽さが、このドラマの肝なんじゃないかとカギ

 

けれど、その軽さを、制するように、

法廷モノの内容は、時に、重くてセンシティブで。

 可愛いヨンウとくじら、そして甘い恋に、

宙に浮きそうな視聴者を、グイっと引っ張り戻すことに成功している。

  

そして、語弊を承知で言うと、

こういう軽さを、社会は必要なのかも知れないな・・・と思った。

「ウto theヨンto theウ
トン to the グ to the ラミ~」

・・・というノリではないけれど、

 この世の中、色んな人がいて認め合って

尊重し合って。

 それは、自分に関わる全ての人に対して、

そうであるべきで。

 そこに線引きをしていてはダメなんだと感じました。

 

そういう意味では、演技力もそうだけど、

しっかりと練られた脚本なんだな・・・と思いました拍手

 

 障害者が幸せになる・・というドラマや作品は、

リアリティに欠ける、夢物語という批判にさらされる事が多くあるように

感じてきました。

 同じように、LGBTQ扱った作品も。

最後に不幸になるものが多かったですが、最近は、

(良い意味で)「軽さ」のある作品が目立ってくるようになり、

時代の変化・社会の変化を感じていました。

 誰もが幸せになる時代であり、

社会がそれを願い、受け入れる時代になったのを感じる反面、

その作品がすべてでない事を、観ている側としても、しっかりと

感じないといけないと再確認しました電球

 

このドラマが、軽さだけではなく、引っ張り戻す重さをも、

描くように。

 そして、その責任は、視聴者にもあるけれど、

生み出す作り手にも、充分に存在していると思います。

そういう意味では、この作品は、

その責任を存分に果たしていると思いました。

 

ジュノの描き方について

・・・という事で、ほぼ満足なドラマなんですけどね。

これだけは、ちょっと、違和感がありましてね。

 ヨンウに恋するジュノさんの描き方なんです。

 

 というのもね。

このジュノさんに至っては、若干、

リアリティさに欠けていたように思うんです。

 

引っかかった点は、ジュノが、友人や姉に、

ヨンウを紹介して、

彼らが困惑している理由が、分からない・・・?みたいな。

「何を言ってるんだ!」って怒るやないですか。

 

いや、分かるでしょーよ・・・・

 

相手の困惑の理由とか、そういうのを、

ジュノさんは分かっていると思うんですよ。

 これがね、ジュノのキャラが、

子供解放軍隊長のような人ならね。

「俺はヨンウが好きなんだーーーー!」で突っ走るだろうけど、

この落ち着いてて、冷静なジュノさんがね、

ヨンウと初めて相対した時に困惑する事とか、

そういうのを想像出来ると思うんです。

 だから、ヨンウを守りたいと思うなら、

姉に会わせるなら、先に話しておくとか、そういう行動を、

絶対取ると思うんですよね。

 

 もっといえば、ジュノさんの気持ちの過程が、

それほど、じっくり描けていないワケで。

 ジュノさんがヨンウを見つめる目とか、切ない感じとか、

ホント素晴らしいんですけど。

 付き合うという覚悟を、どの時点で決めたとか、

果たして、そこまで突き詰めて、考えたのかどうかとか・・・

 

「私たちのブルース」でも、ダウン症の姉を持つ彼女を、

親に合わせる時のシーンが描かれているんですけど。

 前もって、我慢は3回まで・・・とか言うんですよね。

そちらの方が、何となく、リアルかな・・・・と思いましたね。

 

おいで私の愛読書漫画「パッションパレード」では、

黒人の彼女を持つリンが、その彼女の父親に、問い詰められるんですね。

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「彼女の肌は黒いぞ、それでも、娘が好きなのか?」

黒人の彼女と結婚するという事は、

不利益を受けるという事だ・・・と。

 パパが言うんですよね。それでも、好きなのかと?

で、こう、リンは咄嗟に答えるワケです。

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「そんな事は関係ない。

彼女のメリットもデメリットも、

丸ごと俺のものだ!」

 

 こういうね・・・

こういう決心が、ジュノさんには、

果たしてあるのだろうか・・とね。

 

その辺りは、シーズン2で描かれるのかも知れないけれど。

 

 

※かなりおススメの漫画です。

読む時は、「朱鷺色三角形」を読んで

「パッションパレード」となります。

 

 

あ・・・・タラタラと書いてたら、

長くなってしまいました~。