【韓ドラ】ホテルデルーナ 月明かりの恋人② 自己満足・妄想劇場 | ROUTE8787 サンサクキロク

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 妄想劇場です。

自己満足なので・・・・

 

<ヨンファ姫>

 幼い頃から、近くにいたチョンミョンとの婚儀の日は近付いていた。

彼は申し分のない男だが、私たちは、恋をしていない。

彼が私を愛していない事など、百も承知。

そして、それは、お互い様なのだ。

 あの一瞬、出会った男を、私は忘れる事が出来ない。

あの一瞬の出会いが、結婚の決意を激しく揺さぶるのだ。

 

けれど、私はチョンミョンと結婚せねばならない。

一瞬の恋心など、妄想に過ぎない。

チョンミョンも同じ気持ちのはずだが、ここにきて、

彼の心の揺れを感じる。

揺れ?

・・・・・否、決意なのかも知れない。 

チョンミョンがこの運命から、逃れようとしたならば。

私は、どうするだろうか。

 私もまた、自分の愛を、探してみようか。

 

しかし、運命は残酷で、

チョンミョンが盗賊たちと内通している事を父は知ってしまった。

 

 夢や愛は、妄想なのだ。

チョンミョンを助ける道しか、私には無いように思えた。

愛にまっすぐで、眩しい彼を、私は救いたいのだ。

 

盗賊たちへ兵を送り、チョンミョンの疑惑を晴らそうとした。

部下に親しまれているチョンミョンが、

部下や家族を犠牲に出来るはずがない。

 彼の苦しみは手に取るように分かるが、彼を死なせるワケにはいかない。

私たちは、所詮、駒でしかないのだ。

 

処刑される盗賊の中に、彼を見つけた。

運命はなんと過酷な再会を、私に用意するのだろうか。

 彼は、私の存在に気付いたのだろうか。

あの一瞬の中に、私と同じように、

一瞬の愛の芽を見つけてくれたのだろうか。

そうだとしても、その愛の芽は摘まれる。

そんな分かり切った事を、どうして、

夢のように感じてしまったのだろうか。

 私も、チョンミョンも、滑稽だ。

 

<ヨヌ>

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突然、襲撃された。

そこに現れたチョンミョンの顔を見た瞬間に、

すべてを理解したのだ。

 チョンミョンの苦悩が、痛いほどに伝わってきた。

聞くまでもない。

裏切りだとも思わなかった。

 思いの外、私たちは友情を育んでいたのだな。

笑みがこぼれた。

全て崩れていく中で・・・・その先は絶望でしかないのに。

 

「自分たちの関係を気付かれてしまった。

このままでは、部下たちが殺されてしまう。

討伐しなくては・・・・お前は奴隷にしてでも助ける。

でも、他の者たちは討伐しなくては・・・・。

こういう判断しか出来ない私を、許して欲しい

私は、お前たちを助けたら、死ぬつもりだ。

私の命と引き換えに、お前の仲間たちを殺してしまう事を許して欲しい」

 

自分の部下や家族と、

愛と友情と。

 

大切なものたちの選択を迫られて。

苦悩しているお前に、私が何を言えるだろう。

嗚呼、そうだ。

これだけは、伝えなければ。

 

「マンウォルだけを助けて欲しい」

妹のように、姉のように、共に育ってきたマンウォルの、

泣き崩れる姿は、容易に想像出来た。

 

私が死に、チョンミョンが死んでしまったら。

マンウォルは、生きる術を失うだろう。

 この願いは間違いだろうか?

けれど、これしか思いつかなかった。

 

「マンウォルだけは助けて欲しい。

お前が、完全な裏切り者となり、その恨みが、

マンウォルの生きる糧になるだろう」

 

苦しむチョンミョンを、更に苦しめる選択かも知れない。

それでも、マンウォルを死なせるワケにはいかないのだ。

その気持ちは、同じはずだ。

 愛の種類は違えど、マンウォルに全てを捧げる覚悟は、

共に準備出来ているはずだ。

そうだろう?チョンミョン。

 

死ぬのは怖くない。

けれど、マンウォルとチョンミョンのような眩しい恋を、

自分もいつの日か、手に入れただろうか。

 あの時の、あの一瞬の出会いが、

その眩しさに通じていたのかも知れないな。。。。

 そう思うと、少し残念だ。

 

今生は、3人で飲み交わした、あの夜だけを連れていこう。

あの夜は、楽しかった。

 だから、チョンミョン、苦しまないでくれ。

そして、どうか、

私の最後の願いを、許して欲しい。

 

<チョンミョン>

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 生きていた。

ヨンファ姫の部屋で、相対したマンウォルを見て、安堵した、

ヨヌよ。

お前の言葉通り、マンウォルは、私への憎しみを糧に、生きてくれている。

 私の前で、生きてくれている。

その息遣いは荒々しくて、私を見つめる目には、憎しみしかなくても。

 

違う世界で生きていても、3人で育んだ友情と愛は、

私のすべてだった。

 自分の全てを捨ててでも、お前たちと共に生きたかった。

 その欲望の為に、私を信じてくれている部下たちを、見殺しに出来るのか?

私の家族を犠牲に出来るのか?

 自分の命など、驚くほどに考えなかった。

ヨヌとマンウォルを、どうすれば助けられるのか。

その事ばかりだ。

愛と友情は、自分の命をも凌駕する。

それは、お前たちがくれたものだ。

 

ヨヌの願いに従うしかなかった。

彼女のその存在を守る為ならば、敵になろうとも恨まれようとも

構わない。

 ヨヌと交わした最期の約束。

それぞれの形で、愛したマンウォルを守るために。

 

マンウォルの中で燃え上がる恨みや憎しみは、

まっすぐに私を射抜いている。

 彼女のその燃える生命を感じながら、私は、自分の命を差し出した。

私の親友は、褒めてくれるだろうか。

 

マンウォルの存在を感じる。

嗚呼、こんな風に、マンウォルを抱き締めたかった。

 こんな風に、その黒髪に触れたかった。

 

伝えたい言葉や気持ちは、行き場を失ってしまった。

3人で酒を酌み交わした、あの夜の月が、

遠くで見えたような気がした。

 ああ、私のすべてだ。

この想いは、いつの日か、

お前に回帰していくだろうか。

 どれだけの月日を費やしても構わないから。

いつの日か・・・・。