ドント・ルック・アップ
2021年12月公開 アメリカ
145分 ☆☆☆☆
NETFLIX 2022年映画③
あらすじ
天文学専攻のランドール・ミンディ博士(演:レオナルド・ディカプリオ)は、落ちこぼれ気味の天文学者。ある日、教え子の大学院生ケイト(演:ジェニファー・ローレンス)とともに地球衝突の恐れがある巨大彗星の存在を発見し、世界中の人々に迫りくる危機を知らせるべく奔走することに。仲間の協力も得て、オーリアン大統領(演:メリル・ストリープ)と、彼女の息子であり補佐官のジェイソン(演:ジョナ・ヒル)と対面したり、陽気な司会者ブリー(演:ケイト・ブランシェット)によるテレビ番組出演のチャンスにも恵まれ、熱心に訴えかけますが、相手にしてもらえないばかりか、事態は思わぬ方向へー。果たして2人は手遅れになる前に彗星衝突の危機から地球を救うことが出来るのでしょうか!?
感想(ネタバレあり)
いやいや・・・・面白かったです。
かなり、辛辣に今の世界を皮肉っていて。
もう、ほぼ全編、皮肉っていると言っても、
過言ではない(笑)
そして、キャストが豪華過ぎるので、
文句なしで楽しめました。
レオナルドディカプリオの冴えない学者感が素晴らしい。
ジェニファー・ローレンスの、異常の中での普通の演技の安定感。
メリルストリープの、女性大統領の違和感が一切ない(女版トランプ)凄さ。
ケイト・ブランシェットの突き抜けた異常さ。
ティモシー・シャラメの、人類の無垢さと純粋さの存在。
正直、この皮肉を笑えない事に、
自分自身驚いてしまった。
こういった展開が、
ありえるんじゃないかと思ってしまう・・・
そんな時代に、
人類は突入してしまったのだと、
冷静に感じて、恐ろしくなってしまった。
誰かの必死の声を、誰かがかき消す。
誰かが見上げろと言えば、
誰かが見上げるなと言う。
相反する情報の中で、
私は、一体、どちらの側に立つのだろうか。
つい最近観た「アンという名の少女」というドラマで、昔に描かれていた差別問題などを観て、
時代は少しは進歩しているな・・・と感想を書いたけれど。
この作品を観て、新たな問題に突入しているのを感じた。
人間の進化は、前進であり後退であると、
実感した次第。
この映画を観て、到底笑えない。
自分が、どちらの立場にいるかも正直、
分からない。
だからこそ常に心は、基本を心掛けたいと思う。
まさに、それが、最後のシーンではないだろうか。
映像の切り取り方や、音楽も含めて、
全編皮肉まみれでありながらの、ラストシーン。
世界が壊れていく中で、人と人が手を握り合う。
恐怖に打ち勝つものは、愛が与える安寧。
その愛を忘れるなと。
そんな警鐘を感じ取る。
そして、ティモシーシャラメ様。
やっぱり素敵でした
ホント、存在感あるよね。