このドラマも中盤に差し掛かってますね。
当初は、ロレンツォショックから抜け出せず、
「こんなドラマ許せーん」と頓挫してしまうかと思ったが。
これが、なかなか面白い。
なんせ、お金がかかっている。
映像が素晴らしい。
毎回毎回、映画を観ているような気分になる。
ローマとフィレンツェの持つ雰囲気の違いも、如実に描かれていて、
イタリア史ファンには嬉しかったりする。
驚くことに、撮影はほとんどイギリスらしい。
よく、あの中世イタリアの雰囲気を出せているな・・・と感心。
レオナルドが、何かを思考し、生み出すときの場面も、斬新で面白い。
レオナルドの知的産物が生まれる瞬間を、うまく表現していると思う。
物語も、歴史上の人物を取り入れながら進まれていくのも嬉しい。
ロレンツォも、(やっぱり)ジュリアーノも、イメージと違う!!
だったが。
嬉しい誤算もある。
ジロラモ・リアリオ伯である。
歴史上では、あの女傑カテリーナの夫。
パッティの陰謀の首謀者とされるローマ法王の甥。
ドラマでは、病的なくらい冷酷冷淡非道な男として描かれている。
彼の生み出す拷問器の怖さといったら・・・・
なんですが。
そんな彼を演じているのが、
ブレイク・リトソン。
イギリスの俳優さんですが・・・・
情報少な過ぎます。
イギリスでは12年の俳優経験を持ち、監督業もされてる様子。
5ヶ国語も話せるインテリさん(インテリに弱い)
冷静沈着、冷酷非道な役を、
全くの大袈裟感もなく、シンプルに演じている。
故に、ますます、背筋冷えるんですけどー。
教皇に殴られたり、木に貼り付けられたりするんだけど、
それでも、全然、動じません。
そんなリアリオ伯。
今後、妻カテリーナ出てくるんかな・・・。非常に、興味あり。
史実では、ロレンツォの宿敵って感じですが、
ドラマでは、レオナルドとの対立が、色濃い感じ。
物語は、ローマ教皇とフィレンツェメディチ家の対立に、
レオナルドが巻き込まれてゆき、
レオナルドは、ローマとの戦いのために、武器を作らされたり、
同性愛の疑いをかけられ、牢獄に入れられたりする。
そうしながらも、生き別れの母親探しの謎や、
正体不明のトルコ人の残した謎を、解き明かそうとする。
このタイトルになっている「禁断の謎」が、
いまだ、私には、どういったものなのか、形となって見えてこない。
一体、どういった謎なんだろう・・・・・。
神がかり的な謎??もしくは、
歴史の一端とリンクしていくのか。非常に、興味深い。
レオナルドの若かりし頃を演じるトム・ライリーも、
回を重ねる事に、いい感じになってると思うなー。
特に、同性愛の疑いで、牢屋に入れられる云々のレオナルドは、
天才と、病気の紙一重的なところを、うまく演じているように思った。
レオナルドの若いとき・・・・と考えても、全く違和感がない。
どれだけ泥だらけになっても、どんな境遇であっても、
彼は、決して、諦めない。
常に何かを思考し、生み出す。
その、しぶとさ・図々しさ・鈍感さ。
すべて、持ち得ていたのだろうと、納得がいくほど。
彼が思考し、生み出す瞬間は、
理解出来ていなくとも、その瞬間を共有出来る。
これは、ちょっと褒めすぎで、大袈裟な表現かも知れないが、
未知なる人物レオナルドの、その天才の発想を、
時間を越えて、共有出来るような瞬間を味わえる。
同じように、中世ローマとフィレンツェの、雰囲気を、
存分に味わえる。
それが、このドラマの1番の成功ではないかと思う。
さて。
それはそうと。
このドラマのテーマソングは、私のお気に入りなのだけど。
レオナルドの鏡文字にちなんで、この曲は、回文構造になってるんですってよ。
つまり、逆からひいても、テーマソングになるんですってよ!
私、音楽については、ほんと無知なんで、
何度聴いても、「これを逆に聴いたら、ホントに、同じなんかな」と想像も出来ませんが。
・・・というか、ドラマで使われてるのは、全曲じゃないから、
わかんないのかな・・・・。
ともあれ、
何と言うか、粋なことをしてくれるじゃありませんか。
レオナルドの発明ノートが、鏡文字で描かれているのは有名な話で、
左利きだから・・・とか、暗号説とかあるみたいだけど。
私は、「天才のなせる技よねー」と思ってたりする。
天才は、脳の構造が、どっか、普通じゃないんだから、
文字が鏡文字でも、何の疑問も沸かないもんです。
しかし、音楽も、映像も、
立派にレオナルドを表現してる、レベルの高いドラマだなーと改めて感服。
後半も、どっぷり、この世界にはまりたいもんである。
にほんブログ村