たんたん狂歌191「教訓」再掲
コバンザメという魚がいる。これを調べると、頭がまるで大判小判のように見えて、この吸盤のような仕組みでサメやカジキやクジラや、あるいはカメ等にくっついてお零れに与る生き方をしているらしい。
なお、名前に「サメ」と入っているが、本当はスズキの仲間という。そして、くっつこうとしたサメやカジキに食べられてしまうこともあるらしい。また、白身魚なので、食べれば美味しいとも言われている。
ちなみに、イソギンチャクとクマノミのような共存共栄の関係ではなく、コバンザメにはメリットがあるが、くっつかれた方は迷惑らしい。ただし、選挙が苦しい時のサメやクジラにしてみれば、コバンザメがどこかから票を持ってくる効果があるのかもしれない。
それはさておき、2022年夏に起こった元総理の暗殺事件を受けて、連立与党のあつれきを詠んだ狂歌を再掲しよう。
アザラシがいじめられてもたすけない ボクはアシカだ アザラシじゃない/ブログ主
連立与党の小さい方の或る責任者が、連立相手の大きい方の党三役が旧統一教会と関与したことで苦言を呈したらしい。
だいたい連立相手への教会の影響なぞ微々たるもの。他方で自分の党の方こそ、特定の宗教団体からの組織票で成り立っているだろう。
もしも、彼がマルティン・ニーメラー(1892-1984)の教訓を知っていれば、こんな他人事のようなことは決して言えないはずだ。まったくもって度し難いとしか言いようが無い。
個別具体の問題は問題として解決すればよいが、日本国憲法で保障された思想信条の自由や言論の自由を侵害するような同調圧力や、その場しのぎでやり過ごそうとする態度は必ず将来に禍根を残すだろう。
それにつけても、政治は難しい。それでも、政治は明るく楽しく、そして、素晴らしいものだ。