たんたん俳句十七句

 

 

ふるさとに帰れば雪のあたたかさ

 

東風吹かばスマホ画面を飾る花

花咲かば春をついばむメジロかな

菜の花や野良の背中を撫でている

お祝いの白を重ねて雪桜

鮮やかにつつじ彩る空き家かな

 

肺臓を春の嵐に曝しをり

金週に人出寂しきこいのぼり

夏野菜カレーをスプーン駆け抜ける

君からの宿題とけずかき氷

閑さや蝉の鳴きやみ雨をまつ

 

冠雪に笠雲のせて冬支度

エアコンもこたつみかんで一休み

湯豆腐の底から泡の話しかけ

冬陽浴びプールに遊ぶ親子鴨

練乳を零して蒼き師走富士

 

静かさや結露を落とす除夜の鐘

 

 

(2023.8.18)

 

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