たんたん狂歌204「接触」

 

 

 十数年ぶりにクルマを買い替えた。最新のものはハイブリッドで燃費が良いらしく、また、高速運転において安心便利な機能も付いている。USB接続もできるので、スマホをつなげて色々と楽しめそうだ。

 

 それよりなにより、キーを差し込んで回すことなく、スタートボタンを押してエンジンをかける時点で隔世の感がある。また、様々な情報が凡そデジタルで表示されるのも面白い。ガソリン残量であと何キロ走行できるかを教えてくれるのも大変便利だ。

 

 

 それはさておき、ハンドルやらアクセル、ブレーキやらの操作に慣れるために、そろそろと近場のスーパーに出かけた。そして、平日昼間はがらがらの広い駐車場に、前後一台分を空けて停めた。

 

 ところが、愛車のエンジンを切ってすぐ、その後ろになぜか、わざわざバックで停めた奥さんが居る。いわゆる「ウシラー」である。ちょっ、これでは後ろに積んだ買い物カゴが出し入れしにくい(泣)。できれば空いている方に一列ずれてほしい、と声掛けする間もなく、その奥さんはさっさとお店に向かってしまった。

 

 

 しかたがないので、横のドアからカゴを出すことになった。なお、戻った際には後ろのドアから載せたいので、ちょっぴり長めに買い物時間をとった。クルマに戻るとウシラーは既に居なかったので、後ろからカゴを載せることができて良かった。

 

 と思っていたらなぜか、わざわざ一台空けた隙間に停めに来る奥さんが居る。いわゆる「トナラー」である。ちょっ、これではドアをゆったり開けて乗り込めない(泣)。それで、そのクルマが停まるのを待って、ドアを慎重に開けて、狭い思いをして乗り込んだ。とにかく買ったばかりの新車なので、気が気ではない。

 

 

 それにしても、狭いコンビニ辺りなら未だしも、広々としたスーパーの駐車場でどうしてこうもすぐ隣りやすぐ後ろに停める人が居るのだろうか。これも新型コロナの感染が収まって、「ソーシャル(フィジカル)ディスタンス」という言葉もすっかり忘れ去られてしまったせいだろうか。

 

 もしも、運転操作を誤って少しでも接触したら、修理やら保険やら面倒なことこの上なく、買い物上手な奥さんでも夕飯の献立を考えるどころではない。そこで、平日昼間の来客の少ない時間帯ならば、出来る限り余裕をもって停めることをお勧めしよう。

 

 

コロナ去り忘れ去られる「ディスタンス」 トナラーが来る ウシラーも来る/ブログ主

 

 

(2023.5.22)

 

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