「失踪日記」吾妻ひでお | コチラ カブトゴウ

「失踪日記」吾妻ひでお

偶然、書店で見つけて衝動買い。

 

雑誌で相原コージが絶賛していたのを思い出したのと、テーマが面白そうだったのと。

 

(それにしても、相原コージはすっかり自虐作家になっているんだなあ・・・あれって面白いんだろか?)

 

内容をざっと紹介すると、人気マンガ家だった吾妻氏が、89年11月、突然すべての仕事を放棄し、自堕落な生活をしばらく続けた後、鬱に襲われて山中自殺を図るが死にきれず、以降、雑木林などでホームレス生活を送るようになった……という実際にあったおなはし。

 

警察につかまって家に帰されたりもするが、結局また失踪したり、今度はアル中になって病院送りになったり……と、とにかく壮絶。

 

それが「夜を歩く」「街を歩く」「アル中病棟」という3本のシリーズになっている。

 

吾妻ひでおについては、「マニア受けしているマンガ家」くらいな印象しか持ち合わせていなかったので、バブル期あたりから10年以上に渡って、こんなにも苦しい生き方をしてきたとは、まったく知らなかった。

 

 

 

吾妻ひでおといえば、ロリコンの元祖、という印象もある。実際、作中で「女子高生が大好き」とも書いてるし。

 

ロリコンといえば、「奈良女児殺人事件」の初公判が続いている。被告は「女児とお風呂に入れてよかった」とか言っているそうだけど、あいつも吾妻ひでおは好きだったんだろうか?

 

そういえば宮崎勤が事件を起こしたのは、吾妻氏が失踪する一年前だったけど、そこまで関連づけたらちょっと強引かな?

 

でも、バブル期というものが(崩壊期ではなくて)いろんな人にショックを与えたというのは、やっぱりあるんだろうな、と思う。そう思うと、今でも「景気回復」って声高に言われている様が、なんとも無邪気なように見えなくもないような(どっちだw)。

 

 

 

読後の感想としては、実際はもっと悲惨だったそうだけど、「案外楽しそうだなあ」ということ。

 

つげ義春を読んでいても(そういえば、吾妻氏はつげファン)、種田山頭火(俳人)を読んでも、はたまた刑務所に入れられた体験をマンガ化した花輪和一氏の作品を読んでいてもそうなのだが、悲惨な状況が描かれているのに、読んでいるこちらは、なんだか楽しい気分にすらなる。

 

それは、それぞれの根底に、「孤独」をエンジョイする精神が流れているからなんだろうな、と思ってみたり。

 

こういうのって、男性作家が多いんじゃないか。

 

ということは、男って孤独が好きなのかなあ。

 

そうそう、ある意味この「失踪日記」って、ひとり旅の旅日記……というとらえ方が出来なくもないな。
著者: 吾妻 ひでお
タイトル: 失踪日記