おしっこのビデオ | コチラ カブトゴウ

おしっこのビデオ

こども向けのビデオを作っていると、意外な知識に出会うことがあります。
もう、常識と思っていたことが、実は全くの勘違いだったり……。
そういうことに出会うと、たしかにそれほど注意深く生きてきたわけではないけど、それにしてもいろんなことを見過ごしてしまっていたんだなあ、と改めて思わされます。
たとえば、おしっこ。
「おしっこってどうやってできているの?」というお題をいただきました。
なんで「おしっこ」がテーマになったかというと、「うんち」とか「おしっこ」って、とてもこどもの関心度が高いのです。で、その前年が「うんち」を扱っていたから、今年は「おしっこ」でいこうという……。
ま、まったく当然といえば当然な成り行きだったんですね。
で、そういうネタの場合、まずは小児科の権威と言われるような教授に監修をお願いしに行きます。
監修は、H先生という、学研の図鑑なども手がけてこられた、すごく偉いけどすごく優しい先生です。
そのH先生、テーマが「おしっこ」と聞くや、
「へー、おしっこね。ずいぶん難しいのをやるんだね」
え? 難しいんですか・・・?
「うんちっていうのは、食べたもののカスだから、まあわかりやすいけど。おしっこっていうのは、ホラ、血だからね」
??? 血……なんですか?
「血っていうのは、体中に栄養を運ぶものでしょう? だけど、水分とか、栄養素とか、余るわけだよね。そういう余分なものを体の外に出すのが、おしっこの役目なの。うんちは雑菌もうようよいて不潔だけど、おしっこっていうのはもう、この上なくキレイなわけ。だって、血なんだもの」
……ちょっとぼくの説明だけではわかりづらいかもしれませんけど、とにかく「うんち」と「おしっこ」は、出身が違うんです。身分がもう、全然違う。うんちなんかと一緒にされたら困るわけです。
この記事を読んでいる人の中に医療関係の方がいたら、「いったい、そんな当たり前のことでなにを騒いでいるんだ?」と思われるかもしれませんけど、普通、こんなこと知りませんよ!
いや、それはぼくが無知っていうんじゃなくて、だって周囲の、秀才な担当者の方も、聡明なスタッフも、誰一人知りませんでしたから。
ただ、たしかにかつて「飲尿健康法」ってあったけど、そうかあれって不潔じゃなかったんだ……とか思い出してみたり。
考えてみれば、「おしっこってなんだろう?」なんて、ごくごく身近なことをなんで不思議に思わなかったんだろう? なんてふうに、自分の知識欲のなさに、がっかりしたりするのです。
結局、「おしっこ」を扱ったビデオの反響は上々。
たった5分くらいのアニメだったので、どこまで知識が伝えられたかわかりませんけど、「おしっこって血なのよ」「おしっこって、血なんだ!」と繰り返していたから、すこしはおしっこの地位向上(うんちと一緒にするな、っていう意味で)に貢献できたんじゃないですかね。