- 須賀敦子 静かなる魂の旅---永久保存ボックス/DVD+愛蔵本/須賀 敦子
- ¥5,040
- Amazon.co.jp
イタリアの詩学などの研究者、須賀敦子さんのイタリアでの足跡をたどるDVD+小冊子『静かなる魂の旅』が9月に刊行されました。須賀さん、編者の中山エツコさんとも縁が深い大町さんからお借りして鑑賞しました。しかしDVD3枚組の永久保存版とは如何なることか。いまだに衰えぬ須賀さん人気です。内容はこれといってコメントすることもありません。須賀さんの綺麗な文章を引用しつつ、綺麗なイタリアを見せていく。須賀さんの足跡というよりは、ちょいマニアックなイタリア旅行ガイドDVDという感じでした。あとみなさんおほめになる須賀さんの美文ですが、正直ぼくには何がいいのかわかりません。どこがいいのか教えてください。
ところで小冊子のほうを読んで、びっくりしたことがありました。翻訳者ジョルジョ・アミトラーノが、須賀さんを文学者チェーザレ・ガルボリに引き合わせたときの話です。
その夜、ジュゼッペ・レオネッリというイタリアの評論家も含めて四人でレストランに行って食事をし、ガルボリさんは、普通親しい人にしか語らない、自分の人生のいろいろな話をしました。
ジュゼッペ・レオネッリ??どっかで聞いたことあるような…。あ!これおれの大学の文学批評の教授やん。というわけで久しぶりに大学に赴いてDVD片手にお話ししてきました。「須賀敦子ってイタリア研究者知ってますか?」というぼくに対しレオネッリ教授はたいへんうれしそうに、須賀さんについて語ってくれました。「敦子とは4日間くらいしかいっしょに過ごしてないけど、とても温かい人柄だとすぐにわかった。まだ話はじめて間もないのに、ずけずけと相手の心に入り込む話し方だった。ナタリア・ギンズブルグにも似た印象を受けたよ」とのことでした。美文も日本での絶大な評価もいまいちピと来ないぼくですが、楽しそうに喋るレオネッリ教授をみていて、須賀さんはここまでイタリア人の心をつかんでいたのか、と恐れ入ったのでした。イタリア人と話すとき、知り合うとき、外人である自分がどこまで相手の心の奥に近づけるか、ということは本当に重要で、難しいのです。(それはもちろんどの国籍でもそうなのでしょうが。自分の経験から話をしています)というわけでレオネッリ教授と話してようやく少し須賀さんの偉大さがわかったのでした。