10月後半はクリスマス商戦をにらんだ新刊ラッシュで、ウンベルト・エーコ、アレッサンドロ・ピペルノが400ページを超える大作を発表。その他にもアンドレア・バヤーニ、サンドロ・ヴェロネージはファンダンゴから新作を出しました。というわけで読みたい、読まなければならない本は山づみなのですが、それらを差し置いてなんとしてでも先にチェックしておきたかったのがニッコロ・アンマニーティのIO E TEです。『ぼくときみ』。映画『ぼくは怖くない』の原作者として知られる彼は、イタリアで今もっとも人気のある作家で、その特徴はなにしろ使う言葉が簡単で読みやすいということです。今回の作品が気になっていたのは、最近別メディアで記事を書いたYAにあてはまるものだと思ったからです。『ぼくは怖くない』同様、一人の内気な少年が精神的に成長していく物語で、イタリアのYAとして日本に紹介できないかと思ったわけです。

 読んでみた感想は、好きな部分と嫌いな部分があるなということです。簡単な言葉なのに上手に少年の気持ちを描写しているなと思う箇所が多々ありました。一方文章を読んで思い浮かぶシーンがあまりにも定型の映画的すぎて、アンマニーティったら映画化される前提で文章を書いているのかしら、とも思えたところがちょっといややったかなあ。でも主人公の行動、例えばママにキスをせがんだりするあたりが、イタリアっぽくていいなと思ったし、コンドミーニオの地下室に隠れたり、粗野な若者にからまれたりという周辺描写も日本のそれにはないものばかりで、日本語に訳したらなかなか楽しいかな、と思いました!
週間イントラモエニア