トリノのブック・フェアに行ってきました。といっても初日の5月13日の1日だけで、ブック・フェアは始まったばかり。これから盛り上がりそうな予感を感じさせる開戦前夜のリンゴット大ホールを早足でかけぬけてきました。だもんで週末に置かれた目玉となるイベントのいろいろも、間接的な知り合いミケーレの処女作も、エーコ、トラヴァーリオ、サヴィアーノの講演会も見ずにローマに直帰したわけです。やはりこのやうなイベントに参加するからには、じっくり腰をすえて連泊しなければならぬと心に強く思うのでした。唯一の収穫といえば、Fazi社のブースに張られたStanding Armyのポスター(写真下)でしょうか。ぼくが手伝ったドキュメンタリーDVDなのですが、いざリリースされるとなると、努力が形になった気になって感無量ですばい。
そんなトリノのブック・フェアが閉幕した翌日、5月18日ジェノヴァの病院で詩人・哲学者・文芸評論家のエドヮルド・サングイネーティが亡くなりました。79歳。ジェノバ県警は、発作のために救急で収容された病院側に不備があり、過失致死の疑いがあると、調査をはじめたらしいですが、とにかく亡くなりました。ウンベルト・エーコらとともに、前衛文学集団Gruppo63を設立、共産党に信奉する傍ら、詩や戯曲を次々と発表する。彼のキャリアを把握し包括するのは、付け焼刃の知識では難しそう。パラパラと昔のユリイカをめくってみると、来日もしてるんですね。九段のイタリア文化会館でジャズをバックに詩の朗読ですか。おもしろそうな人だけど、今のぼくには荷が重すぎるなあ。というわけで、最後に今日のRepubblicaの追悼記事で引用されていた彼の言を一つ。
「グラムシの獄中ノートは、異常な状況の中で生まれた。それはベルルスコーニ化した今のイタリアに最も相応しい書物である」(つづく)

