私の防災・その16 「避難=避難所へ行く」ではないのでは? | もえもえ育児ほぼ終了日記と障害児家族の防災ブログ

私の防災・その16 「避難=避難所へ行く」ではないのでは?

今回の台風はその規模や強さが今までに無いほどのものであると事前に報道されていましたね。
実際に被害が広範囲に出ていますが、もしも事前の報道がなかったらどれ程の被害が出ていたことか、考えるだけでも恐ろしいほどです。

ところで、避難情報が出された対象者の皆さん、避難されましたか?

我が家のもえもえのような障害児(者)や高齢者、乳幼児、妊婦、持病のある方等は災害時要配慮者とされています。
いわゆる「災害弱者」ですね。

今回の台風の報道を受けて、特に障害児の親御さん等が、避難所へ行っても迷惑をかけるから、とか、大声を上げたり大人しく出来ないから冷たい目で見られるから、とか、避難所ではトイレの問題や医療行為を行うのにも問題があるから避難できない、と書いている記事を複数読みました。

お気持ちはとても良くわかります。
我が家のもえもえも、普段は比較的穏やかですが、非日常の場所や突発的な変化には弱く、パニックを起こして突然大声を上げたり、泣いたり怒ったり、時には自傷行為に出たりしますので、出来るだけ避難所へは行きたくありません。

災害が起きて、自宅で過ごせなくなってしまった場合は避難所へいかざるを得ないでしょうから、出来るだけ避難所には障害があっても問題なく過ごせる設備と災害弱者を排除しない温かな空気を望みます。
ですが、以前に比べて改善されつつあるとはいえ、今はまだまだそこまでは行っていないと思わざるを得ないです。

災害弱者は基本的に「高齢者等避難準備情報」が出たら避難することになっていますね。

でも、この「避難」は「(行きたくもない)指定避難所へ行かなければならない」ではないと思うのです。

大事なのは

「命を守るための最善の行動を取る」ではないでしょうか。

ですから、自宅のある場所、自宅の強度に問題がなく、身の安全に不安がないのであれば、避難所へ避難する必要は全く無いと思います。

ただし、その場合は自宅で最低でも3日間、出来れば1週間以上助けが無くても自分達で過ごせるだけの備えをすることが前提です。
避難所にいれば、支援も入りやすいのは確かですから、在宅避難の場合は支援が入るのが多少遅れることも覚悟する必要はあると思います。

でも、これは災害弱者だけではなく、健常者でも同じではないでしょうか?

実際問題、特に都市部の場合は、指定避難所に地域の住民全てを受け入れられるキャパシティは無いと思いませんか。
自宅が安全ならそのまま留まるのが自分にとっても、やむを得ず避難所を利用する人々にとっても避難場所の余裕を作ると言う意味で、安全快適な「最善の避難行動」ではないでしょうか。

今回、我が家は「在宅避難」を選択しました。
自宅の安全確保がしてあったこと、備蓄や停電、断水対策もできていたこと、そして、事前に開設された避難所がもえもえ連れて歩いていくには遠かったことなどから総合的に判断しました。
地域の小学校が避難所になるのであれば、自治会や子ども会などで知り合った人達もいるでしょうから心強いですし、もえもえもイベントや居住地校交流等で何度も行ったことがありますから、避難準備情報が出たら避難するつもりでした。
でも、実際に開設された避難所は遠くてもえもえも慣れていないし、車で行った場合、駐車場が狭くて恐らく車を置いておけない。
それならば、もえもえにとって一番安全快適な自宅での避難を選択したのです。

冠水や内水氾濫位なら、せいぜい床下から一階部分の被害で済むはずなので、基本的には二階で避難生活をおくれるように準備。
大きな河川の氾濫の可能性もありますが、自宅の屋上は堤防より高くて水が来ないので、最後の避難場所は自宅屋上と決めての「在宅避難」でした。
台風の間は河川の水位変化や流域の雨量等に気を配りつつ、万が一の時には屋上に即逃げられるように備えて過ごしていました。
幸い、水位に大きな変化はなく(台風一過の今日になって多少上がりましたが)もえもえも外に出られないだけでいつも通りの一日を送ることが出来ました。

勿論、今回の我が家の選択が絶対とは思いませんが、結果的に一番良い「避難行動」だったのではないかと思っています。

自宅のある場所、自宅の強度に不安がある場合はどうでしょう?
危険と知りつつそこに留まりますか?
指定避難所へ行かずに済む避難方法は無いでしょうか?
例えば、安全が確保できる親戚や知人の家に身を寄せる、車中泊が出来るのであれば安全な場所に車ごと移動してその中で過ごす、お金の問題はありますが、いっそのことホテルや旅館などに宿泊する等ですね。

自宅での在宅避難やホテル等への宿泊避難、車中泊は「自助」にあたると思います。
親戚や知人の家に身を寄せるのは「自助」&「共助」
指定避難所は「公助」

ご自身やご家族の状況に柔軟に合わせられるのは「自助」➡「共助」➡「公助」の順番だと思います。
「公助」はやはり最後の砦。
全ての人に開かれている分、個人の状況に合わせたオーダーメイドの助け方はなかなか難しい。

出来るだけ自分達らしく過ごせる「避難」考えてみませんか。