能「道成寺」(替装束)~三人の会@観世能楽堂~ | 和結の会(わむすひの会)ブログ

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日本が世界に誇る芸能として発展を遂げてきた
650年以上伝承されている「能楽」を通じて「魂の目覚め」「和の精神性」「しなやかな生き方」などを体験できる会として発足。能楽師による能狂言WSやお囃子体験・定期的な観能など実施。

 

 

 


 
【川口晃平独立十五周年記念 三人の会】
 
今年の春くらいから
とても楽しみにしておりました
三人の会主宰者でもあられる
観世流シテ方の川口晃平氏による
能「道成寺」
 
『三人の会』は、能楽シテ方観世流の谷本健吾氏(銕仙会)
坂口貴信(観世会)・川口晃平(梅若会)による三方で運営されている会です。
 
なんと、本年より3年間にわたり「同人」それぞれが
周年の年をお迎えになるとのことで
一年にひとりずつ「道成寺」を上演されるとのこと。
 
今回、トップバッターが
川口晃平氏。
 
鐘後見には、川口氏のお師匠様でいらっしゃいます
人間国宝「梅若桜雪」氏が。
「鐘後見は、もう最後かも…」と
事前のご解説の時に川口氏がおっしゃってました。
 
道成寺の他の番組は、以下となります
(HPより引用させて頂きました)

舞囃子 小袖曾我(こそでそが)
    谷本 健吾
    坂口 貴信
     
 
小鼓
大鼓
竹市  学
鵜澤洋太郎
原岡 一之
     
  地謡 観世 喜正
観世 淳夫
観世三郎太
松山 隆之
鵜澤  光
 

一調 雲林院(うんりんいん)

    梅若  実
     
  大鼓 亀井 忠雄

仕舞

難波(なにわ) 梅若長左衛門
菊慈童(きくじどう) 梅若 紀彰
地謡 谷本 健吾
坂口 貴信
林 宗一郎
安藤 貴康
能 道成寺 替装束(どうじょうじ かえしょうぞく)
前シテ 白拍子 川口 晃平
後シテ 蛇体   〃 
ワキ  道成寺従僧 宝生 欣哉
アイ  能力 三宅 右近
〃  〃  三宅 近成
     
 
小鼓
大鼓
太鼓
竹市  学
飯田 清一
亀井 広忠
林 雄一郎
     
  地謡 梅若 紀彰
観世 喜正
角当 直隆
観世 淳夫
坂 真太郎
坂口 貴信
林 宗一郎
安藤 貴康
     
  後見 梅若長左衛門
  山中 迓晶
  谷本 健吾
  鐘後見 梅若  実
  山崎 正道
  小田切康陽
  松山 隆之
  小田切亮磨

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

素敵なお花と掛け軸が♡

 

 

やはり大曲である「道成寺」のときは

見所もなにか、よき緊張感があり

とても良き空気感でした♡

 

 

わたくしは、安定の脇正面席♪

 

脇正面が好きなのは

地謡のエネルギーを存分に浴びることができること

演者様の身体の使い方が、とても良く感じることができること

お囃子方の気迫、熱量、腕、指などの使い方を観ることができること

 

等々、わたしが感じるということだけなのですが

そんな理由でいつも脇正面です。

 

時には、正面席から拝見することもありますが

自分でお席をとるときは、脇正面が多いですかね。

 

能楽仲間の伸子様と💖

 

・・・

「道成寺」は、何度見ても

観る前から、胸の高まりが抑えられなくて…

終始、ドキドキ。

 

今回、川口晃平氏の「道成寺」

個人的な感想になりますが…

 

前場から、ずっと哀しげ…な感じがしました。

暗いとかいうことでなく

情念というか、くやしさというか

 

後場では、蛇体となり

山伏に対抗しますが、それさえも

儚くて、悲しくて、、

 

ドロドロとした蛇体でもなくて。。

そのなんともいえない情念を内に秘めながら

日高川へ姿を消しましたが…

 

幕へ帰っていかれるときの

あの雰囲気、すごかったですー

 

力尽きた蛇体を

引きずるように幕へ

 

でも、まだ情念が沸々と湧いているような

そんな幕切れでした。

 

この幕引きの場面が

個人的に、一番怖かったです💦

いやー-、すごかったです!

 

今回、小書き(特殊演出)で

『替装束』とありました。

 

秘技秘伝によって作り上げられた道成寺。

川口氏は十年前に初演したが、今回は独立十五周年ということで

なんと!『梅若家にしかない「替装束」の特殊演出』とのこと。

 

後シテの鬼の面が、

そりゃ。。もう怖くて、怖くて💦

川口晃平氏の型の美しさやキレなども相まって

余計に怖かったです・・はい。。。

長袴も、通常は赤であったような記憶ですが

今回は、濃い目の緑色でした

道成寺では、はじめて拝見した

長袴のお色でした!

 

川口晃平氏に、よく似合っていらっしゃいました♪

 

・・

一調 雲林院 

梅若桜雪氏、亀井忠雄氏

 

なんだか、空の上で

きもちよー-く、お聴きしているような

そんな時空を超えた一調のように

わたしは感じました♡

 

兎にも角にも

川口晃平さん、独立一五周年誠におめでとうございました!!!