ルピナスの色 | La gioia della vita ~ぴんぐのいちにち

ルピナスの色

毎年めぐってくるこの日に、
思い出す場面が毎年違う。

今年は妙に、
あのてんこ盛りのルピナスの花束の
鮮やかな色色がよみがえった。

彼女の友人たちが次々次々と、
皆一様に胸いっぱいのルピナスの束を抱えて
会いに…お別れに来てくれた日。
あれは北見の慣習なのだろうか。

農地で栽培され、
畑に巻き込まれて畑の栄養になるという
ルピナスの花言葉は「献身」だそうだ。
優しく、たくさんのひとに愛された
彼女の人生そのままに。

花の色は、なんと熱にも焼かれず
骨に移り残った。
彼女の最後の欠片に
彼女の友人たちが永遠に刻んでくれた友情は
淡いピンク色、
彼女の大好きな色だった。