心が温まる作品〈ダディ・ロング・レッグズ〉 | じろぱ ma-dang

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JYJが好きです。
三人のこと、日々のことをひっそりと綴るma-dang(庭)です。


 

ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』

 

配信で観ました!

 

 

 

原作はジーン・ウェブスターの「あしながおじさん」

 

脚本演出はジョン・ケアード

音楽・作詞はポール・ゴードン


出演者は二人のみ

ジャーヴィス・ペルドルトン:井上芳雄

ジルーシャ・アボット:上白石萌音

 

最後はハッピーエンドと分かっていても、それまでの過程がとても楽しめる作品だった。

 

ジルーシャの手紙を軸に話が進んでいくのは、書簡体小説である原作と同じ。

 

小説と違うのは、初めから“あしながおじさん=ジャーヴィス”と種明かしされていて、受け取ったジルーシャの手紙を読んでのジャーヴィスの反応も逐一挟まれていくということ。

 

だから双方の心の積み重ねやお互いに惹かれていく様がわかりやすかった。

 

 

 

  芳雄ジャーヴィスと萌音ジルーシャ

二人とも役にピッタリ!!

 

これまでジルーシャ役だった坂本真綾さんがご出産ということで、今回は萌音さんがキャスティングされたようだけれど、本当に適役だと思う。

 

真っ直ぐさとユーモアを備えた溌剌としたジルーシャが何といっても愛らしい照れ

 

萌音さんは3月に舞台『千と千尋の神隠し』を拝見したのだけど、その時もまんま千尋じゃん!と、小学生も違和感なしの演技力に感嘆したのだけど、今回も安定の演技力にさすがだなぁと感心しきり。

 

他の役どころを声色を変えて演じる箇所がいくつかあって、これが本当に見事だった!

 

歌声は素直な声質だから耳馴染みが良いし、ストレートに歌詞が頭と心に入ってくる♪

 

何よりも秀逸だなと思ったのは演技の延長のようなシームレスな歌の入り。

 

 

物語は序盤の少女から終盤は大人の女性へ。萌音ジルーシャも成長が鮮明に見て取れて、ラストのジャーヴィスがダディ・ロング・レッグズだったと判明するシーンは、芳雄ジャーヴィスとの年齢差を感じさせない程の堂々っぷり。もはや芳雄ジャーヴィス、年下のよう(盛り)

 

文才を活かし小説家として花ひらかせようとするのも、さらには孤児院改革も視野に入れようとするのも、単に与えてもらうだけで終わらせず、自立することこそ恩返しと逞しく生きようとするのがいいじゃない。

観ていて気持ちいいし応援せずにはいられない。


あのくりりんとした瞳の表情が、台詞や歌詞が無くても雄弁なのよね。

 

目を見ると心情がありありとわかるのよ。時どきハッとするほどに。

 

 

芳雄さん、すっかり大人になって(しみじみ)

 

芳雄さんというとモーツァルトやエリザベートのイメージがあって、多くはないけれど他にもミュージカルやストレートプレイで何作品か観ているのだけれど…

このジャーヴィス役、かなりのハマり役よね。

 

さすが2012年から何演も演じただけあるなぁと…

って、今回私は初見なんすけどね。

 

芳雄さん、最近はテレビの露出も増えて、ラジオなどでもその毒舌ぶりが持ち味みたいになってますけどw

でもそこに本当の毒は無くて、あくまでもその場を面白くする手立てで、誰かを不快にするものじゃない。

 

そこに本来の育ちの良さが透けて見えるのよね。

 

そこがまさにジャーヴィス。いや、ジャーヴィ坊っちゃま。

 

上流階級という出自を疎ましく感じながらも、上から目線や傲慢さみたいなものが時々顔をだすジャーヴィス。

 

そのジレンマを嫌味なく演じられるのは芳雄さんだからかなぁと思う。

 

そしてジルーシャからの手紙に喜んで、拗ねて、狼狽して、嫉妬して、、、一喜一憂する様はチャーミングでもある。

 

少年っぽさも持ち合わせた大人の男性、しかもお金持ち。それって最強じゃんねちゅー

 

想いをこじらせちゃう拗ねっぷり、素敵可愛い紳士の芳雄ジャーヴィス、とても良かった!

 

 

 

 

東宝からお借りしました

 

何というか没入出来た要因は

多分二人のバランスが絶妙だったのだと思う。

 

年齢差のある恋愛は別に珍しくもないけれど、施すものと施されるものという関係性の中ではそれってどうなの??と猜疑心を持って観てしまうこともできるわけで、、、え?穿った見方⁈それは私の心が濁ってるからかしら真顔ソウダヨ

 

一見少女っぽさが勝るけれど、機知に富んだ大人女性の雰囲気も醸し出せる萌音ジルーシャと

 

一見ダンディな紳士だけれど、恋心に右往左往の少年っぽさが見て取れる芳雄ジャーヴィス

 

二人とも二面性を役柄に上手くのせていて、それが〈年齢差〉や〈与える側と与えられる側という立場の差〉も飛び越えて、単純に惹かれ合う二人として不自然さを抱かせなかったのかなと思った。

上手く説明できてない気がするけれど、何となくで察して笑い泣き

 

 

  ナンバー

“幸せの秘密” や “チャリティー” あたりが代表的なナンバーなのかな。

 

ガンガン歌い上げるようなナンバーは劇を通してないけれど、それがこの作品にあっているようにも思う。

 

感情が今!ほとばしってますっ!!

バァああああんっ!!

みたいな熱さも良いけれど、感情に寄り添った優しく綺麗なメロディーラインや歌詞がさめざめと心に響いた。

 

こういうの今わたしは求めてるの。どうやら夏の疲れが出ているらしいわ真顔

 

見つけた  幸せの秘密

急がない

嘆かない

相手の幸せを願うこと

瞬く間に過ぎる “今” を生きること

 

富める境遇でも埋められない虚無さを慈善という形に求めているようなジャーヴィスと

孤児院育ちで同級生の子たちとの教養や経験値の差に焦り落ち込むジルーシャ

 

境遇に嘆くより、目の前にある “今” に幸せを感じよう

二人の気付きが合わさった幸せの秘密リプライズのナンバーは本当に胸に染みた笑い泣き

 

 

 

  舞台

暗転がなく1、2幕通して同じセット

 

一段高いところにジャーヴィスの書斎、そこの書棚にどんどん埋められていくジルーシャの手紙。

 

あとはいくつかの大小のトランクが舞台上に散らばっているだけだ。

 

このトランクを出演者二人が場面に合わせて、並べたり重ねたり。

 

そこはジルーシャの部屋であったり、ニューヨークの街であったり、避暑地の山の頂きであったりと姿を変え、トランクに入れられている小道具を場面ごとに取り出していく。

 

きょうび、映像演出や特殊装置でリアリティの追求が舞台上でも可能になったけど、そういったものは何もない。とてもアナログ。

 

でもそれがいいと思う。

 

もちろん最新の技術で見る舞台もいいと思うけど、空白部分を想像で補完する事は、映像作品に無い舞台の楽しみの真髄な気もするから。

 

この辺り、徹底的にアナログにこだわった同じジョン・ケアード演出作品の『千と千尋の神隠し』でも共通するものがあったなぁ…

 

それにしても…

歌いつつ、芝居をしつつ、舞台セットも整えつつ、小道具もセレクトしつつ、出ずっぱりの二人で舞台を動かしていく。

 

役者ってすげーーー!!!びっくりびっくりびっくり

 

一度に幾つものタスクを同時進行なんて私には無理エヨ真顔

 

 

 

  チケット

配信してくれた事は本当に嬉しかった!

 

何しろこの作品、チケットが取れないのだ。

 

一体いくつ申し込んだか分からないほどに申し込んだ。

 

そして受け取る落選メールの数々メール

「厳正なる抽選の結果、お席をご用意することができませんでした」

 

お席ご用意してーーーー!

えーんえーんえーんえーんえーんえーんえーんえーんえーんえーんえーんえーん

 

日本版エリザベートでも思ったけれど、日本のチケッティングシステム

 

どうにかなりませんかね真顔

 

リセールというシステムも一部出来てきてはいるけどもさ、基本抽選。

 

要は運。

 


それと役者のFC枠ね。

 

それがなければ何のためにFC入ってるんだって話だけど、そこに入らないとチケットなかなか手に入りませんというのもどうなのって思うのですよわたくしは真顔

 

まあもし我が推しが日本のミュージカルに出演とかする場合は、、、

がっつりFC枠狙いでいきますけど笑い泣き矛盾まみれ

 

でも、広く、敷居高くなく、色んな人が観られるように、偏りがなるべく少ないチケッティング方式ってないもんかなぁと常々思っておりますですハイ

 

となるとやはり韓国方式なのかねぇ

 

次狙うはコレ

こりゃまた激戦だろね笑い泣き

 

頼んだよ、私のチケット運!

 

 

 

  ハッピーエンド

何しろほら、この前に観たのがミス・サイゴンだったので笑い泣き

 

ダディ・ロング・レッグズのハッピーエンドはホント染みましたわ。

 

やはりこういった作品で時々心を温めないとねデレデレ

 

演者が二人だけだからこそ、心の内や重なりが丁寧に紡がれていくし、限られた空間だけど情景が思い浮かぶ広がりも感じさせるこの作品。

 

笑いも随所に織り込まれ、ちょっぴり泣けて最後は心豊かにハッピーで終われる。

 

最高じゃん!マンセー!

 

 

配信を観て満足する作品もあるけれど、この作品は配信をみたら余計に劇場で観てみたくなったかも。

 

次こそは必ず!!グー

 

次の再演に向けてチケッティング闘志をメラメラメラメラと燃やすのであった。

これがホントの燃えじろぱニヤニヤなんつて

 

 

 

そして我が推し

 

いつかこんなハッピーエンド作品に出てーーーー!

 

才能に押し潰されて死んだり、愛する人に刺されて死んだり、自分の美しさに固執して死んだり、正義ゲームに命かけて死んだり、、、

次回作も愛する相手の元婚約者に恨み買って死ぬじゃん、そして今は“死”そのものじゃん。

 

死にすぎです。

 

絶対いつかハッピーエンドの楽しい作品でシアわせの涙を流させて頂き鯛笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

韓国エリザベート開幕しましたね

その妖艶さでシシィを死にいざなってください

10周年公演がんばれ!

 

 

 

 

 

 

アーカイブで観られるのは9/7の23:59まで。

ダディ・ロング・レッグズ

心が温まる素敵な作品、お勧めですデレデレ

 

アーカイブありがたや。


もう1、2回観てみよう!