
『BOB DYLAN / SLOW TRAIN COMING』
あの悪名高きキリスト期の『ゴスペル三部作』の一つ『スロー・トレイン・カミング』
ついに入手してしまった…。
補完計画の記念すべき第一回で取り上げた『セイヴド』『ショット・オブ・ラヴ』と合わせ、これでキリスト期コンプリート達成である。

しかし補完計画も85年の『エンパイア・バーレスク(ちょい悪ディラン)』まで踏破した今となっては、キリスト期はまだマシという気もしてくる(笑)
どうやらキリスト期の悪評というのは、その音楽性によるところよりも、ディランの奇行の数々(突如の改宗、ライブのMCでは神父様気取りで長々とお説教。ファンの望む代表曲は一切披露せず、歌うのはゴスペルばかり…等)によるところが大きいようだ…。
ジッサイに聴いてみると、そんなには悪くないです(笑)裵ちなみに、ディランのアルバムはデビューからキリスト期の直前までは、そのほとんどにディランのポートレイトがあしらわれたデザインになっていたが、画像を見ればわかるように、なぜかこの『ゴスペル三部作』については意味不明のイラストジャケになっており、別名『イラスト期』とも呼ばれている。

どアップの顔ジャケ(それも左斜めの角度がお気に入り
)が極めて多い、自分大好きディランなのに、なぜにこの妙なイラストをジャケットにしたのか…?これは推測だが、そこには二人の偉大なロック・スターの死が絡んでいるのではあるまいか…?
デビュー当初から『フォークの神様』として神格化され崇められていたディラン。
しかしディランはいつだってそんなレッテルを嫌い、60年代のロック・スターの多くが命を擦り減らしていく中でも、飄々とマイペースに70年代の風を肩で切って歩いていた…。
ところが、77年にエルビス・プレスリーが死亡、80年にジョン・レノンが暗殺されると、ディランは突如カウンター・カルチャーの矢面に立たされてしまう…。
もはやディランが飄々とマイペースに生きるのを世間が許す状況ではなくなったのである。
ジョン・レノンとエルビス・プレスリーという二人の偉大なロック・スターの死を目の当たりにして、ディランが「次はオレの番かも…。」と思ったとしても不思議ではない…。
その、レッテルを貼られたり神格化されることを人一倍嫌う男にとっては、まさに危機的な状況で苦し紛れに捻り出されたウルトラCが、この『キリスト期』であり『イラスト期』だったのではなかろうか?
レコード・ジャケットからは、ご本尊となりうる肖像を抹消したうえで改宗し、自らが神を崇めて見せることで「自分は神ではない(♪IT AIN'T ME BABE,NO,NO,NO♪)」と主張していたような気がしてならない…。

とまれ、中古レコードの品揃えも流石の充実ぶりを誇る東京・下北沢では、2枚のディラン音源を含む合計9枚のレコードの発掘に成功。
ホクホク顔でシメのお茶をしに訪れたのは、カフェ『トロワ・シャンブル』なんと、あの映画『冷静と情熱のあいだ』のロケ地にもなったお店だそうです。
ジャズの流れる店内は、まさに映画のワンシーンのような素敵な雰囲気!
こんな感じ。

普段は恋愛映画など全く観ないのですが、せっかくなのでDVDレンタルしてみました(笑)
しかし、10年前に別れた恋人がいまだに忘れられないとか言う女々しい男が主人公のこの映画…
世間では、これを純愛と呼ぶんですか?
正直いうと僕には全く理解不能でしたが…(笑)
旅先においても補完計画の任務は忘れていません!
そんなこんなで、恐る恐る聴いてみた『武道館』は…なんか昭和のカラオケみたいだった…ライブ盤なのに(笑)
映画『サタデー・ナイト・フィーバー』の公開が77年で、この『武道館』は78年2月~3月の来日ツアーを収録したものなので、流行にいち早く反応したとも言えるが…やはり、ディランとディスコでは相性がいいとは言えないだろう…。
この白いフワフワした王子様風の衣裳と、顔には化粧まで施した出で立ちからも、ディランのご乱心ぶりがうかがえる(笑)