日陰の歌

日陰の歌

古いアイドルの代表曲でも有名曲でもない、かといって隠れた名曲というわけでもない個人的に大好きな楽曲についての戯言ブログ、
だったのですがネタ切れ気味。最近のアイドルソングなどについて語っております。基本的にあやふやな記憶に基づいてのぼんやりした独り言です。

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2020年1月1日から12月31日までに発表されたアイドルソングの個人的ベスト20です。

去年は10曲だったんですけど、2020年で20曲という文字の並びが良かったので20曲にしました。1グループ1曲縛りにしたので、なかなか選ぶの大変でした。(それ以上に1曲づつコメントつけるのが…)

去年同様、一応順位はつけましたけど、去年同様、今現在の気分なので、明日になれば変わるくらいの適当なものです。

それでは前置きはこれくらいにして、紹介していきましょうかね。

(公式のMVまたはSpotifyに曲が配信されていればそれを紹介していきます)

 

 

20位 キミノマワリ。 『カタオモイ=導火線』

 

 

この曲が発表されたときは7人グループだったようですが、今は4人卒業して3人加入して、結果6人組になってるんですかね。

2020年はコロナ禍でアイドルだけでなく芸能の仕事に見切りをつける人も多かった年ですからね、大変な一年でした。まだ何も解決してませんが。

まあそういう事と関係なくアイドルグループは人数の増減はしょっちゅうですけどね。

それはともかく、この曲は軽快なテンポのノリの良い曲です。EDM系?とは違うような気もするけど、まあとにかく音的にはエレクトロなポップミュージックな感じです。音楽ジャンルの細分化が激しいのでもうなんといいっていいか分かりません。

サビの途中で転調するのが印象的で、サビの最後の歌詞“なくなるよりわ”の最後で、「わぁん↓」て感じでドロップするのがなかなか色っぽくて好きです。

 

 

19位 いぎなり東北産 『Trophy Girl』

 

 
いぎなり東北産は、熱い魂の籠ったパフォーマンスが特徴のグループです。しかも結構ユーモアというものを大切にしてるのが個人的には好きです。(最近は色々なタイプの楽曲あるようですが)
そういう中にあって、この曲はとにかく“可愛い”方向に振った曲となっています。
最初に聞いたとき、「なんだかおニャン子クラブ時代の後藤次利さんの曲っぽい感じがするなあ」と思い、そうツイートしたのですが、作曲したジントシオさんから「後藤先生の曲は大好きです!」とリプライいただきましたので、それほど間違った受け取り方でもなかったのかな、とも思います。
 
 
18位 美味しい曖昧 『あまあま』
 

 
桜エビ~ず(現ukka)の代表曲の一つ『灼熱とアイスクリーム』の作詞作曲コンビによる曲です。といっても曲調は同じコンビによる『お年頃ディスタンス』の方が近いですね。ファンク・ロック系の楽曲となっています。
美味しい曖昧さんの曲はサブスクにある曲しか知らないのですけど、歌詞が全体的にダウナー系で、個人的にはちょっと苦手なんですよね。でもまあ、この曲はそれほどでもないし気に入っています。
個人的にちょっと良いなと思ってるのが、メンバーの切兎うずめさんの歌い方。ちょっと舌っ足らずでちょっと投げやりな感じで歌うのが良いです(褒めてます)。こういう歌い方出来るのも才能だと思うんですよね。
 
 
17位 さっきの女の子、 『という物語 Neo IdolJazz take.』

 

 

とにかくね、バックトラックがかっこいい。2020アイドルソング・バックトラック・オブ・ジ・イヤー1位です。今作った賞ですけど。
この曲のインストバージョンはこのブログの別の記事でも紹介したのですが、それくらいマジでかっこいいです。
さき女さんはいい曲をたくさん持ってるんですが、残念ながらグループのメンバーが安定しないんですよね。このMVでも、登場してるメンバーのうち2人が卒業しています。そういう感じですので、ライブ活動の停止期間が結構多い印象でもったいない気もします。その辺は色々と難しいですけどね。
 
 
16位 ピューパ!! 『Vanilla‐Album ver.』
 

 
この曲を聴くと向井秀徳さん(ZAZEN BOYS、元ナンバーガール)の言ってた言葉を思い出す。とあるメディア(どんなメディアだったか覚えていない)で「ナンバーガールはボーカルの音量が低いような気がするのですが何か理由はあるのですか?」という質問に対して「ボーカルも他の楽器の音と戦わないといけない。だからあえてボーカルの音量も他の楽器に合わせている」と答えていた記憶がある。
何を言いたいかというと、この曲もボーカルの存在感がアイドル曲にしては低いのだ。初めて聴いた時は「この曲はギターのリフを聞かせたい曲なのか?」と思ったほどだ。
一度聴いてもらえれば私の言ってることが分かると思う。
 
 
15位 PANDAMIC 『good dayなday』
 

 
メンバー全員が中学生のグループ。印象的だったのが、去年のオンラインTIFでMCなしのぶっ続けで6、7曲のライブをしてたのですが、それが非常に良かったです。ちゃんと生歌でハモリもしっかりしてて、年齢を考えると伸びしろが凄そうで今後に期待しちゃいます。
曲はロック系。ファンキーなポップ・ロックといった感じでしょうか。でもロック系といってもゴリゴリの路線ではなく、どの曲もかわいらしくポップに仕上がっています。
個人的にはもうちょっと注目されてもいいグループだと思ってるんですよね。
頑張ってほしいです。
 
 
14位 ユレルランドスケープ 『上海ガールズ』
 

 
ギターの音が良すぎ。
本当はこの曲ではなく『mellow』という曲にしようと思っていたのですけど、MVが2019年に発表されているのでこの曲にしました。
この曲だけでなく、グループの曲全部がものすごく上質なシティ・ポップで初めて聴いた時ちょっと驚愕しました。ちょっとアイドルとしてカテゴライズしていいものか躊躇します。
あ、決してアイドルが下とかそういう事ではないです。活動形態がアイドル的なのかどうかちょっと気になっただけです。
 
 
13位 彼女のサーブ&レシーブ 『ドキドキ エデンの恋ひらり』
 
初めてこのグループを知ったときは困惑しました。なにしろコンセプトが謎。2人組のユニットなのですけれど“彼女のサーブ”と“彼女のレシーブ”というそれぞれがソロで活動しつつ、2人揃ったら彼女のサーブ&レシーブになるというちょっと難しい仕様。
“フューチャー・テニス・アイコン”とかいうキャッチコピーがあるらしいのですが、意味不明。ひょっとしたらテニス関係のタイアップ企画で出来たグループなのかな?とも思ったのですが、どうやらそうでもないらしいのです。
だとしたらなぜテニスに拘ってるのかが分からない。少し前までは衣装がテニスルック(ラケットも持っています)だったのですが、今はそうではないし…。
しかしながら曲がとにかく良くてですね、そこがまた困惑の原因だったりもするんですよ。可愛くてちょっと懐かしめ、80年代から90年代のアイドルソングっぽいシティポップとでもいうのでしょうか、とても良いです。
この曲は2ndアルバム『kanosare』に収録されているのですが、MVも無く、今のところサブスクにも無いのでCDを買うしか聴けません。聴いてほしいのですが残念。仕方がない。
興味ある方は、1stアルバム『SERVICE ACE』がサブスクにあるのでそちらをぜひ聴いてみてください。名盤です。
 
 
12位 O'CHAWANZ 『10O'CLOCK』
 

 
クラウドファンディングにより制作された2ndアルバムに収録されている曲になります。
実は僕もこのクラファンには参加したのですが、無事目標が達成されて本当に良かったと心から思います。それくらい良いアルバムが出来上がりました。
O'CHAWANZの何が良いかってね、ラップを歌うヒップホップ・グループなのに既存のヒップホップ・グループのようなステレオタイプなヒップホップ感やノリみたいなのが無いところ、なんです。まあゼロではないですけどね。極めて薄い。
なにしろグループ名が「O'CHAWANZ」(おちゃわんず)ですよ。お茶碗。ご飯をよそってもりつける器ですよ。格好なんかつけてないめちゃくちゃ日本の生活に溶け込んだ日常アイテムじゃないですか。
絶対に、ちょっと浮世離れしたステレオタイプなヒップホップ感からの脱却を目指してつけたグループ名なはずです。
そしてリリックもメンバー自身が書いていて(このアルバムからかな?)彼女らの日常の風景、気持ち、考えが気取らずに綴られていて共感が持てます。
まあなにしろね、メンバーの個性自体が素晴らしく、とくに、しゅがーしゅららさんは凄いです。1stアルバムに入ってる『夏の話』というお話があるんですが(曲ではなくて本当にただのBGMも何もない語りです)その内容たるや、夏のナイトプールのいかがわしさをひたすらしゅがーしゅららさんが語るという素晴らしいトラックですからね。最高です。

おっと、本題とは違う曲(?)を紹介してしまった。
誤解しないでほしいのは、O'CHAWANZは決して色物的なグループではないということです。バックトラックもオシャレでかっこいいし曲は本当に良いです。
とにかく、既存のラップ曲はいまいち好きじゃないなあ、とか、もっと緩い感じのラップ曲ないかなあ、と思ったことある人にはおすすめです。いや本当に。
 
 
11位 FRUN FRIN FRIENDS 『檸檬色の爆弾』

 

 

元avandoned(あヴぁんだんど) の二人によるユニット。avandonedで紆余曲折あって活動終了。その後に2人でFRUN FRIN FRIENDSとして活動スタート、で合ってるんでしょうか。よく分かりません。avandoned時代の後期はセルフプロデュースでやってたらしいですが、このユニットもそうなんでしょうか。よく分かりません。
よく分からないのですが、曲は大変気に入ってます。特に、なゆたあくさんの声は声優のこおろぎさとみさんの声を彷彿とさせ、ちょっとクセになります。
 
 
10位 クマリデパート 『SUN百6じゅ~GO!日ッチ☆』
 

 

2020年のクマリデパートの代表曲といえば『ネコちゃんになっちゃうよ~』だと思います。「2020アイドル楽曲大賞」のインディーズ部門でも2位になりましたしね。私も過去記事『2020上半期アイドルソング7選』では『ネコちゃんになっちゃうよ~』を選んでいました。

けれども、何と言いますか、『ネコちゃん』は飛び道具的というか、ちょっとズルい感じがしません? いやまあ、そういうのも全然ありなんですけどね笑

それともう一つこの曲を選んだ理由がありまして、クマリデパートは2020年、4人から2人の新メンバーを加えた6人への体制変化があったのですが、この曲が6人体制初の曲だったんですね。この体制変化が本当に良い意味で大きかったと思うのです。

新メンバーの馴染みっぷりも早かったですし、6人並んだ絵面が一気にメジャー感が出てきた感じがしました。ステージ上でもより華やかになって、元々あったクマリデパートの楽しさがさらに増幅した、って感じです。

でその楽しさを存分に味わえるのがこの曲というわけです。クマリデパートのステージを実際に現場で見たことはありませんが、配信を見るだけでもその楽しさ可愛さは存分に味わえます。

クマリデパートはひょっとしたらひょっとするかもしれません。

 

 

9位 Ringwanderung 『La La』

 

 

グループ名は「リングワンデルング」と読みます。通称「リンワン」。

2021年に間違いなく飛躍するであろうグループだと思います。覚えておいて損はいないはずです。

2019年11月にデビューしたので、まだ1年ちょっとの活動歴しかないのですが、現時点ですでにかなりのクオリティーを見せています。5人全員ちゃんと歌えるというのが凄く強い。おまけに可愛い。最高じゃないですか。

曲は“鍵盤ロック”と公式でも言っています通り、鍵盤のフレーズが印象的なロック系の曲です。ギターもなかなか良いです。

今のところ代表曲は『ハロー ハロー』だと思うのですが、『ハロー ハロー』はユニゾンが全くなく一人づつ歌っていく形となっているので、ユニゾンも好きな私は今回はこちらの『La La』を選びました。発表されている曲どの曲もクオリティーが高いので、どの曲選んでもよかったんですけどね。

 

 

8位 neance 『sekisho』

 

 

neanceの楽曲のメイン作家である佐藤嘉風さんは本当に才気に溢れている方だと思う。作る曲の幅がもうとにかく広い。

AI美空ひばりさんの曲を担当されたように、元々?は懐かしい感じの曲を得意とされていた方だと思うのですが、neanceに提供されている曲はそういう懐かしい感じの曲からアヴァンギャルドな実験的とも思える曲まで様々。私の2019年のベスト10を選んだ記事では1位にした『ハーバームーン』はアヴァンギャルドな路線のラップ曲だったんですが、今回選んだこの『sekisho』は少し懐かしい感じもする曲になっています。

ギターのフレーズが非常に印象的で、美しいメロディーに可愛い歌詞の可憐な一曲となっています。

 

 

7位 寿々木ここね 『スイート・セレブレーション!』

 

 

可愛いってこういう事でしょ?

 

 

6位 ukka 『恋、いちばんめ』

 

 

歌物の楽曲というのは「歌詞」「曲」「編曲」という3つの要素で出来上がってるわけですが、一般的に曲を紹介するときは“作詞作曲”といった2つの要素しか紹介されないことが多いです。

ですが、作詞作曲と同じくらい、いや、場合によってはそれ以上に楽曲にとって編曲というのは大切だと思います。

人に例えれば、作詞作曲が生身の体なら編曲は衣服。何を着ても格好いい人もたまにはいますが、大抵の場合、着るものによって相手に与える印象が大きく変わります。

何を言いたいかと言いますと、この曲は作詞も作曲も素晴らしいですが、この宮野弦士さんの編曲でないとここまでの評価(2020アイドル楽曲大賞インディーズ部門1位)を得られなかったのではないか、と私は思うのです。

宮野さんご自身もツイッター(だったかな?)で「会心の出来」と仰ってましたが、本当に素晴らしいアレンジだと思います。宮野さんはこの曲のようなエヴァーグリーンなアレンジをさせたら当代随一じゃないでしょうか。なんか偉そうな物言いですね。すみません。

余談ですが、この曲の歌詞については過去に“『恋、いちばんめ』で考える少女の恋の心理学” という記事を書いてますのでお暇ならそちらも読んでいただけたら嬉しいです。

 

 

5位 EIMIE 『南無阿弥ディスコ』

 

 

この記事内で何度か「アイドル楽曲大賞」という言葉が出てきましたけど、知らない人のために一応説明しときますか。

毎年(と言っても2020年で9回目ですけど)年末にその年のアイドル楽曲のランキングを付けよう、というイベントをやってるわけですね。といっても、別に権威のある賞でもなんでもなく、そういうのが好きな人が集まって趣味でやってる、という程度の企画です。参加者も2020年は1407名という、なんというか日本のアイドルファンの総数からすればこぢんまりとしたイベントなわけです。

ですが、まあ一応アイドルファンの間ではちょっとした話題になるといった年末の風物詩、といった感じでしょうか。

で、2020年のアイドル楽曲大賞ではこのEIMIEの『南無阿弥ディスコ』は何位だったかというと

653位です。

もうがっかりですよ。1407人のうち投票したのは2人で総得点が4ポイント。白状しちゃいますと、この2人のうち一人は僕です。2ポイント入れました。なので、もう一人の人が2ポイント入れたわけですね。その人とはもう一晩一緒に飲みたいくらいですわ。

それはともかく、さらに言えばですね、この楽曲大賞のノミネートリストにはね、最初は入ってなかったんですよ。EIMIEが。楽曲大賞はそういうリストに入ってないアイドルを追加するためにメールで追加登録を受付ているんですが、誰がその追加登録申請をしたかというと、僕なんですね。(もちろん同時に他の人も登録申請したかもしれませんが)

言っておきますが、僕はEIMIEのオタクでもなんでもないんです。ただ、たまたま曲を聴いて気に入った一人のアイドルオタクです。

要するに、それだけこの曲を気に入ったということです。2020年で一番耳に残る、いや、耳にこびりつく、そういう楽曲だと本気で思っています。

遅くはない。みんな聴いて。

 

 

4位 CYNHN 『氷菓』

 

 

2020年はコロナ禍ということで、特に前半は楽曲のリリースが例年に比べて少なかったように思います。

アイドルの場合、ただ単に新曲を発売するだけでなく、リリースイベントというものが非常に大切となっています。イベントで新曲を披露して、CDを買ってくれた人は握手会などに参加する特典が与えられると。

まあ、この特典会システムについて個人的に思うところはあるのですが、そのことについては今回語りません。とにかく、そういうイベントを打てない現状だと新曲を発表するのはなかなか難しい、ということなのでしょう。

ですがそんな中でも、CYNHNは2020年も積極的に新曲を発表してきた感があります。そしてまたその曲どれもが良い出来でして、2020年に発表した8曲どれもが非常に素晴らしかったと思います。

で、どの曲も良かったのですけれど、その中から選んだのが『氷菓』(「アイスクリーム」と読みます)です。

CYNHNの今までの曲と比べると、“攻めた”感じではなくどちらかと言えばオーソドックスなポップスだと言えるかと思います。と言っても路線転換というわけではなく、楽曲の幅を広げていこうという事だと思います。

サビのメロディーが非常に強力で気持ちいい一曲で、彼女たちのヴォーカルの良さもまた再確認できる曲ではないでしょうか。

 

 

3位 B.O.L.T 『わたし色のトビラ』

 

 

B.O.L.Tの曲は全て打ち込みなしのエレキギター、エレキベース、ドラムスのみで作られています。(Remixバージョンを除く)

キーボードどころかアコースティックギターすら使わない漢らしい完全バンドサウンド。思い切ってます。

なので、曲調はほぼロック系。そんな中でもこの曲はポップス色の強い曲です。アレンジもハード過ぎない軽快なサウンド。音数もそれほど多くなく、凄くシンプルですが全ての楽器の演奏が気持ちよく聞こえます。(個人的にはドラムが非常に気に入りました。サビ前の二拍三連が最高)

そしてシンプルな楽器アレンジをカヴァーするようにコーラスワークが非常に丁寧に作られていて、これもまた気持ちいい。

歌詞も前向きな新しい希望を歌っていて、デビューして間もないグループにふさわしくて良いと思います。B.O.L.Tは結成する前、結成後も紆余曲折あったグループで、曲を作られたさとうもかさんは、この4人の事を思ってこの詩を書いたそうです。それを踏まえて聞くとまた感慨ひとしおです。

僕は初めてこの曲を聴いた時、あまりにも気に入ってしまいこの1曲だけを延々リピート再生していたほどですからね、1位にしてもいいくらい大好きな曲です。

 

 

2位 RYUTist 『ナイスポーズ』

 

 

“西日と建物の影を縫って走ってく電車の窓際で

 うとうとした肩を叩かれて振り返るまばたきの中

 いっせいに飛ぶ綿毛

 透明な空の手

 見えるのも見えないもの

 全てをもう信じてしまおう”

 

なんて美しい歌詞なんでしょう。

この部分だけでなく、この曲の歌詞は本当に全編通して素晴らしいです。

例えば、歌詞の最初に出てくる

“今から撮るから 変な顔しないで ちゃんと考えて

という言葉が、最後に

ずっと考えてくれてたの?

に繋がってることとか、それ以外にも、登場人物の性格に関係性、物語の始まりと終わり、ユーモアと感動、そういうものが短い詩の中に全てが効果的に配置されていて、とても気持ちよく感動的です。

歌詞だけでなく、曲も編曲も非常に独特かつ美しい。

この曲も1位にしても良いくらい大好きです。

 

 

1位 SAKA-SAMA 『抱えきれないわ』

 

 

この曲の素晴らしさをどうやって伝えたらいいんだろうか。

物凄く悲しかったり切なかったりする曲じゃないし、かと言って誰もがハッピーになれる楽しい曲でもない。強いメッセージや励ましの曲でもない。ただ、仄かに、微かに、柔らかい光と暖かさがある、とでも言ったらいいのだろうか。寒い日の道端でふと見つけた小さな陽だまりのような、そんな曲だと思う。(←妙にそれらしいことを言ってしまってちょっと照れくさい)

作詞と作曲を担当されたmekakusheさんのツイッターでのコメントに

ここねちゃんとみずほちゃん二人だけの強さを歌にしたくて、丁寧に歌詞とメロディを書きました

とありますが、本当に言葉ひとつ、音符ひとつが丁寧に作られているのが伝わってきます。

寿々木ここねさんと朝倉みずほさん、二人のヴォーカルも素晴らしいし、Kabanagu さんが担当されている編曲もこれしかない、というくらいにマッチしています。ピアノのイントロから始まってすこしづつ音が重なっていく様子、リヴァーブやエフェクトのかかり方、本当に素晴らしい。

2分50秒の小作品ですけど、稀代の名曲、だと思っています。

 

全てを抱えて生きていくことなんて出来ない。それが自分の事でも相手の事でも世界の事でも。

抱えられるものだけ抱えて生きていけばいい。それは悲しみや辛さだけではなく、喜びや幸せ、愛情なんかも全ては抱えて生きてはいけないのかもしれない。

でも、それでいいじゃん。

そんな風に思った曲でした。

 

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というわけで2020年の個人的アイドルソングmyベスト20でした。

彼女のサーブ&レシーブ以外の曲はSpotifyにありますので、プレイリストを作りました。それを貼って終わりとしましょう。

 

 

それでは。