親和欲求とは、人間に元来備わっている欲求で、誰かと一緒にいれば得をするなどといった、メリットがあるという事では無く、単純に誰かと一緒にいたいと思う欲求です。

新入学、または進級直後にあちこちでグループができますよね。あれはこの欲求が働いているからと言われています。

この欲求は恐怖や不安を感じた時に、より強く働くとされていますが、その大きさには個人差があり、いわゆるロンリーウルフ(死語?)などはその欲求が低い人と言えるでしょう。

 

アメリカのシャクターという心理学者がこの親和欲求について実験を行いました。

統制群と実験群それぞれに電気ショックをこれから与えると伝え、どう行動するかを見るものでした。

一方には恐怖を与えるため、電気ショックによる痛みや不快感、危険性などデメリットばかりを説明し、もう一方には前述のデメリットは特にないと伝えました。

その後、準備が終わるまで控室で待っているように伝え、その際待機するときはひとりでも複数でも構わないと伝えました。

結果、デメリットばかりを伝えたグループはそうでなかったグループと比べて複数人で待機している割合が2倍にもなったという結果が得られたそうです。

つまり、恐怖を感じたために複数人で寄りあったといえるでしょう。

 

親和欲求は恐怖の度合いで比例します。

高熱を出した時、入院でひとりのとき、こういったときは本当に心細いですよね。

刑務所には独居房という懲罰房があります。刑務所では通常、規則正しい時間に起きて、食事をとり、刑務作業という仕事をします。これは内職のようなひとりでやる作業ではありません。ですが、刑務所内で喧嘩などの問題行動を起こした囚人は独居房というところへ入れられます。

ここでは刑務作業などへの従事は無く、ただひたすらその部屋で過ごさなければなりません。誰もいない空間でひとりです。

これはこの親和欲求を利用した懲罰と言われています。江戸時代でいう島流しもこれにあたります。

人は不安を感じた時、ひとりでいることが何よりも苦痛である、という心理を利用したものなのです。

異性の友人と一緒にお化け屋敷や絶叫マシーンに乗って、その後恋に発展するというのもこの親和欲求が働いたことによるものとされています。

 

つまり、人間は誰かと一緒にいなければ生きられない生き物なのです。

「ひとりが気楽」「友達なんて、恋人なんて邪魔なだけ」たまにそんなことを聞きます。この理論を知っていればこの言葉が意に反しているということはわかりますね。

だれか周りでこういった人がいた場合、気軽に声をかけてあげてください。きっと喜びます。

 

人類皆兄弟。いつかそんなことが言える世界になればいいですね。