坐禅というと、足を組んで坐っている姿を連想されるのでは

ないでしょうか。なぜあのような姿勢を取るのか、ということも

含め、今回は坐禅の姿勢について見ていきましょう。

 

坐禅の姿勢における一番のポイントは、背筋を伸ばすという

ことで、これには少しだけコツが要ります。

 

ところで、なぜ背筋を伸ばすのかというと、これはみなさん

覚えがあるかと思いますが、背筋を伸ばすと気分がシャキッと

するからです。ボヤーっとした気分で坐るより、シャンとした気分

で坐った方が都合が良い、というぐらいに捉えていただければ

よろしいかと思います。

 

つまるところ、坐禅をボーっとしながらやるのは NG、という

ことですね。一生懸命に、全身を使って、ときに汗水垂らす

ぐらいの感じで坐ることで、普段ボンヤリと日常を過ごしている

際に、知らず知らず、無意識に「自分」と「世界」を分けて見て

... そのつもりで動いてしまう、そんな私たちの癖を落としていく。

こういうのが坐禅ですので、それには、シャキッとした気分で

坐れることが望ましい。

 

これ以外の部分で、足の組み方などの細かいところはあるの

ですが、まずは背筋が伸びていればOK、と、ざっくり認識しても

良いかと思います。

 

脚を組むのは、姿勢を固定する意味合い、手を特殊な形にしておく

のは、意識が朦朧とすると自然と手の形も崩れるので、最低限の意識が

手の形を維持することに置かれていることで、頭がぼんやりするのを

回避する、という意味合いもあります。ただ、これは、坐禅のときに

ずっと手の形を気にしておく、という意味ではないのです ... 手が

グチャっとしていたら、それに気づいて直して、また坐る、という

ような感じで良いのではないでしょうか。ここのところは、別のご意見

をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

さて、坐るときの姿勢に関しては、以下のようなことがポイントに

なります。順を追って、書いてみました:

 

 

1-1    クッションの上に、お尻の後ろ半分ぐらいを乗せて坐ります。

     足は座布団の上へ。

 

1-2    足を組みます。組み方は ...

 

     ・両足を交差させる (難易度はやや高め)

  ・片方の足をもう片側の腿に乗せる (難易度は中ぐらい)

  ・あぐら (難易度は低め)

   (あるいは、正座、もしくはいすに坐ってもOKです)

 

    詳細をビジュアルで理解されたい方は、ネットで

   「結跏趺坐(けっかふざ)」「半跏趺坐」などと検索すると、

    関連の画像を見ることができます。

 

1-3  右の手の甲を左の手のひらに乗せ、両手の親指を軽く触れ

   合わせます。手で楕円の形が作れていたらOKです。

 

1-4  背筋を伸ばします。

 

       *下腹部を少し前に突き出すと同時に、上体をやや後ろに傾ける

           要領で姿勢を作ると、ちょうど背筋が真っ直ぐに伸びます。

           頭は真上から糸で吊られているイメージ。顎は、軽く引いて

           ください。

 

1-5  その体勢のまま、体を左右に2、3回ほど軽く揺らして、

        姿勢の最終調整をします。

 

このように、坐禅前に姿勢の「セットアップ」ができれば、てっきり

はっきりとした気分で、がっつりと坐れることでしょう。どうぞ、

チャレンジしてみてください。