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化粧品開発者のひとりごと

many things about skincare

昨日神戸で行われた、
太陽紫外線防御研究委員会第23回シンポジウムについて、
僕なりの視点でレポートします。

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1980年から現在までで、
最大18.5%増加していると推測される紫外線。
皮膚がん、白内障、老化などそのダメージを危惧する意識は、
専門的に研究する科学者の間では極めて深刻化していて、
一般の方との間にかなりの温度差があると感じました。

シンポジウムの中でも、
特に僕が興味を持ったテーマは、
「紫外線」と「放射線」の性質やリスクを比較すると言うもの。

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そもそも、一般的には
セシウムやヨウ素などから発せられるγ線や
レントゲンに使われるX線など
電離放射線を指して放射線と呼ばれますが、
紫外線も電離性のない非電離放射線でって、
広義な意味では放射線の一種なのです。

つまり、ここでの比較というのは、
紫外線と電離放射線の比較ということです。

その性質の差は電離放射線は外部被爆、内部被曝ともにあることに対して、
紫外線は外部被爆のみです。
その一方リスクと言う意味ではどちらもDNAを損傷させ発がん性を高めます。
ただ、電離放射線は年間どの程度受けることで健康被害を起こすか、
被爆限界値が示されていることに対して、
紫外線は示されておらず、リスク管理に明確な指標がありません。
また、電離放射線も紫外線も被爆直後に健康被害を発生するわけではなく、
被爆後数十年経ってから病症が発生します。
さらに、いずれも微量であれば特に問題を生じないながらも、
許容量を超えた途端にリスクが高まります。

時代背景の中で、電離放射線についての危機意識は極めて高く、
それに比べ紫外線については、急激な上昇が起こってから、
まだ歳月が短いため、許容量など危機管理方針が定まっていないため、
むしろ、紫外線には未知数のリスクがあると考えられます。

そうしたことから、20年後、30年後に重大な健康被害は発生しないように、
今、未然に防御して対処すべきと言うのが専門に研究する科学者の見解です。

今回のシンポジウムを終えて、
僕が感じたことは、紫外線防御の重要性はもちろんながら、
紫外線量を下げるためになにができるかと言うこと。
こと電離放射線については、福島第一原発事故依頼、
原子力という人が制御不能な科学技術を見直すべきという、
倫理的な意識は高まっています。
本来、CO2の排出も同じことで、
もはや人の制御不能な領域まで膨張し、
オゾン層を破壊して紫外線量が増える。
さらに、それによって紫外線を防御するための、
衣類、サングラス、日傘、日焼け止めなどの
需要、消費、生産が増え、またC02が排出される。
そう言った循環を根本的に見直さなければいけないフェーズに
私たちは今立たされているのだと感じました。

僕自身も商品を開発する人間として、
何ができるのか、もう一度考えたいと思います。