久々の更新です。
2回目の投稿は一回目のオルゴール職人、モリースとは違った味のある、魔法使いのような人を。。と思い、やはりこの人しかいないと思いました。この方も数年前に初めてパリで出会いました
友人からの誘いでパリコレクションシーズンに初めてパリを訪れました。初めてのファッションの都に私はものすごく驚きました。
日本のセレクトショップで並んでるインポートブランドがずらりと展示会を行っていて
いました(ファッションウィークですから当たり前なのですが)。
中にはデザイナー自ら接客をするブランドもありました。私が当時大好きなだったブランドの展示会で遠目からデザイナーさんを目撃できたことに、ただただパリはすごい!と感動していたことを今でも覚えています。
その時、一番出会えて嬉しかったのが、今回ご紹介するイタリアからのハッター、レナードでした。
こちらは6月パリに訪れた際に立ち寄ったレナードのブランドREINHARD PLANK(レナードプランク)のショールームの写真です。至る所に彼の作品が積み重なっていました。
にょろっと伸びているオリジナルのハットスタンドにはもちろんですが、床にもずらり、
入り口のベンチにも飾られ、本当に所狭しと彼の帽子が並んでおりました。先ほど「積み重なって」と言いましたが、写真は綺麗に展示されている部分のみを撮影しました。通常は形崩れなどが起きやすいハットは積み重ねたりすることを避けるのですが、その場で帽子の形を変えたりと自由気ままなレナードには正統派な展示より無造作な方が合っているのかもしれません。
レナードの最大のこだわりといえば、なんと言っても「ハンドメイド」です。レナードはフランス製の生地を使用してイタリアのトスカーナで製作しています。トスカーナといえば、ボルサリーノを生んだ、帽子職人が集まる街としても有名です。イタリア国内では帽子の木型職人がたった2名だと言います。木型を使って型をとり、蒸気を当てながら帽子作る伝統的な製法後、強度を加えるため引っ張ったり、スプレーなどで染色をしたり、ワックスを塗ったり、と様々な工程を加えて、美しい帽子を作り上げていきます。
ぐしゃぐしゃの布にインクをつけて、帽子一つ一つに色をのせていったり、バーナーで焼いてみたりと、彼自身の感覚で作り上げていくハットは同じものが2つとありません。
加工ものだけではなく、こういったトラッドな雰囲気な作品もあります。ぱっと見はシンプルで、ブリムを伸ばしてしまったbowlerハットなようにも見えますが、実は後ろを2cmくらいしかブリムがなく、シンプルな中にもレナードらしい個性がつまっています。
こちらは私が一番初めに購入したREINHARD PLANKのハットです。パリの蚤の市で見つけたブローチを付けて使用しています。ブローチ付きのこのハットをかぶった私を見たレナードは、何も言わずに帽子を奪い、ブランドの焼印を確認し、また私の頭に戻しました。今思えば、ブローチがついていたので、自分の作品に似たハットだと感違いしたか、カッコイイハットと思ってブランドを確認したのか、どちらかではないかと思います( 笑)
ちなみにこちらがREINHARD PLANKの焼印になります。通常はどちらが後ろかわかるようにブランドのタグやロゴなどは真後ろの真裏にあるものなのですが、レナードの場合は焼印が押したい箇所に押されているケースが多いです。
こちらは先日のパリでのショールームにて。
頭の中で考え抜かれたデザインではなく、彼が感じたままに、その場の雰囲気とその人に合わせて、木型ではなく人の頭を使って帽子の形を作っていくこのパフォーマンスは、帽子のリメイクからブランドをスタートさせたレナードならではのアドリブ技です。
こちらが出来上がりになります。(セルフィーで失礼いたします)
引っ張られたり、潰されたりで正直痛かったですが、出来上がった形を見た時は魔法にかけられた感覚になります。
こちらのパフォーマンスは、先日まで東京の期間限定ショップで、購入者向けに無料で行われていました。せっかくなので、私も秋冬のハットを購入して、(レナード曰く)一番質の良いラビットのウールで作っていただきました。
レナードのサイン入りです。
今回はきちんと蒸気をかけていたので、前回ほど引っ張ったりの痛みはありませんでした。一見崩れたように見えるシルエットや無造作に作られたフォルムは、フォーマルからカジュアル、トラッドからモードまで幅広いスタイルに溶け込みます。
今期からレナードの袋が新しくなったそうです。こちらはトートバッグにもなり、ショルダーバッグにもなります。レナード自身が考えて作ったという、完全オリジナルのでMADE IN ITALYになります。
これで旅行の時にどうやって帽子を持っていこうか悩まなくて良くなります。
裏に書いてあるこちらの帽子はレナードが初めて作った帽子の形だそうです。自身の作品一つ一つに心を込めていることが、こういうところでも感じられます。
帽子があるところに、ちょっとした幸せがあればいい -REINHARD PLANK
REINHARD PLANKのレナードは自由で独創的で、帽子作りを愛してやまない職人です。まだまだ日本は帽子文化ではありませんが、一度でも良いのでレナードのハットを数多くの方にかぶっていただきたいと心から思います。きっと、そこには彼が願うちょっとした幸せがあると、魔法にかけられた私は信じています。
では、この辺で。。
CIAO















