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厚生労働省は5月29日、最近の医療費の動向について発表した。それによると、平成26年4月から平成27年1月までの概算医療費は33兆2,000億円で、前年同期より1.6%増加した。
過去の概算医療費とその伸び率を見ると、平成22年度が前年同期比で3.9%増の36兆6,000億円、平成23年度が同3.1%増の37兆8,000億円、平成24年度が同1.7%増の38兆4,000億円、平成25年度が同2.2%増の39兆3,000億円になるなど、年々増加している。
このように、医療費が増大しているのは、日本が少子高齢化社会に突入したことが大きく影響している。平成26年4月から平成27年1月の医療費の伸び率を見ると、75歳未満の医療費の伸び率が前年同期比で1.4%増であるのに対して、75歳以上では同1.9%になるなど、若い世代を上回るペースで増加している。
また、最近では、医師が処方した薬の飲み忘れや飲み残しによる「残薬」の問題も、医療費が増大する原因の1つに挙げられている。特に高齢者の場合、処方されている薬の種類が多いほど、飲み忘れや飲み残しをするケースが増える傾向が強い。
そこで、医師専用コミュニティサイトを運営するメドピア株式会社は、会員登録をしている医師163名を対象に、残薬の問題についてのアンケートを実施。その結果を6月1日に発表した。調査日は5月18日。
まず、病気の原因が不明なときに薬を処方した経験があるか聞いたところ、59.5%の医師が「ある」と回答した。その理由について具体的なケースや理由を聞くと、「原因が不明な発熱や頭痛などに対する対症療法薬」「痛みの原因を検索中でも患者の希望で痛み止めを出さざるを得ない」などのコメントがあった。
次いで、「薬を出さない医師は患者うけが悪い」と感じたことはあるか聞いたところ、58.9%の医師が「感じる」と回答した。その理由には「病院に薬をもらいに来ている人が多い」「薬がないと何もしてくれなかったと感じる患者が多い」などのコメントがあったほか、「その薬は必要ないと話すと、よそでもらうと公言する」患者もいるという。
医師による薬の過剰な処方は問題だが、膨張する医療費を削減するには、患者の意識を変えることも必要なのかもしれない。
(サイトウ イサム 、 加藤 秀行)