PC を新しくしたのを機に、フィルムスキャナーを復活させました。


二十代の私はどこへ行くのもカメラと一緒で、いろんな所へ旅したり、日常の風景を撮っていました。
今でもニコン F2,FM3a、そしてミノックス 35GT-E という三台のカメラを現役で使いフィルムで撮影しています。

私は、良いフィルムとレンズで撮った写真はデジタル写真に劣らないと考えています。一例を挙げると、豊かな諧調表現は量子化されたデジタルでは得られません。「暖かみ」とか「懐かしさ」とかではなく、フィルム写真が極めて高画質だから使い続けています。
デジタルカメラの利便性が高いことは確かですが、私にはスマートフォンの内蔵カメラで充分です。
しかし今(2025年)では、フィルムから高品位なプリントを得る事はとても難しくなりました。町の写真屋さんにはミニラボが置かれていませんし、例えあっても内部でフィルムをデジタルスキャンしてからプリントしているため、出来上がったプリントはデジタル写真になっています。純粋なアナログで写真をプリントする技術は、もはやロストテクノロジーになりつつあるのが現状です。

それでもフィルムを使い続け過去の資産を生かすために、フィルムスキャナーは強力な武器となります。
さて、物置の奥からニコンの COOLSCAN V ED を引っ張り出して来ました。フラットベッドではない 35mm フィルム専用のスキャナーであり、発売は 2003 年ですから二十年以上前の機器です。

数年間電源を入れていませんでしたが、PC に接続して電源を入れると問題なく起動して安心しました。しかし問題は、ハードウェアではなくソフトウェアの方です。このスキャナーは十年以上前にサポートが終了しており、Windows11 上で動作するドライバーもソフトウェアもありません。しかし、捨てる神あれば拾う神あり、世の中には有志で対応ソフトを開発公開してくださっている方がおられます。そんな中から、VueScan と SilverFast という二つのソフトを試用してみました。


一枚目は 2024 年四月の F1 日本グランプリをフジカラーの ISO400 フィルムで撮影した写真です。スキャンしたままの画像はファイルサイズが大きいので、画素数を下げサイズも小さくしています。色は肉眼で見た印象に近く、細部まで再現されています。


二枚目は、三十年前にコダックエクター25で撮影した写真です(ソフトウェアがまだ試用版なので、購入を促す文字が表示されています)。経年劣化による若干の退色がありましたが、補正してやると当時に近い色が再現できました。
エクター25 は ISO25 という超低感度と引き換えに、高い粒状性に支えられた高画質を誇りました。低感度ゆえに扱いにくいですが、ここ一番の撮影に使うフィルムでした。
このエクター25 と、美しい色再現性を持つフジカラーリアラの二つが常用フィルムでしたが、はるか昔に製造終了となってしまい、ネガフィルムで高画質な写真を撮るのは難しくなっています。リバーサル(ポジフィルム)では、コダクロームは消え去ったもののベルビアやエクタクロームが生産され続けていますので、アナログプリントを前提としないのであればこちらをメインにした方がいいかもしれません。

スキャンソフトはしばらく使ってみて、どちらを購入するか検討します。
これでしばらく、フィルムカメラを使い続けることができそうです。