モデル誤差抑制補償器

モデル誤差抑制補償器

モデル誤差抑制補償器(MEC)の研究紹介ブログです。

ブログを更新せずに数年が経過しました。現状の研究室のアクティビティについて紹介します。

YouTube

YouTubeチャンネルを開設し、現時点で8000名の登録者がいます。
 
 
制御関連の動画を中心に400本弱の動画で構成されています。これに関連してブログもやっています。
 
 
また、動画ポータルサイトを2つ開設しています。一つは制御動画のポータルです。
 
 
動画数が500本以上あります。また、制御工学の専門の解説記事へのリンクや、日本の制御研究者をまとめたページなど多彩な内容です。
また、電気電子関連の動画をまとめた以下のサイトもあります。
 
 
動画本数は200本ほどであり、今後増やしていく予定です。
研究室ホームページも、色々と試行錯誤の末に次のようになりました。
 
 
ちなみに、このブログの開設目的のモデル誤差抑制補償器の展開はうまくいっている気がします。いまのところうまくまとまっているのが、はてなブログに投稿した以下の記事です。よかったら読んで頂ければ最新の研究動向がわかります。
 
 
元となる記事は色々あります。

岡島,松永: 前輪駆動型電動車椅子に対する規範モデルに基づいた操縦性能改善,設計工学,Vol. 50, No. 4, pp. 163-168 (2015)

http://www.jsde.or.jp/shuppan/2015/jl201504.html


電動車いすの制御系に対するMECの適用とその性能改善についての解説記事です。


岡島,松永:モデルと実対象の信号差を利用した制御,システム/制御/情報,Vol. 60,No. 2

http://www.iscie.or.jp/j/?%E3%80%8C%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%2F%E5%88%B6%E5%BE%A1%2F%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%80%8D%E7%AC%AC60%E5%B7%BB


MECだけでなく、IMCや外乱オブザーバなどについて比較を行った解説記事です。非線形システムに対するモデル誤差抑制補償の有効性についても解説しています。

モデル誤差抑制補償器の概要②モデル誤差


モデル誤差抑制補償器で行うこと: 制御対象Pにフィードバックを施して,P’を作成する。


制御対象PとモデルPMとの間のなんらかの誤差をΔPとしよう。

ΔPは周波数特性を持つ。(ここでは、触れない。)


通常の制御では,数理モデルPMに対して制御器を設計する。(モデルベースド制御


得られたコントローラをCとすると,PMにフィードバックを施した伝達関数GMは以下で与えられる。


GM = PM C/(1+PM C)


一方,当然のことながらモデルはコントローラを作成するために作ったものであるため,実際には制御対象にCを用いることになる。そこで,Pにフィードバック制御を施す(コントローラC)とすると伝達関数Gは以下


G=PC/(1+PC)


で与えられる。


制御系の伝達関数Gとモデルにフィードバックを施した系GMとのギャップは


G - GM


と与えられるが,この大きさはΔPに依存する。ΔPが大きければ大きいほどG - GMの差も大きくなる。


すなわち、GMは良い制御系であっても,Gが良いとは限らない。


このとき,ΔPを小さくできればGMとGのギャップが小さくなる。すなわち,Pに対する制御系Gは良い。


ΔPを小さくするには限界がある。そのため,Pにフィードバックを施した補償システムをP'とし,P'とPMの差をΔP'と定義する。


ΔP'を小さくする補償器が存在したとすると,補償されたシステムP'にコントローラCを施して


G' = P' C/ (1+P' C)


を得たとき,G'とGMとの差も小さくなることが期待される。すなわち,補償されたシステムP'を制御した全体系G'については,GMと近い特性を示しているため,制御性能が高い。


良い制御系を求める問題をΔP'を小さくする問題に置き換えることができるとわかる。