2.でモデルに対しては良いコントローラになっていたとしても、3.で制御対象に対してはひどい制御結果になる場合があります。
このとき、モデルと制御対象のギャップが悪影響を与えていることになります。このような差を、モデル誤差と呼びます。ここで、私たちにできることはいくつかあります。
1.モデルを作り直す。
どういう理由でギャップがあるかなど、改善の余地がある場合にはモデルを作り直して1-3のプロセスをやりなおすのが一番手っ取り早いです。
2.ロバスト制御器を実装する。
前の記事の2番のコントローラの設計において、ロバスト性の高いコントローラを設計します。ロバスト性が高いとは、モデル誤差があってもうまく作用することを意味しています。しかし、高い性能を出しにくいという問題点があります。
通常は、1か2のプロセスを行うことになります。これに対して提案している、「モデル誤差抑制補償器」は、1.や2.とは別のアプローチである、以下の3を行います。
3.無理やりモデルと制御対象の特性を合わせる。
前の記事の2番で求まったコントローラでうまく制御できるよう、ダイナミクスの補正を行います。