モデル誤差抑制補償器

モデル誤差抑制補償器(MEC)の研究紹介ブログです。


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岡島,松永: 前輪駆動型電動車椅子に対する規範モデルに基づいた操縦性能改善,設計工学,Vol. 50, No. 4, pp. 163-168 (2015)

http://www.jsde.or.jp/shuppan/2015/jl201504.html


電動車いすの制御系に対するMECの適用とその性能改善についての解説記事です。


岡島,松永:モデルと実対象の信号差を利用した制御,システム/制御/情報,Vol. 60,No. 2

http://www.iscie.or.jp/j/?%E3%80%8C%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%2F%E5%88%B6%E5%BE%A1%2F%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%80%8D%E7%AC%AC60%E5%B7%BB


MECだけでなく、IMCや外乱オブザーバなどについて比較を行った解説記事です。非線形システムに対するモデル誤差抑制補償の有効性についても解説しています。

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モデル誤差抑制補償器の概要②モデル誤差


モデル誤差抑制補償器で行うこと: 制御対象Pにフィードバックを施して,P’を作成する。


制御対象PとモデルPMとの間のなんらかの誤差をΔPとしよう。

ΔPは周波数特性を持つ。(ここでは、触れない。)


通常の制御では,数理モデルPMに対して制御器を設計する。(モデルベースド制御


得られたコントローラをCとすると,PMにフィードバックを施した伝達関数GMは以下で与えられる。


GM = PM C/(1+PM C)


一方,当然のことながらモデルはコントローラを作成するために作ったものであるため,実際には制御対象にCを用いることになる。そこで,Pにフィードバック制御を施す(コントローラC)とすると伝達関数Gは以下


G=PC/(1+PC)


で与えられる。


制御系の伝達関数Gとモデルにフィードバックを施した系GMとのギャップは


G - GM


と与えられるが,この大きさはΔPに依存する。ΔPが大きければ大きいほどG - GMの差も大きくなる。


すなわち、GMは良い制御系であっても,Gが良いとは限らない。


このとき,ΔPを小さくできればGMとGのギャップが小さくなる。すなわち,Pに対する制御系Gは良い。


ΔPを小さくするには限界がある。そのため,Pにフィードバックを施した補償システムをP'とし,P'とPMの差をΔP'と定義する。


ΔP'を小さくする補償器が存在したとすると,補償されたシステムP'にコントローラCを施して


G' = P' C/ (1+P' C)


を得たとき,G'とGMとの差も小さくなることが期待される。すなわち,補償されたシステムP'を制御した全体系G'については,GMと近い特性を示しているため,制御性能が高い。


良い制御系を求める問題をΔP'を小さくする問題に置き換えることができるとわかる。

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モデル誤差抑制補償器の概要①はじめに


2.でモデルに対しては良いコントローラになっていたとしても、3.で制御対象に対してはひどい制御結果になる場合があります。


このとき、モデルと制御対象のギャップが悪影響を与えていることになります。このような差を、モデル誤差と呼びます。ここで、私たちにできることはいくつかあります。


1.モデルを作り直す。


どういう理由でギャップがあるかなど、改善の余地がある場合にはモデルを作り直して1-3のプロセスをやりなおすのが一番手っ取り早いです。


2.ロバスト制御器を実装する。


前の記事の2番のコントローラの設計において、ロバスト性の高いコントローラを設計します。ロバスト性が高いとは、モデル誤差があってもうまく作用することを意味しています。しかし、高い性能を出しにくいという問題点があります。


通常は、1か2のプロセスを行うことになります。これに対して提案している、「モデル誤差抑制補償器」は、1.や2.とは別のアプローチである、以下の3を行います。


3.無理やりモデルと制御対象の特性を合わせる。


前の記事の2番で求まったコントローラでうまく制御できるよう、ダイナミクスの補正を行います。

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ここでは、モデル誤差抑制補償器の概要を説明します。詳しいことは、


研究業績と概要


に記載されている参考文献をご覧ください。しかし、このブログを読むだけでおおよそのコンセプトや概要はわかります。



①はじめに

制御においては、対象の数理モデルが重要なことがかなり多いです。コントローラを設計する際には以下の手順を踏むことになります。


1.制御対象に入力を印加し、出力応答を調べる。この入出力応答から数理モデルを導出する。


補足:数理モデルは主に微分方程式の形で記載されることになります。


2.1.で求められたモデルに対して、応答が良好となるようにコントローラを設計する。設計は計算機シミュレーションによって行うことがほとんどである。


補足:コントローラも主に微分方程式であらわされます。仕様や条件により、どのような設計法が良いかは異なるものの、計算機上で良好なコントローラを設計する既存の方法は数多く与えられており、おおよそ、2.のプロセスによってコントローラを求めることが多いです。


3.2.で求められたコントローラを制御対象に適用する。


補足:制御では、制御対象をコントロールしてはじめて意味があります。2で求められたコントローラがモデルに対して有効であるならば、制御対象に適用しても有効でしょう。



通常、1-3の手順を踏むことで、制御系設計が終わります。しかし、もしモデルと制御対象のダイナミクスに差がある場合、2.でモデルに対しては良いコントローラになっていたとしても、3.で制御対象に対してはひどい制御結果になる場合があります。


モデル誤差抑制補償器の概要②モデル誤差

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モデル誤差抑制補償器の研究紹介をします。


以下は関連する学術誌掲載論文です。


1. H. Okajima, H. Umei, N. Matsunaga and T. Asai: A Design Method of Compensator to Minimize Model Error; SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration, Vol. 6, No. 4, pp. 267-275 (2013)


最初に投稿した論文です。概念を示した論文となります。SISO系、フィードフォワード制御系およびフィードバック制御系にモデル誤差抑制補償器を適用した場合について、評価関数の最小化問題に帰着させています。



2. 梅井啓紀,岡島寛,松永信智,浅井徹: モデル誤差抑制補償器の多入出力システムに対する設計,システム制御情報学会論文誌,Vol. 27, No. 2, pp. 67-72 (2014)


2本目の論文です。多入力多出力系に適用した場合を考えています。多入力では、設計自由度が多くなることから、出力の誤差補償をしつつ、入力のバラツキも抑えるといったトレードオフに基づいた設計が可能になります。


3. 丸野裕太郎,A. T. Zengin,岡島寛,松永信智,中村憲仁: モデル誤差補償による福祉用前輪駆動型パーソナルビークルSTAVi の操縦特性の改善,JSME(C編), Vol. 79, No. 808, pp. 4721-4733 (2013)


福祉車両であるSTAViにモデル誤差抑制補償器を適用することで、操作特性の改善を図っています。実機応用に関する最初の論文です。




4. 藤岡巧,岡島寛,松永信智:モデル誤差抑制補償器と周波数整形型終端状態制御の併用による3 慣性ベンチマーク問題の一解法,計測自動制御学会論文集,Vol. 50, No. 12, (2014)


モデル誤差抑制補償器をベンチマーク問題に適用し、このロバスト化設計の容易さを示している論文です。有効なFF入力設計法である、FFSCを併用することで従来よりよい制御性能を実現しています。



5. 岡島寛,西村悠樹,松永信智:モデル誤差抑制補償に基づく非線形システムのフィードバック線形化,計測自動制御学会論文集,Vol. 50, No. 12, (2014)


モデル誤差抑制補償器のアイディアを非線形系に適用した論文です。通常のフィードバック線形化では、高いロバスト性を満足するのは難しいです。これに対し、提案法では高いロバスト性を有した線形化を実現しています。また、出力フィードバック構造となっている点にもこの手法の特徴があります。



以下は関連する学会発表です。


岡島寛,梅井啓紀,松永信智,浅井徹:制御対象に対するモデル誤差抑制補償;計測自動制御学会第11回制御部門大会資料,2011年3月


岡島寛,浅井徹,梅井啓紀,松永信智: モデル誤差抑制補償器の一設計法;第55回システム制御情報学会研究発表講演会資料,2011年5月



H. Umei, H. Okajima, N. Matsunaga and T. Asai:A Design Method of Compensator to Minimize Model Error; SICE Annual Conference 2011,2011年9月



梅井啓紀,岡島寛,松永信智,浅井徹: 多入出力系のモデル誤差抑制補償,第30回計測自動制御学会九州支部学術講演会101A5,2011年12月



岡島寛,西村悠樹,松永信智: 非線形システムの入出力線形化に対する新しいアプローチ; 第12回制御部門大会,2012年3月



梅井啓紀,岡島寛,松永信智,浅井徹: モデル誤差抑制補償器を含むフィードバック制御系の安定性解析,第55回自動制御連合講演会,pp1555-1560, 2012年11月



森永 智也, Aydin Tarik Zengin,岡島 寛, 松永 信智:規範モデルの切り替えによる前乗り型電動車椅子STAVi#2の走行特性の改善, 第31回計測自動制御学会九州支部学術講演会201B5,2012年12月



梅井 啓紀, 岡島 寛, 松永 信智, 浅井 徹:モデル誤差抑制補償器による非線形システム制御, 第31回計測自動制御学会九州支部学術講演会101B3,2012年12月


Y. Dan,H. Okajima,N. Matsunaga,Z. Hu and N. Nakamura, Experiment of Indoor Platoon Driving using Electric Wheelchair STAVi Controlled by Modeling Error Compensation System, ICT-PAMM Workshop on Mobility Assistance and Service Robotics, p26-31,2013年



藤岡巧,岡島寛,松永信智,終端状態制御とモデル誤差抑制補償器によるロバスト制振制御,第56回自動制御連合講演会,1030,2013年11月



岡島 寛,松永 信智,モデル誤差抑制補償器に基づく自動車のロバスト経路追従制御系の設計,第一回制御部門マルチシンポジウム,2014年3月



T. Sugano, Y. Dan,H. Okajima,N. Matsunaga,Z. Hu, Indoor Platoon Driving of Electric Wheelchair with Model Error Compensator along Wheel Track of Preceding Vehicle, The 5th International Symposium on Advanced Control of Industrial Processes,2014年5月



岡島寛,松永信智,モデル誤差抑制補償器の非最小位相系に対する構成,第57回自動制御連合講演会,2014年11月



金丸瑛佑,岡島寛,松永信智,ロバストな入出力線形化手法を用いた油圧システムの制御,第32回計測自動制御学会九州支部学術講演会,201A2,2014年12月





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